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【8巻予約開始!】裏稼業転生~元極道が家族の為に領地発展させますが何か?~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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317話 盛大なパーティーですが何か?

 王女クラス主催のダンスパーティーは、盛大に行われた。


 王女曰く、「初めての生徒が、ここを経験する事で他で怖気づく事なく参加出来るように盛大に行いましょう」と、宣言した通りであった。


 初めてパーティーというものに参加する平民出身の生徒達を中心に最初、グループが出来ていた。


「凄いな、貴族のパーティーって!」


「俺達、ここに固まってていいのか?」


「王女殿下の挨拶があったらみんな散って、特別クラスの生徒とかに挨拶しないと」


「そうそう。招待して貰ったお礼の挨拶しないと駄目だって、誰か言ってたぞ」


 こんな感じでみんな手探り状態であった。



「みんな、初めてだから、わからなくて当然だよね。あはは」


 リューは、みんなの様子を見ながら、緊張感無く笑っていた。


「リューはもう少し、緊張しろよ。ダンスの時間になったら、王女殿下をエスコートしないと駄目なんだからさ」


 ランスがリューに呆れると、重要な事を指摘した。


「それは言わない約束でしょ!?」


 ランスに指摘されたリューは急に緊張する。


 そう、一年生唯一の爵位持ちであるリューは、今回の主催者であるエリザベス王女のダンスの相手に指名されていたのだ。


 テスト以来の王女とのダンスなのである。


 緊張するなという方が無理であったから、リューは極力考えないようにその事を頭の外にやって、緊張しないでいたのだ。


「リュー、しっかりして。リズがちゃんとリードしてくれるから大丈夫よ。私も隣でランスと踊るから落ち着いて」


 リーンがまるで保護者かの様にリューを落ち着かせる。


「う、うん。──あ、リーン、そのドレス似合ってるよ」


 リューは、パーティー前に、王女のドレスを褒める様に指摘されていた事を思い出し、それをリーンに実践した。


「ありがとう。でも、私にそれを実践してどうするのよ。ちゃんとリズのドレスを褒めて上げるのよ。それが礼儀らしいから」


 リーンも一夜漬けの知識の様だ。


「二人共、今日は失敗も含めて、予行練習みたいなものだから、緊張するなよ。ははは」


 ナジンが、リューとリーンの普段見られない緊張した様子に、笑ってアドバイスを送った。


「……でも、これだけ盛大だと、緊張も仕方ないよね」


 シズが、リューとリーンを思いやって同情した。


「スードを見ろよ。パーティーよりも、リューの護衛に集中していてこの雰囲気に全く飲まれてないぞ」


 ランスが、リューの傍で、普段通り、周囲に気を配るスードに感心して見せた。


「自分は主の護衛役。緊張していたらどうしようもない」


 スードは、ランスに真面目に答えると、また、周囲に気を配る。


「スード君も、パーティー楽しみなよ。僕の事、今日はいいからさ」


 リューは苦笑いするとスードにアドバイスした。


 魔境の森から帰って来てからというもの、まじめさに一段と磨きがかかった気がする。


『聖銀狼会』との抗争でも活躍してくれたし、今日くらいせっかくのパーティーを羽を伸ばして楽しんで欲しいのだが……。


「いえ、少しの油断が、命にかかわりますから!」


 どうやらスードは、死と隣り合わせの経験をして、命の重みを理解し過ぎたようだ。


 それにパーティーには武器は持ち込み禁止だから、その分、集中してリューを守る気満々である。


「あはは……。裏方以外は生徒しかいないから、そんな事態にはならないって」


 リューはスードの徹底ぶりに少し呆れるのであった。


 とはいえ、盛大なパーティーという事で、エリザベス王女にも騎士の護衛が付いている。


 沢山の人だかりだから、やはり護衛は重要な様だ。


 そこへ司会が、ダンスの時間だと、進行を始めた。


 すると最初に踊る主催者クラスであるリュー達特別クラスの生徒達は女子生徒をエスコートする為に動き出した。


 リューも急いでエリザベス王女の元に行く。


「今日はよろしくね、ミナトミュラー君」


 エリザベス王女は緊張一つ見せない穏やかな笑みでリューに話しかけた。


「う、うん。よろしくお願いします……!」


 王女とは対照的に、リューは完全に緊張した様子である。


「ふふふ。ミナトミュラー君が、こんなに緊張しているのを見るのは、テストの時以来だわ。──今日は、私達がみんなの手本として最初に踊るけど、失敗もまた、みんなの為になるから、大丈夫よ。気軽にね」


 エリザベス王女は、優しくリューの背中に手をやって軽くポンと叩く。


 緊張でリューは心臓が飛び出しそうな状態であったが、背中を軽く叩かれると、その緊張が抜け出ていく感じがあった。


「あ……。──ありがとう、王女殿下。何だか、落ち着いて来ました」


 リューは、笑顔でエリザベス王女に答える。


「それは良かったわ。では、行きましょう」


 二人は生徒達が囲むホールの中心に手を取り合って進み出て行く。


 リーン達もそれに続いて行く。


 音楽が鳴り始め、それに合わせて生徒達が踊り始めた。


 リューもエリザベス王女にリードされながらそれに続いた。


 前回のテストの時同様、リューはエリザベス王女にリードされながらだからスムーズに踊る事が出来た。


 何より今回は、前回より緊張感が消え失せていたので、周りの雰囲気も感じる事が出来た。


 そして、ダンス中、エリザベス王女のドレスを褒めたりと、いつの間にか余裕も生まれた。


 リーンも軽やかなステップを見せながらこちらによく視線を送ってくる。


 どうやらリューを心配しての様だが、それさえもリューは落ち着いて気づく事が出来た。


 他の生徒達はリューと王女を参考にしようと熱心に見つめているのがわかる。


 リューは、その視線さえも貴族として、立ち居振る舞いの手本になるべく優雅に踊る事を意識するほどの効果程度に感じながら、余裕を持って踊る事が出来たのであった。

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