$35 新しい施設 本契約 後編
前回一緒に来ていた女性社員の最上さんが、ロビーの後ろの側で、
ソロリと正面ロビーに居る俺を確認すると、
慌てた用にその女性はまるでスプリンターなのかって感じで、
プロも顔負けな、
しっかりしたフオームを取って何処かへ颯爽と走って行った。
そして俺はその女性最上さんを少し不審に思いつつも、
受付でうちの(佐藤貿易)の担当の津田さんを待つと、
その直後ネクタイを締め直した感じの手付きで、
今回の本契約をする相手なので、
ここの向井不動産でウチの担当に前回からなった津田さんが来た。
前回もそうだったが、
この津田さんは俺をすごく偉いと勘違いしてや居ないか?、
出来立ての中小企業の中でも小さい会社だし、
まあ動かす、金は多いけど小さい会社なんだが?と不審に思いながら、
津田さんに付いて行き、
俺たちはさっき迄、凄い走りで走って行った最上さんが、
居て入り口のドアを開けて待っててくれた、
どうやらここが今回の本契約の契約をする部屋らしい。
中に入るとそこは結構な広さで、大体20畳は在りそうな広さだ、
そこで津田さんが話しかけて来た。
「いや~先日は周辺の警備が問題が有ったようですみません、
社長もかなり心配されていまして、今回は来れないそうですが、
その後問題は有りませんか?」とかなり心配そうに言うので、
ついつい詳しくとまでは行かないが、
問題が有った事だけは言ってしまった。
「いや~それが、変な外国人集団に絡まれまして、
まあその後は車で逃げたので問題は無く進んだのですが、
その節は心配をおかけしたと聞きまして今日正式に感謝を伝えたく、
社長さんにはその旨お伝え下さい」と言うと、
「それはご丁寧に、正式に社長に伝えて置きます」と言って、
津田さんは手を差し出し、「さぁ、こちらへお座りください」
と言うので席に全員で付く。
すると津田さんが横に座った最上さんが資料や契約書らしき書類を、
丁寧に並べていきこちら側に受け渡す書類も回してくるので、
確認すると、津田さんは、
「では、契約書がこちらですのでここのサインと捺印がここと、ここ、
そしてこっちが社長個人の印鑑で、そしてここが、割り印で~」と、
津田さんに言われる場所を確認しつつサインと印鑑を押して行く。
そして高額の収入印紙を10万円分をベタベタと6枚貼って、
合計で60万円がここで一気に政府に飛んでいった、
まあ、知識で知ってたし低額なら経験は有るけど、
「いやぁ~流石に60万分は経験無いなぁ」と俺が軽く言うと、
少し気分が和らいだらしくここに居る全員が理解したのか、
津田さんが横に座った最上さんが2人して、
「まあまあ、さあ、これで最後ですよ」「そうです」
と何故か声を掛けられた、結果として契約書の制作が終了して。
双方が持って来たノートPCとタブレットで、
お互い銀行の口座のページを表示して口座番号を打ち込み、
送金額を入力して、相手は受け入れを待つ、
そして俺がサインをタッチペンで記載すると、OKボタンを押して数十秒、
向井不動産の津田さんが持つノートPCに表示されている、
向井不動産の主要取引銀行に有る会社の大口用口座、
こちらはアナさんがマダムと言う人物の紹介で開設できた口座の番号、
お互い話し合った金額が入金される予約表示が出る、
コレは飽くまでも予約なので、指定の手続きをしないと、
送金も入金も行われない、用意周到と言うより安全策だ、
間違えて別の口座に送金とかそう言う事を防ぐ為だ、
だが流石の金額の手続きに一瞬だが一同「「「おおっ」」」と声が出た。
「いやぁ、これで本契約も完全終了しましたね良く行き着きました」
と俺が言うと、津田さんも
「ええ、私もここまで大きな契約は久しぶりでして腕が鳴りますよ」
と言って来る、
「そうですよね~最近はウイルス騒ぎも有りましたし、
物件契約は何かと冷え込んでて」という雑談話に成る、
まあウイルスの流行も有ったけど、
今じゃそれ程話も聞かないし、問題は特に無いだろう、
と俺は思い出した話を津田さんに聞く。
「そういえば津田さん、実は国税局の課長さんに出来るなら、
今のうちに本社移転も考慮するべきと言うアドバイスを受けましてね、
ウチの秀がここが良いと急ですが物件を見つけて来ましてね、
まあウチの社員たちも独立している建物のこちらの物件が良いという、
話になりまして、まあ持ち社屋としてここが良いという話が出たのですが、
その物件は向井不動産さんも入っている関東地域不動産ネットワークと、
言うのに掲載されている加盟店が載せた物件らしいんですが、
ここって加盟しているらしいので、ここでも買えますか?」
と俺は慣れない売買の話を振ると、
「ええ、勿論この資料を見るにウチでも取り扱いがある、
所謂共同物件ですので問題なく扱えますし大丈夫ですよ、
