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【8巻予約開始!】裏稼業転生~元極道が家族の為に領地発展させますが何か?~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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129話 お昼の決闘ですが何か?

 朝、リュー達が通学してくると、イバル・エラインダーの取り巻き集団が待ち受けていた。


 そして、リューを見つけると「イバル様からの伝言だ!」と凄み、昼休みに体育館裏に来る様にとの事だった。


「必ず一人で来い。それが身の為だ」


 と、取り巻きの一人が去り際に言い残したのだが、絶対一人で行ったら集団リンチに合うに決まっている。


「そんな事言われて一人で行く子いるのかしら?」


 リーンが当然の疑問を口にした。


「……というかこんな人通りが多い玄関で言われたら、みんな見てるからお昼は見物に来る子達でいっぱいになる気がするよね……」


 リューは周囲の生徒達がこっちを見てひそひそ話をしているので呆れるしかなかった。


「それならそれでいいじゃない。私も堂々とその人混みに混じって、もしもの時の為に備えておくわ」


 リーンもやる気十分だ。


「まあ、証人が多い方がこちらとしては都合がいいか」


 リューは納得すると教室に向かうのだった。

 自分の教室に着くと、すでにリューがイバル・エラインダーに呼び出された事は教室で噂になっていた。


 ……早くない?


 リューはこういう時の噂の伝わる早さに感心するのだった。


「リュー、俺も付いてるから安心しろよ」


 ランスがリューを励ます。


「シズは巻き込めないが、もしもの時は自分も助太刀するぞ」


 ナジンも励ます。


「……私も治癒魔法を使うから安心してね」


 シズは治癒魔法も使えるらしい。

 初耳だ。

 というか僕が怪我する前提なんだね。


「みんなありがとう。でも、呼び出しはお昼休みだから、今から興奮しないでね」


 心強い友達にリューはそう答えると落ち着かせるのだった。




 お昼休み。


 体育館裏は、ギャラリーでいっぱいになっていた。


 イバル・エラインダーの取り巻き達はそのギャラリーに退散する様に大声を上げ、追い払おうとするが、ギャラリーの1年生生徒らは数にものを言わせて退散しようとしなかった。


「ちっ、もういい!ギャラリーにはあのランドマークの三男が俺に土下座するところを拝ませればいいだけさ!」


 イバル・エラインダーは、もう、勝利宣言とも取れる言葉を発した。


 その隣には、イバルの右腕に収まってリューを陥れる様な事を終始吹き込んでいたライバ・トーリッターが立っている。

 その反対側には、布に覆われたものをイバルの代わりに持って立っている取り巻きの生徒がいた。

 他の取り巻きはその後ろにずらっと並んでおり、最初から数で囲むつもりだったのではないかと思われた。


 そこに、リューがリーンとランス、ナジン、シズを連れてやってきた。


「一人で来いと言ったはずだぞ!」


 取り巻きの生徒がリューを責める。


「この状況で、それを言ってどうするんですか?」


 リューはギャラリーの多さに、ちょっとびっくりしながら取り巻き生徒に反論した。


「ランドマーク、よく来たな!その勇気に免じてイバル様に、黙って今ここで土下座して詫びれば殺されずに済むぞ。もちろん、学校は退学、ランドマーク家も田舎に帰って貰うがな」


 ライバ・トーリッターが、取り巻き生徒の代わりに本題に入った。


 それにイバル・エラインダーが続く。


「俺は大貴族であるエラインダー公爵家の嫡男だ。これまでの俺に対する不敬は万死に値するが、ギャラリーもいる。今回はトーリッターが言う様に土下座して詫びな。それで成り上がりのランドマーク家の爵位もはく奪せずにおいてやる。それが出来ない時は…、(チラッと隣にいる取り巻きが大事に持っている布が被せられたものを見る)これがお前の命を奪う事になる。さあ、跪いて土下座しろ、そして謝罪するんだ!田舎臭いランドマーク!」


 イバルは、勝利を確信して酔いしれた様に言い放つ。


「……何の権利があって、爵位はく奪とかおっしゃってるのでしょうか?さっきからランドマーク家を馬鹿にする様な発言を聞いて、僕が芋引いて(怖気づいて)土下座するとでも?」


 リューはランドマーク家に火の粉が降りかかる様な発言を聞いて、穏便に済ませる気が吹き飛んでいた。


「え?」


 イバルも今まで直接自分に反抗する者がいなかったのだろう。

 すぐに土下座すると思った相手の予想外の反論に驚いた。


「さ、さっさと土下座しろ!さもないとこの俺の切り札が火を噴く事になるぞ!」


 イバルはそう言うと、取り巻きが持っている品を覆っていた布を取った。


 そこには、お盆の上に置かれた一見すると銃口がやたらに大きい銃の様なものがあった。

 一緒に加工された魔石も数個置いてある。


「それは?」


 リューはその姿を確認して、おおよその予想はついたが、一応聞く事にした。


「驚くなよ?これは、軍部が研究して生み出した魔石の魔力を打ち出す最新兵器だ!この魔石をこの兵器に装填すると中位魔法、『火炎槍』が打ち出されお前の命を奪うんだ!びびったか!びびっただろう!?さあ、土下座しろ!ギャラリーの前で俺に命乞いするんだ!」


「……ご丁寧にありがとうございます。まさか何が出てくるかまで教えて貰えるとは思ってなかったです。周りのギャラリーのみなさん。巻き込まれない様に距離を取って下さい。もしもの場合がありますので」


 リューは相手が切り札の内容をあっさり教えてくれたので冷静になり、背後にいるギャラリーに注意喚起するのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 特に困難とかもなく、サクサク進んで面白い [気になる点] 「~(チラッと隣にいる取り巻きが大事に持っている布が被せられたものを見る)~」 みたいに、台詞の中に動作があると違和感があります
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