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【8巻発売中!】裏稼業転生~元極道が家族の為に領地発展させますが何か?~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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965/968

第965話 各々の会議ですが何か?

『完遂のジョドー』死す。


『屍人会』に激震が走った。


 幹部の多くが襲撃を受けて、多数が死亡している事実はあった。


 しかし、幹部は幹部でも大幹部である。


 大幹部は数人いるが、『完遂のジョドー』は、暗殺精鋭部隊の長としても重要な役割を果たしており、『屍人会』の屋台骨を支える一人だったから、味方から畏敬の念を持って、敵からは恐れられる存在だった。


 それが、万全の態勢で罠が敷かれていた隠し事務所で、多大な被害を出して討ち取られた。


 同時に『双刀斬鬼のネイ』も無残な姿で発見されていた。


「死ぬにしても、心臓を抉られて二度と使えない状態とはな」


 事務所の会議室で、大幹部の一人『道化師のピエール』が、赤い鼻を外してそれを磨きながら、呆れていた。


「罠の設置は、『新生・亡屍会』の役目だろう? 敵を一人も仕留められていないのなら、これは失態だな」


 本部事務所防衛担当である幹部の一人『防殺のロック』が、今回の責任の所在を口にした。


「ちょっと待て。罠は正常に起動し、敵も負傷したと報告を受けている。うちの仕込み毒は、確実に死に至る。今頃、死んでいるさ」


 同盟組織である『新生・亡屍会』の代表として、幹部の『蜘蛛のハイダース』が反論した。


「死体がないのでは説得力はないぜ? それより、反撃の要になるはずのジョドーさんが死んだとなると、これからどうするんだ?」


 新たな大幹部に指名された若手の出世頭『暗殺貴族のキッド』が、『蜘蛛のハイダース』は眼中にないとばかりに口を挟んだ。


 キッドは、金髪に青い目をした地方貴族の嫡男で、見た目も貴族らしい派手で豪華な服を着ていた。


「殺し屋精鋭部隊の後釜には、お前が座れ。ボスからのお達しだ」


『道化師のピエール』が、まだ、十八歳のキッドに、ボス・ヒューマの決定を伝えた。


「え、いいのか? という事は、殺し屋精鋭部隊を自由に使っていいんだよな!?」


 キッドは、殺したい相手でもいるのか、早速、動かす気でいた。


「おいおい、殺し屋精鋭部隊は、『屍人会』の最強の矛だぞ? その意味をわかっているのか?」


『防殺のロック』が、この若者が暴走しそうな気配を見せたので、釘を刺した。


「ボスの命令だろ? 俺には何を犠牲にしてでも、殺したい奴がいるからな。まずはそいつを殺すのに使わせてもらうぜ」


 キッドは、他の幹部の言う事に、聞く耳を持たないとばかりに、ボスの指名を盾にした。


「優先順位を考えろ! 今、うちは四組織から攻撃を受けているんだぞ! やるなら、その関係者にしろ!」


『防殺のロック』が、ムッとして、注意した。


「落ち着けよ、もちろん、関係者さ。だが、それ以前から、殺したいと思っていた相手だけどな」


 キッドは、ニヤリと笑みを浮かべるのだった。



 リューが立会い人である裏社会四組織同盟は、いよいよ最終段階に入ろうとしていた。


『屍人会』大幹部『完遂のジョドー』を仕留めた事で、敵に反撃の時を与える暇を与えず、本部事務所を襲撃しようという結論に至っていた。


「それで、『屍人会』の本部事務所はどこなんだ? ライトアム領都の事務所は、偽物だったんだろ?」


『死星一家』のボス・テッドが、肝心の問題を指摘した。


「ライトアム侯爵領にある事は間違いない」


『竜星組』の組長代理マルコが、淡々と応じた。


「結局、偽物ではなく、本物だったって話か?」


『聖銀狼会』の大幹部ネザーランドが、要領を得ない返答に疑問を漏らす。


「いや、領都の事務所は偽物で間違いない。本部事務所は、領都郊外にある広大な森の中にあるようだ」


 マルコは、最新情報を一同に共有した。


「郊外の森の中? なんだ、はっきりしていないのか?」


 ネザーランドは怪訝な顔をした。


「今のところ、偵察できないのはそこだけなんだ。周辺で部下が失踪して、まともな情報が得られなくてな」


 マルコが眉間にしわを寄せた。


「……そうなると、ぶっつけ本番で襲撃をかけるという事ですか……。ちょっと危険ですね」


『バシャドー義侠連合』の代表として、エンジ・ガーディーが、被害が避けられない点を懸念した。


「抗争を始めた時点でそれは仕方がないだろう。なんなら、うちの下っ端兵隊共を先に突っ込ませて、罠を確認してからでもいいぞ。そういう時の為に、契約を結んでいる連中だからな」


 ネザーランドは、問題ないとばかりに応じた。


「どんな契約だよ……。まあ、うちとしては助かるが、どういう風の吹き回しだ? 以前なら俺達にその役目を押し付けそうなもんだったが?」


『死星一家』のテッドが、『聖銀狼会』の変化に気づいた。


「会長命令で、立会人であるミナトミュラー子爵の顔を立てるように言われている」


 ネザーランドは、肩を竦めて見せた。


 どうやら、ネザーランドにとって、会長命令は絶対のようだ。


「僕? ──ありがたいですが、ここは、全組織が平等に兵隊を出して、襲撃するのが、問題が無くて一番だと思うのですがどうでしょう?」


 立会人として、黙って話しを聞いていたリューだったが、話を振られて意見を口にした。


「「「……」」」


『竜星組』のマルコ、『バシャドー義侠連合』のエンジ・ガーディー、『死星一家』のテッドは、リューの言葉に沈黙を以て同意した。


「……立会人の僕が意見をまとめるのもなんですが、各組織は、出せる兵隊を出して、森の中にあると思われる本部事務所を襲撃するという事で決定します。よろしいですか?」


「ああ(ええ)(……)(問題ない)」


 それぞれの代表は、リューの意見に同意し、五日後、ライトアム領都郊外の森に兵隊を動員する事で決定するのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


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