買われるので有ればすぐにウチのこの地域の担当を呼びますが?」
と言われて、
「じゃあ、お願いします、実は別件で買った輸送車両を、
管理する土地の相談も在ってこの土地建物の物件が進めば、
一気に問題が片付くモノでして」
と言うなり、
「では、直ぐに呼びますので、しばしお待ちを」
と津田さんが言うと、女子社員さんはまた素早く頷き、
綺麗なフオームで走ってどこかに消えて行った。
「ええと、少し不躾ですが、あの方ってアスリートの方とかでしょうか?、
何か競技とかやってそうな動きで走って行かれましたが?」と聞くと、
「ええ、彼女はウチの主催する女子陸上部の部員でして、
元々はウチの部活専門業務要員として入社して貰ったのですが、
何分今の時期の色々な世界情勢で、専門業務だけとは行かず、
社員として積極的に働いて貰う環境を作ろうという話になった結果、
今回のような、連絡や書類配達など足を使った仕事も含めて、
今まで以上に様々な分野で働いてもらおうと成った訳でして、
今じゃ彼女は必要不可欠な人材にまで成ってまして」という、
「はぁ、それは凄い、
やはりその手の仕事も突き詰めると人は重要な人物になりうる訳だ、
これは俺にも成れなかった所謂プロって奴だな、
ジョンもウチに来てもらって良かった、こっちにも居るし」
と俺は感心していると、ジョンも頷いて言う。
「そうだろう、俺だって唯の運び屋じゃないぞ、
荷物を会社のフロアまで上げるだけじゃなく今後はもっと働くぜ」
と親指を挙げて更に上腕筋を膨らませて腕の筋肉をアピールしてくる、
「確かに、これは自社所有の社屋が有れば更に様々な業務を頼めるな、
一応突発的なトラブルは俺も解らないけど、
ウチで俺が出来る範囲ではブラックな労働はさせないけどね、
だからウチらで程々な労働をして行こう、目指せ平穏な生活」
と言って俺は笑顔で言うが、
ジョンも津田さんも引きつった笑いに成ってた。
「そこは笑うんじゃなく頷ずく所だって、ウチはホワイトだよ?」
と言うがジョークにさえ成らなかった、
俺とした事が、
ここが前回襲撃された向井不動産にあの後初めて来ただけに、
あの時のトラブルが一瞬思い出して来た所為で微妙な話になったし、
あの時出会った南米系の殺し屋か何かの女性と、
黒スーツの所為で話が微妙に成ったじゃねえか、
と少し怒りつつ待つ。
すると廊下の向こうから先程の最上さんと一緒に、
必死に走って来る人が来た、見た目は20代と若いが、
逆に運動は苦手なのか体が物凄い細い人だったので、
相手の男性の体力が不安になった、
「はあ、はあ、は、初めまして、東部担当の須賀と申します」
とその若い男性は形式的な形で挨拶するなり疲れたのか、
近くの席に座りじっとただ座ったまま激しく呼吸を繰り返して、
疲れが人体の限界まで来たのかただ動かず呼吸をするだけだった。
「ははは、まあ、こういう事もありますよね」
と何故か来たこっちがフォローする事になった、
すると津田さんも、「はあ、すみませんねぇ」
と結構困った感じでどうして良いか分からず困って居る、
そりゃ想定していない事態だろう、
呼んで、来た担当がいきなりの疲労で椅子に座ったまま動かないのだ、
その横ではアスリートの最上さんが連れて来た担当者が、
予想よりひ弱過ぎたらしくオロオロして困ってる。
「まあ皆さん次いでに一旦休憩して落ち着きましょう、
実際は今日の予定で有った御殿場の物件の本契約は、
先程終わった訳ですし」
そう俺が言った瞬間、
何かをハット気が付いた女性社員最上さんが、
机の上に在った今契約し終えた契約書を持って、
「これ部長に渡して来ます」とかなり真剣な言い方で言うと、
先ほどと同じく走って行ってしまった、
素早い行動でまるで猫っぽいからきっと猫好きかな?と思う、
この決めつけは俺が人を覚えるのに個性などを付け加えて、
覚える方法だったりするから悪気は無い、
一応は口に出しては言わないけどね、
と少し立つと若い青年がやっと息を整え終わったらしく、
先程まで最上さんが座ってた席に座り直し、
一気に笑顔になると、
まるで先程までは何も無かった様に俺に話しかけて来た。
「お客様は何でも私が担当をしている、
埼玉県東部地域の物件を所望しているとか、
私どももぜひお力になりたいので、
そちらの必要な情報など出していただければ、
我々も全力を持ってご協力させていただきます」
とまるで王子様?って凄い笑顔な社員さんでその人物が笑って、
行ってくるのだが一応俺は女性じゃ無いので、
ただ顔が整って居て凄いなぁ程度で済むが、
多分イグさんら連合の人達が見たら、
ファンミーティングみたいな凄いことに為る可能性が高い、
そして俺はそう言う考えを一瞬だけ思い、即仕事に意識を戻す、
「これが、ウチの副社長が見つけた物件でして、どうでしょうか?
