表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【8巻予約開始!】裏稼業転生~元極道が家族の為に領地発展させますが何か?~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/874

154話 闇組織ですが何か?

 リューとリーンは食堂で食事を済ませた後も、情報収集に励んだ。


 その事から女将からの情報はおおむね正確でこの街の一番の産業は本当に闇組織による犯罪行為で税の大半はそこから納められるものの様だ。


 表向きは、お店や、農業、林業、畜産業、鍛冶屋など職人達の堅気の街民から徴収された事になっているが、それらの殆どの裏には闇組織が関わっているらしい。


 このマイスタの街は闇組織に牛耳られ、維持されているという事が、調べれば調べる程わかってきて憂鬱になって来た。


「……闇組織を潰せばこの街を支えていた産業を失い街が潰れるし、かと言って闇組織に迎合するわけにもいかないし……。とりあえず、王都の裏社会でも暗躍してるらしいから、組織の大きさくらいは把握したいね」


 リューはリーンに話しながら自分の考えをまとめる。


 それにしても、前世では裏稼業で食っていた自分が、その裏稼業に悩まされる日が来るとは思ってもいなかった。


 この世界の闇組織は話を聞く限り、前世のマフィアみたいなものだろう。


 厄介だが、元同業者だから多少は手の内もわかる。


 街を治める身として闇組織を解体させる方法を考えなくてはいけないだろう。


 その為にも、敵に回す前に闇組織の内部事情を少しでも知りたい。


 リューとリーンはマイスタの街を出ると、一旦王都に戻る事にするのだった。




「──それはマジですか坊ちゃん!?」


 ランドマークビル組事務所、もとい自宅に戻ると、ビルの管理を任せているレンドに王都の闇組織について何か知ってないか聞いたら、第一声がそれだった。


 レンドは冒険者を辞めた後、王都で商人として一旗揚げようと頑張っていたから、王都の表と裏を知っていても不思議ではない。


「闇組織については、知ってますが、まさか本拠地がマイスタの街にあったとは……。正直、良くも悪くも噂を聞かない街ですからね。それにマイスタの街まで行く理由がない。…てっきり自分はこの王都にあると思ってましたから盲点ですよ。にしても、よくそんな話聞けましたね。うーん……。意外に現地の街の人間の方がそういう秘密の情報についてしゃべっては駄目な事に疎いのかな……?」


 レンドは重要な裏情報を簡単に漏らす地元民に呆れるのであった。


「あっちでは、当り前の情報なのかも……。でも、人の流れが最低限あって、そこから普通情報が洩れるはずだから、それが無いのは人の流れが闇社会の関係者ばかりなのかもしれないね」


 リューが、レンドに話しながら頭の中を整理していった。


「それにしても、まさかそんなヤバい街を与えられる事になるとは最悪ですね」


 レンドが真剣な表情で唸る様に言った。


「レンドには王都の闇組織の情報を何でもいいから教えて欲しい。組織の大きさはもちろんどんな分野まで手を伸ばしているのか。噂話でもいいよ」


「……情報ですか?組織の大きさは、王都でいくつかある組織の中でも一番でかい裏社会の首領ですね。でも、その組織の頭は誰なのかは知られていません。他にも悪い組織はありますが、『闇組織』は裏社会の組織としては別格です。自分が商人をやっていたころは用心棒手当(ショバ代)をその『闇組織』から強制的に徴収されてました」


「レンドも被害者だったの!?」


 側で聞いていたリーンが驚いた。

 レンドは商人としての才能は別だが、冒険者としては一流で、腕も立った過去があるのでそんな悪い組織の下っ端など相手にならないと思っていたから驚いたのだ。


「そういう組織の怖さは腕っぷしだけではないんだよリーンお嬢ちゃん。もちろん力にものを言わせる事もあるが、時にはその周囲の弱者を狙ってくるんだ。自分の腕に自信があっても周囲を狙われたらどうしようもない。だからトラブルを避ける為にショバ代を払うんだ」


 レンドが苦笑いして説明した。


「なんて卑怯な連中なの?裏社会の連中って最低ね!」


 リーンはレンドの話を聞いて憤慨した。


 リューはその批判を聞いて自分の事ではないとわかっていても何となく反省するのであった。


「闇組織はそれこそ下っ端の自分の様な商人から大きな商会まで影響力を持ってますよ。噂では一部の役人や貴族も買収されていると聞いた事があります。ランドマークビルがまだ狙われてないのはランドマーク家が貴族だからと、手を出して表沙汰になりたくないからでしょう。そういう類いは裏社会の人間なら、鼻が利きますから」


「そんなに大きいの?それだと潰すというのはほぼ不可能だね……」


 リューはレンドの話を聞いて自分の中の案が1つ消える事になってため息を吐いた。


「坊ちゃん!潰す気でいたんですか!?それをやろうとしたら、全面戦争ですよ!ここの従業員も狙われかねないですから止めて下さい!」


 レンドは責任者として、従業員を守る義務があるので反対するのであった。


「ははは……、全面戦争はやらないって。じゃあ、その闇組織の最大の資金源は何かな?」


「資金源はそれこそ無数にあると思いますが……、今、一番の稼ぎはやはり薬でしょう。高値で取引されている非合法な薬が裏で出回っていますが、闇組織がそれを一手に扱っていると聞いた事があります」


 リューはそれを聞いて、穏便に済ませる気分ではなくなった。


 前世でも危険な薬には手を出さないという拘りがあったのだ。


 非合法な薬、駄目、絶対!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