ここが早く手に入ればウチで購入した後で、
駐車先が今契約した倉庫予定の敷地に露天放置とならずに、
上手くいくのですが、何分現状では保管場所が無いので、
倉庫の敷地に移動して保護カバーとか付けて保管するしか無く」
と言ってる間に話を聞きつつこの若い王子風な須賀さんは、
俺が提示したシュウがプリントアウトした物件の資料を、
がっちり見て何か確認して、
素早く持って来たタブレットに数字を入力してる、
恐らくは物件の番号とかだろう、と思って少し待ってると、
若い王子風社員の須賀さんは力強く行った、
「これは悪くない物件ですね、小規模企業さんなら敬遠する、
騒音の多い工業系の物件ですが、土地は広く良い場所です
佐藤様ならば恐らく海外との取引とかが多いと予想しますので、
その辺を気にしなければ良い広さですね、
ここの地区は意外と治安が良くただ夜間は走り屋や暴走族が出ますが、
それ以外での窃盗などは少ない地区ですね、
昔ですが、暴走族を工場の社員達がうるさいと喧嘩になりそれ以来、
ここ辺りに出る暴走族も事件は起こさずだらだらした物だとか、
一帯は夜間人が居ない地区だという事で警察の巡回も厳しいですから」
と言うが、それって夜間は人が居ないから、
結構好き勝手する闇な人とか来るのか?とも思ったが、
そこはしっかり警備しておけばいいかな?と思い直した、
だってウチには連合の伝手が有るから、
あそこで買った警備ユニットを1個追加で買って、
増設してやれば良いやと思ったからだ流石王子風な社員さんの、
須賀さんは笑顔で「この資料通りならウチですと仲介料込で契約まで、
全てコミコミで総額7250万円でいけますね、更に駐車場が欲しいなら、
ウチとは別会社ですが最近面白い建設企業と知り合いまして、
解体した海上輸送用のコンテナやトラックのコンテナ等を組み合わせて、
倉庫などを格安で作ってくれるらしいですよ、
普通のコンテナをリースもしてるらしく、
借りておいて倉庫なり車庫などが出来たら返却すると言う、
リース形態の契約もありますし」と言ってきたので、
俺は、笑顔で話し始めた、
「それは良いでは…決めました、
この物件を取り敢えず買う前提でお話、進めてください。
ただこちらも、未だ資料でしか確認して居ないので、
今後の実地見聞をして、それに今のお話で出た、
コンテナのリース話も面白いですし、先ずは確認してからと言う事で、
どうでしょう?其方は紹介で色々と正式なお話を進める事が出来ますし、
お願い出来ませんか?。
と俺が言うと、ああ後、万が一もありますので在ればで良いですが、
他にも同規模の事業所としておすすめが有れば紹介の程、お願います」
と俺が行って担当者さんから名刺をもらうと、この王子様は、
須賀さんと言う方だと正式に紹介される、
名刺にはイメージ通り王冠と白い馬が可愛くデフォルメされた、
マークが付いてた。
代わりに俺が出した、こっちの名刺は社名と名前と、
代表番号以外はQRコードが付いてて、更に少しグレーな色付きの、
少量試作した立体(膨らんでいる)方の名刺を渡したら、
ちょっと驚いていたけど、その手のデジタル感が出てる物が好きなのか、
少しだけだが喜んでいる感が滲み出てた様に俺には思えた。
こうして俺達と須賀さんとでお互い連絡を取り合う事で意気投合し、
彼は早速俺たちが提示した事業所の資料を探しに戻って言った、
彼はまた明日連絡しますと言ってて、話が来ることで話を付け、
俺たちは津田さんとまた話し直す為に席に戻った、
「さて、御殿場の土地建物の購入契約は終了しました、
入金は規定日までに送金され此方も入金確認をします、
そして佐藤貿易さんはこの度、
ココを改装して倉庫と管理施設兼寮を作られるとか、
実に喜ばしいと言いたいのですが、
実はそこを改装する大手建築業さん達が少し難色を示してまして、
実はウチでココをご購入し終わった段階で、
改装工事をする大手業者をご提案するつもりだったのですが、
どこも良いご返事が得られず、
私と個人的に親しい中小の業者担当者を捕まえて聞いてみた所、
どこも下請け事業者に回すつもりで居るそうで、
もう少し料金多めで発注してほしいと言われまして、
現在価格の話し合いで少し時間がかかっております。
ですがこの度は、
別件での御社の社屋の物件購入までお任せ下さると成れば、
ウチも頑張りますので、
社屋物件購入で価格そのままで飲んでいただけるのでしたら、
建設業との話は当向井不動産として解決して、
契約までサポートさせて頂きますが」
と急に津田さんが話し始めて、
最後には、「そうだ、よければ明日その物件を見に行きますか?、
もう今日は日も限って来ていますから目視出来ないから行けませんが、
明日ならすべての準備を整えてお待ちでします」
とかなりのやる気で言って来てる。
俺は彼が今回の件に追加して中規模な社屋の件の契約を追加すると、
何か彼個人をやる気にさせる何かが有るのだろうと俺は想像した、
そして結果として言う答えは決まってる、
「ええ是非お願いします、では明日伺いますね、何時が良いでしょうか?、
営業時間が貴社は10時始まりでしょうから、その時間にしましょうか?」
と津田さんが言う、正直張り切りすぎだ、
そして「それは良いですね、10時にこの会社の地下駐車場で、
お待ちしております、うちのステーションワゴンに乗り向かいましょう」
と言って俺と津田さんとで握手して、今日の契約は終わった。
その後俺たちはエレベーターで地階まで行き、
下りたら何と今回はスーツを着た社員さんでは無く、
そこに居たのはズラリと並んだ制服を着た警備員さん達だった、
所謂警備業の人達だ、そんな人達の中にも私服な人も居て、
周囲の警戒から不審物の確認、更にはうちの車輌の周囲を警戒して、
守ってくれてた。
「ええと、これは?」と俺が津田さんに聞くと、
「ああ、これは多分上層部でしょう、前回は大騒ぎでしたから、
しかもこの国の偉い人達がこの会社から出た問題では無いか?と、
一部議員さんが疑ってまして、お陰で社長がビシッと
「それは無い」と言って収まりましたがそれを受けて、
幹部陣が今回は何も無く帰ってもらおうと…」
と最後は聞き取れないほど声が小さくなったが、
どうやら原因は俺たちらしい、不味い、これは良く無い、と思った俺は、
急いで全員が乗った業務用ライトバンで会社に帰るべく車を走らせ、
できる限り大きい通りを通って帰った。
その日の夜、今日はあまりの忙しさに仕方がなく、
「なあ、皆、俺はもう疲れた、正直夕食を作る気力も、
どこかこの辺の料理店に行く気力も無い、皆はどうだ?」
と俺が聞くと、全員が頷くだけだった結果、夕食はスマホで周辺の、
出前をしている所や配達サービスに登録している店に各自出前を頼んだ。
しかも一人ずつ違うものを頼んでは食べる放任スタイルだ、
最近のデリバリーはある意味進化してて、
テイクアウトも普通に運んでくれる業者が有る世の中だからといって、
それはどうだろう?と俺個人は思ったが、
案外この地域は普通に運んで貰える担当者らしく、
問題無く届いたが、俺に言わせると彼らはチャレンジしちゃったらしく、
アリーシャ(アナ)はインド料理専門店からグリーンカリーセットを買って、
届けてもらい、タダでさえ様々なスパイスで種類が多い物の中から、
1つ頼んで持ってきて貰った物を平然と美味しそうに食べてるアナや、
ミハエルはロシア料理店から、
伝統のボルシチをメインとする温野菜セットを頼んで持ってきてもらって、
食べてるが、本人曰く結構本国のと違うが美味しいらしい。
良くわかならないが彼らが美味しいらしいので良しとする、
そして問題はアナ事アリーシャ達だが彼女が主体と為って言うには、
自分達は疲れているので、それならと自分は汗をかくカリーが良いと、
言って頼んだセットだそうで、
グリーンカリーと言うから野菜が入っててマイルドかな?と思ってたら、
「コッチの方がマイルドはマイルドでも凄く辛いですよ?」
と言われた、何でも緑の唐辛子が入っているらしい、
そう聞いて味を聞くのを止めた。
俺とジョンはフツーに有る出前の商品だが、
そしてジョンはと言うと「パワーと言ったら肉だろう?」と
横でジュウジュウ言ってる分厚い肉が良い音を立てて、
焼き上がった匂いを纏わせていた、
彼が買ったのは個人が経営してるステーキ専門店のステーキセットだ、
この店何を考えているのか、肉が600gはありそうな肉のセットを、
売っててそれが血が滴る様なレア加減でプラ皿に乗って届いた、
結構いい値段だったので売れているそうだが、それをジョンは開けて、
プラカップで付いて来たにんにくのジェルをガバッと掛けて、
「おう、美味そう」と言って食べてる。
流石アメリカンだなと思う、しかも家族は今事前に契約の日だからと、
小旅行に行っているらしいし、
しかも子供や奥さんは日本を学ぶべく何故か伊豆に行って居るらしい、
日本人の俺にはそう言う話をしながら巨大な肉を囓ってるジョンさんに、
「同じ量の肉は食べられないから無理だ」と言ってる俺は定番の、
近くの定食屋のテイクアウトだ。
山盛りの唐揚げと醤油ラーメンにどんぶり?に山の様に積み上がってる、
肉野菜炒めのセット物で、こうしてみるとやはり食生活が日本はかなり、
多種多様なのだなと思う。
だって各国から来てる彼らでさえ食べたい物が頼めるとか、
何処まで各国発祥の食事が頼んで買える日本は凄いなと思ったりする、
だから話は各国の食事事情になるのだが、アナさん曰く、
イギリスは近年日本食ブームからの本場料理が来てて、
一部では日本に近づく様に、
各国の料理が食べられる様になって来てるらしい、
また、フランスやドイツ等は移民さんが自国の料理を作ってて、
中東系料理が混ざった店が増えてて、
ロシアではうどんからカレーまでが日本から来てて理由は不明だが、
日本食はブームを通り越して、
普通のファーストフードの地位に為ってるらしい、
と俺達は時々明日どうする?とか
話し合いながら基本はこのまま進めて、
社屋の価格は要検討として食事を終えて解散。
翌朝、
午前8時に全員が集合…した会社部屋では、
全員がやはり何かしら疲れた顔をしてる、
理由は、結構簡単で俺は単純に精神的な疲れだ、
何しろ昨日の取引で68億円を不動産業者にこんなちっぽけな会社が、
支払った訳だ、その結晶である契約書は既にコピーを取って、
原本はしっかりした所に仕舞うために例の金庫室に入れた、
つまり今日の時点であの屋根に穴が開いてる、
ホテルもどきと住み込み寮だった所を含む周囲3キロの土地建物、
が我々の会社名義に為った訳で、
今ここに居る彼ら社員たちは逆に日本の言語に悩み、
特に日本の役所的な文章表現が難しいらしく、
コピーされた契約書の解読に苦戦中だ、
俺とは真逆で俺は文章系は結構早く進むんだが、
対人関係でも苦情や褒めてくる人が苦手な俺と、
海外での人脈が多い彼らは世界情勢をよく知って居て、
お互い3人で話しているが、解釈の違いから半分言い合いになりかけ、
それとともに出て来る愚痴が、
日本の役所的文章の細かさと難しさで、結果として
特にどう理解して良いのか悩む部分が多く、
話し合いは英語での罵詈雑言が飛び交ってて特に古い表現をする言語の、
[甲乙]とか場所などを[施設]呼びなので、
御殿場の倉庫に道路を繋げる話では路面施設整備が~とか、
言ってて笑えたとかどっちが甲でどっちが乙なの?
とか聞いてきて説明すると日常でも使いたがり、俺が止めると、
散々言い合ってた3人がそろって俺が「日常では普通は使わないよ」、
と言うと「なぜ?」と帰って来た、
何でも日常会話と文章は習ったが、このお役所的文章を読むのは良いが、
理解が大変だという話で疲れているらしい。
そこで俺は少し方向を変える意味で、
新社屋に成る可能性の在る建物を見に行って気分転換をしようと言って、
今回は俺のライトバンで出発した今日は店舗は休み扱いだ、
シュウが向こうに言ってるし、
残った俺たちで問題をドンドン解決して進めなければ行けないからね。
と出発して。
移動をするが意外と今日は混雑してる高速、
移動距離は少ないが一応都内まで入るから、
高速に乗って入った方が早い立地の会社だから乗ってきたが、
渋滞が始まり遅れそうで困ったと思っていたら、
ゆっくり進みだして進み続けて渋滞の原因を見てびっくり、
まさかの高級スポーツカーが側壁にぶつかって乗り上げて燃えてた、
横では乗ってたらしい男性が電話を何処かに掛けてしゃがみ込んでて、
消防が燃えてるスポーツカーを消火してて、警察が交通整理をしてた、
「あ~これ大変だ」とだけ言いその場を通り抜けて進む、
そしてどうにか到着したらやはり時間がかかってて、8時出発で、
片道50分掛かる道のりが、想定通り1時間と30分掛かってて、
今9時半だ、予想以上早く来て正解だった、
何しろ地下駐車場に津田さんが来て待ってた。
「これは皆さん、大変お早く来られましたね」と笑顔で笑っているが、
この津田さん恐らくだが、相当前からココに立ってた感じだった、
何しろ足の幅が広めで立ってて隠しているが、
壁の角の駐車スペースに置いてある、
カバンと一緒に有る缶コーヒーの缶が2缶も有るし、
恐らく俺たちが集まった8時には来てたなと上には上がいると、
何故かニヤける俺。
競っている訳じゃ無いけど、
早くから出社してる人って凄いって思う元社畜感の有った俺、
そして俺はその後普通の笑顔で「いや~少し渋滞で遅れましたよ~」
と言い津田さんの「さあ、こちらの用意した車輌で向かいます」
という声で、
俺たちは地下駐車場に止めた俺の業務用ライトバンから、
高級そうなステーションワゴンに乗り換えて、
「では出発します」という声を聞きつつ、
動き出すステーションワゴンの内装をそれとなく調べる俺、
こういう高級車って中々乗る機会が無かったから結構気になるんだよね、
このシート本皮か?座り心地が良いね、
うちのローダーとかの椅子の張り替えとかシュウに提案してみるか?
とか無理っぽいことを考えつつ素材の良さを見て少し驚き、
その間にもワゴンは進んでいた、
そして到着すると、
そこは正に工業団地って言い方が正しい地域だった、
周囲に有るのは全て工場かそれ関連の事業所らしい建物ばかりで
周囲は工事の音や何かを加工する金属の研磨音?とかの、
ガガガって音がしてる、
そんな施設が集まる中に[売地]と書かれた看板の付いてる、
更地かされた土地と、
その隣が[売り物件]と書かれた木杭が打った施設が有って、
まあまあ広い事務所か倉庫って感じのする建物だった、
外観はグレーなレンガ風の外壁材が貼って有り、
1階部分は大きいシャッターが1階部分の半分を使って付いてる、
そんな事務所用物件だった。
更にその土地は簡易の塀と門が付いて居るが、
門や鉄製のフェンスは見れば結構ボロボロで、
つなぎ目が錆びて無くなっている部分も有り、
俺はここにするのなら交換しないければい行けないだろうと見て居ると、
津田さんが笑顔で俺に聞いて来た、
「佐藤様、どうでしょうか?ココが指定された物件でして、
確認した所隣の空き地の持ち主が同じ人物で、
付属で売って良いと言う物件でして、お持ち頂いた資料には追加で、
ここの土地も売りに出て居るようでした、
まあ諸経費が少し掛かるようですが、
まとめると例のコンテナ等を並べると空き地に車輌が、
普通車のセダンで約30台は止められます。
お買いに為った車輌が多いと聞きました、
この物件単体の契約で行きますか?
それともここの空き地を追加して買われますか?、
当方としてはここも買って置いた方が、
何かと今後追加で施設などを増やす時に有用かとお勧めしますが?~」
と言って来る、
確かに御殿場に向かう高速道路にも近いし騒音も深夜の作業も、
一応しないつもりだが楽に出来そうな物件だ。
俺は一応聞いてみた、
「津田さん、ここって隣を追加だと、
この空き地おいくら位かかりますかね?」
と聞かれた津田さんは、
「ええ、ここの空き地は単体で4千万円で、現在内見される物件に、
付加して購入されると、諸経費を込みで4200万円ですね、
つまりトータルで、1億1450万円になります」と言うので言ってみる。
「一応聞くけどさ、ここって広すぎるんだよね、
業務用で警備目的の加工がされた輸送ライトバンの車4台と、
同じく輸送用の業務用ワンボックスカー4台で既に契約して居るし、
ウチで購入した車輌を合計で8プラスマイナス3~4台全部持ち込んで、
10台程度ここに持って来るかもって言ったって、
倉庫の方にも置くだろうし見たままで言えば、
ここの土地はどう見ても5倍の50台は入るでしょ?
広すぎるよ、
ここの土地建物単体で入れると従業員の車両が入らない程に満杯だけど、
かと言って隣を全部買うって程、大きく欲しいって訳も無くてさ、
つまりここの隣の土地はこっちの建物を買うなら、
半分程度有れば良いって話なんだよね」と言ってみると、
「はあ、やはりそう来ましたか、
まあこちらも其れについては予想済みです、
取り敢えず、こちらの事業所の内見を始めましょう」
と言って錆だらけのフェンスを開けて中に入ると、
中の床に当たる地面はコンクリートで固められてて、
あちこち割れたり欠けたりしてて、ボロボロだった、
更に車輌を入れるなら、
ここの建物前のコンクリを加工して上にアスファルト舗装するか、
いっそコンクリを剥がすかのどちらかの修繕が居るのが見て取れた。
そして中に入ると、2階建ての社屋で、
外観は小綺麗な改装がされており、
某大手の建売物件の外壁並みにキレイだった。
恐らくここを改装した会社はそれ系の建設業者だろう、
そう見た俺は、
一階のシャッターを開ける津田さんを見て、
シャッターが開くのを待って、
中に入って行き内装を見渡すと、
そこはまるで昭和な鉄骨造の元工場って感じがする内装だった。
「これは、また、外装を一気に改装しましたね、中が昭和感満載だ、
だけどこの鉄骨って錆とか全く無くて、かなり頑丈に作ってますね、
柱なんて軽量鉄骨かと思ったけど、これって重量鉄骨ですよね、
けっこう金かけて作ったなぁこれ」と俺が感心すると、
津田さんが驚いて聞いてくる。
「佐藤さんは、建築とか詳しいのでしょうか?ヤケに適切なご意見で…」
というので素直に答えた、
「ええ、高校は工業系の所出てまして、
仕事じゃ建設関連の所に鉄骨とか鉄板とか運ぶドライバーの、
事故とかが起きた場合に指導したり、
クレーム処理したりする担当でしたから」
と言うと、「へえ~」と津田さんは本当に本気で、
素の声が出たのを俺は聞いた。
その直後、閉まっていた窓の部分のシャッターが開き光が指して、
隅々まで見えるように成ると、そこで驚く様な異様な物が目に入った、
「津田さん、これって何でしょうか?」と素朴に聞く俺の顔を見つつ、
津田さんが資料を確認して問題の箇所を確認して答えてくれた、
「あ~これは資料では地下室とありますが、未調査ってなんだこれ?」
というので俺も其処を詳しく聞く、「ええと未調査とは?」と言うと、
「ええ資料には完全に意味が分からない感じで、
未調査とだけ記載がありますね?、
今この資料を作った売り先に聞いて見ますね?。
そう言うと津田さんはスマホで資料を作った、
現在の持ち主から依頼されてる、
現地の受け付けた不動産会社に連絡を入れてる。
「まあ、忙しそうだし2階も見よう」と俺が声を掛け、
社員たちと2階へ通じる階段を登るべく、
外側に有る2階へ行く階段を登った。
「これはあれだな、元は1階が工場で、
この階段は外側の開放型階段だったのを、
外壁付けて2階部分を綺麗にして部屋にした感じかな?」
と言いながら、
階段の手前で鍵付きのドアを開けて入ったので、
そこも元はドアも壁も無かったなと判断した訳だ、
何せ全てが綺麗だったからだ、
そして2階は入り口にもドアが合って鍵は開いてたから素直に入ったが、
そこは内装し終わったばかりって感じの綺麗な部屋だった、
「まあ、普通といえば普通かな?」と俺は言うと、
「社長、これが日本の普通ですか?物凄くキレイなのです~」
と感動してるアナさんと、
疑ってて「そうか?これ見た目だけだろ?」とか言ってるジョンさんと、
「まあ、暖かければ良いのですよ、暖かければ」
と何か納得した様な、達観したような、不思議なミハエルさんが居て、
まあ概ね好評と判断した俺は、床に持って来たゴルフボールを置いてみる、
勿論これは俺の持ってた俺所有のボールだ、
これは過去に上司に誘われ言った際に、道具は現地で借りたが、
ボールは買えと言われてしかたなく買った物だ、
結果として無理やり誘われボールを買わされて最後は馬鹿にされ、
終わったその残滓だった。
コロコロと床に転がすと、その床はビニール系の木目調なフロアマットで、
最近のオシャレ感を出すために貼ったのか、
社用な施設に似合わないヘリンボーン調ですごくオシャレだが、
ビニール系なので滑らないし一応ボールも転がらないので水平らしい、
更に小さい部屋が2室奥側に合って開けて見ると、
片方が給湯室で簡素なシンク台が付いてた、
もう一つ側はトイレで新品だが一番グレードの低い方だった、
「見た感じは普通に良いな、2階は内装も力が入ってて壁も叩いて見れば」
と叩くとコンコンと音が曇った音がするので、
内部に断熱材が入ってるか何かしら密閉率の高い壁だと思えたので、
「悪くないね、音が吸音されていい感じだ」と普通に意見を言えた。
「窓は後で鉄柵を付けるとかして防犯すればいいか」と俺は高評価だった。
すると階段を上がってやっとやって来た津田さんが、
少し青ざめた感じで、俺に言って来た。
「あの地下ですが、理由がわかりました、ドア部分が、
元旧軍の金庫を使ったドアだそうで、
当時の持ち主が作った施設だそうです、
ですが中は前の持ち主も現在の持ち主も開けた事も、
開け方も分からないので見たことが無いそうです、
一応作成時の行政は問題無しと判を押して居るそうですから、
危険物は無いみたいですから担当業者も、
気にせず使って欲しいと言って居ました、
勿論開けたければ内見してる今でも、
自由に開けて良いそうですって言ってましたが、開けられないでしょう?」
と困惑してる津田さん、
その目の前に有る黒い金属の扉は何故か金庫扉だったとは思えない、
縦長で重厚そして何より目立つのが、
中央部分から多分上下に真ん中から開く扉の形式で、
取っ手も真ん中の中央に2つ付いて居る。
「じゃあ取り敢えず、
内部は見たので隣の土地も含めて広さとか確認しましょう」
と俺は笑顔で言い、外の駐車スペースに全員で出た、
そこに俺は外に止めて有ったライトバンまで行って乗って入る、
「ガロロロロッ」と低速独特な音を響かせて、
業務用ライトバンを入場させると取り敢えず近場に止めて、
外に出て、入り口まで見える範囲をスマホのカメラに入る位置で、
写真を何枚か取る。
そして俺はその撮影した画像を乗って来たライトバンの中から、
持ち出して来たノートPCにケーブルを接続して画像を移動すると、
立ち上げた特殊なソフトで撮影したライトバンの車幅を画像から解析して、
そのデータを元に奥まで何台止められるかを計算してデータが出てくる。
更に元々入れて居たデータを元に計算して、
簡単な白い箱が停まってる車輌をイメージした架空の画像が表示された。
「まぁこんな物かな?奥に今乗ってる業務用のライトバンで6台、
こっち側も大体同じで、
奥にトラックやワゴンだと長さが出るけど大体幅は同じだ、
合計で12台入る土地だな、これが画像だ」
とこの場にいる全員に見せると「おおっ」と軽く驚く声が出る、
中でも驚いて居るのが津田さんで、
「佐藤社長?これって一体どの様なソフトで、
この様な表示をしているのですか?」
と津田さんは興味津々で聞いて来た、
「まあ、アレですよ、車両事故とか車幅計測とかする、
交通事故状況で環境や現場の構築ソフトですね、
勿論このソフトの購入費は前職時代の自腹ですよ、
まだ契約が残っているので使えるんですよ。
これ結構便利で、
別途画像解析ソフトと組み合わせれば今の様な事も可能です、
勿論自腹で買ってますよ、次からは経費で申請しますが」
と俺の表情を見た津田さんの表情が曇る。
「それは凄いですね、僕も検討しますよ、ハハハッ」
と笑ってたが俺はそこには関わらずに流して、
「じゃあ、車輌の確認も済んだので、次はあの地下を開けましょう」
と業務用ライトバンに似合う、
後ろから出した物は工具箱とぶっといバールだった。
このバール、元は艦内でドアが閉鎖された罠に使う予定で、
買った物だったが、使わないので車輌の後ろに置いて有って、
御殿場の施設に行った時に置いてこようと思ったまま、
車内に忘れていた物だった。
使えなかった理由は単純に艦内はドアは普通に開いたし、
かといってこっち側の何か壊す物が有っても大き過ぎた為だ、
普通のバールは人の背丈まで無い長さだが、
俺がホームセンターで最初に買った時に買ったのは2本で。
1本は普通に昔から売ってる長さの奴で、
それが今は普通に便利なので艦内に置いてある方なのだが、
今持っているのは190センチ有る俺の背丈より大きいし、
太さも8センチの四角なので持ち運びに不便で、
最初持っていって使えないと判断して、
家にしばらく放置って流れの奴だった。
「さて、これは凄く重いから、どんなドアでも開けられるって、
冗談みたいなのだぞ、
何せ売ってたホームセンターでも仕入れに失敗しして、
飾って居ましたが、
今回の改装で廃棄するか鉄の原価で販売しますって、
書いて有って、鉄の材料費だけで買った物なんだ、変わってるだろ~」
と言うと、
津田さんが、「それはどんな用途で購入したので?」と困惑してるので、
「まあ、買う時にあおり文句見て面白かったから現物見ないで、
買った口でして、
従業員が2人でもって来て始めて見た奴です」
と購入時に現物ではなくフダを取ってレジに持っていき、
購入後店員が持って来てビックリしたが、
買わないと言って騒ぎになるのもアレだしと、
そのまま何も変じゃ無い感じで、
買って帰った問題品をそう言い切った。
すると津田さんは何か理解できる所が有ったらしく、
「ああネット関係あるあるですよね~」と言ってくれた、
恐らくこの人もネット通販で、
大きさ等でやっちゃった口な事が有るのだろう。
隠して俺たちは持っている道具を全部持ち込んで、
地下に通じるドアを開けようと取り敢えず試みる事になった、
「これは聞いた所、製造が戦後の物では無く戦争中だろうという事です、
ここを建設中に出て来た物は面倒だからそっちで何としてくれって、
話でしてここを改装時に床の表面のコンクリートを1層剥がしたら、
出て来て取り敢えず当時問題にならなかったからそのままだそうですよ」
と詳しく聞いたらしい津田さんの説明が入った、
そして俺達は1階の倉庫予定地に入り、鍵穴を確認するとアナさんが、
「これハ古い鍵ではアり得ない形でスヨ、
普通金庫に家のドア煮付けるような、
ベーシックでオールドな鍵形は使イません」と言う鍵穴を見れば、
良く映像先品で鍵穴を通じて中を覗けるウォード錠とか言う奴だ、
結構海外ドラマの古い推理物も見てるから分かる。
「確かに、確か戦後は45年だから、軍の物でも一般の物でも、
ここまで古い鍵は使わないよな、と言うことはこの鍵穴はなんだ?」
と俺が困惑すると、アナは「ダミーですyo」と言い、
ジョンは、「だろう、これは違うカギ穴を探すべきだな」と言うので、
全員で縦3M横2m位の巨大な黒いドア全体をくまなく、
ここに居る6人で探すと、
「あ!」と言う津田さんの声に、
俺たちが探してた場所とは別の場所つまりドアの蝶番部分の縦構造、
つまり普通ならボルトが埋まって居る筈の所に鍵穴は有った。
そこを全員でライトで照らしながら見て見ると、
現代的な普通の鍵穴だった訳で…。
「ねえ、コレって騙されてないですよね?現代の鍵ですよ?しかも素人が、
手を出せるレベルを超えてる、しっかり加工して作った鍵穴だし、
蝶番も全て同じ物で偽装じゃないし、
これはプロに頼むしか無いんじゃないか?、
せっかく力技でどうにか出来るなら開けてしまおうと思ったけど、
今は無理だな諦めて、次の物件を見に行くしかないよ、時間もあまりない」
と俺が言うと。
全員が急にやる気が削がれたらしく、道具を片付けだしたが、
津田さんは気を入れ直して「あ~、では次の物件をご紹介に行きます」
と言い、俺たちは別の事業所候補に向かった。
次の場所は、少し遠かったが、
車で最初の場所から10分程度だ許容範囲内だった。
「ここは、土地が縦長に100坪、で奥まで車輌を止められ、
横の奥に長い2階建て鉄骨造りの建物が事業施設です、
坪で各奥に50坪有り2階には外階段で入ります」と言われた施設は、
奥までが長く1階はシャッターが閉まっているが、
横のドアからシャッターを開けなくても入れる建築なのだが、
2階は外側についてる鉄骨の螺旋階段で入るようだった、
つまり細長いトンネル見たいな2階建ての施設って奴で、
しかも先程の施設と違い軒先に当る屋根が無くむき出し、
さらに何故か螺旋階段には手すりも無く、何故だか危険感が凄くする、
ただ、奥まで続く長い土地は車輌が止めやすそうでは有ったが、
それだけで、会社としては社屋が2階が全てに為るので、
VIPとかが来日とか考えると印象は良く無い。
「これはダメだよ社長、改装工事掛かるよ」とアナさんが言い、
「そうですね、これは、セキュリティーの改装も含め場所が悪いですよ」
と珍しく慎重な性格のミハエルが言って来る、
そこでセキュリティーの観点から見ると、建物の鉄骨などが細く、
軽量鉄骨らしい見た目で、壁も薄そうだった、
それに何処かから取ってきて付けた印象がある、
螺旋階段も交換が必要に感じる。
「確かに、これは施設の用途が違うね、別の用途の会社なら良いけど、
ウチだとまるごと立て直しだろう、
予算がかなりかかりそうで防犯面でも許可出来ないレベルだ」と言って。
俺も良く無い印象を持った言い方をすると、津田さんが、
「では中の方は確認しませんか?」と言うので俺は他の3人を見ると、
全員が首を横に降ってるのでパスする事にした、
「ダメですね、次行きましょうか」
と言い、津田さんも「はい」と言うだけで次に向かう。
「ここが3箇所目の物件です」と紹介された場所は、
どう見ても古い下町とかそういう感じの事務所らしい、
平屋の施設が有るが、横には三角屋根で平屋の奥まで長く広い、
大きな工場が奥まで続く、駐車場として事務所の前には、
普通車1台が止められそうな空きスペースが有るが、
車輌は沢山駐められそうも無い場所だった。
「ええと、ここは隣の元工場を解体して駐車スペースとして使えるそうで、
内部は何も無くして有るので、そこに車輌が15台入るそうです、
事務所は見た目間口が狭く幅が車輌1台分ですが、
奥まで広くて重量鉄骨製で頑強改装はしていないので、
安く出せるそうです」
と言う建物は確かに事務所と言うには薄い壁でトタン風な外壁で、
弱そうな印象で工場だった建物は凄く背丈が高く、
3~4mの高さがありそうで扉はオリジナルな鉄板製で悪くは無い、
地域も普通に静かそうで工場だった施設を建て替えれば、
車庫兼倉庫に為るし、
平屋も建て替えれば頑強な建物に為りそうで悪印象では無い、
「どう思う皆?俺は普通で悪くは無いけど、
問題は建て替えると資金が増大するし、
周辺地帯が狭くて少し面倒そうだと、
思うんだ、車輌はかなり頑丈に守れそうだと思うんだけど」
と言って他の社員の印象も聞くと。
「ここはただの工場、作りが古い、それなら一番最初の施設に、
車庫作った方が簡単」とアナさんがぶった斬る、
そしてジョンが、「こりゃダメだって、車輌に物積む時事務所の前で、
金目の物を載せ替えるしか無いからそこを狙われたら終わりだ、
最初の所は全部敷地内で終わらせられたがここはダメだな」と言い
ミハエルさんも「そのとおりだ、ここは用途が違う」と言うので、
俺は津田さんに、
「やっぱり一番最初のあの事業所を買います、
元々今の会社も同じく金品の会社から車両への積み替えが問題だったので、
周辺が広く横の土地は帰ってから半分程度分割で購入できるかどうか、
所有者の方に聞いてもらって、その方の判断でこちらも購入するか、
決断する方向で、取りあえずは購入希望の方向で、
買うと言って居るが細部まで詰めた話し合いがしたいのでと行ってください」
と俺は元々社屋として使う建物を買う目的に立ち返っての発言で、
購入する物件の話は決まったので内覧は終了して、
俺たちは津田さんの乗る車輌に付いて向井不動産に向かった。
有限会社での設立は不可能だと感想をいただきましたので、9話14話20話の変更をしました。
ご連絡ありがとう御座います。
又、この作品はコロナが初期の段階で収束し戦争が起きていない世界線ですので作品描写が普通です。




