モンスターを生み出すコロシアムみたいなCage、略してMUCC
おかしい、全然物語が進まない・・・
基本的に主人公回りはチートで出来ています、でもチートと自覚してるのであれ?何かやっちゃいました?みたいなのはなしです
前回のあらすじ!
チート能力を確認したから冒険者ギルドに登録する前にレベル上げに行こう!
ほー、これはまた見事なもんだな
サブちゃんに案内された先にあったのは体育館くらいのコロシアムに籠をかぶせたような建物だった
入口らしき所の前にある斜めに切り出された石柱に手をかざすと扉が開くとの事でやってみる
ゴゴゴゴと地響きをたてながら扉が開く、中は適度に明るく、やはりバスケットコート二面くらいの広さがあった
とはいえ現状は明るいだけの部屋で、モンスターのモの字もない
サブちゃん、モンスターはどこにいるの?
『んー、今はまだ居ません』
おい
『今入ってきた扉の脇あたりにコンソールがあるでしょ?タブレット端末みたいな』
あー、確かにタブレットっぽい、なんか浮いてるし完全に透明だけど
『それがモンスターを生み出す装置なのです』
なるほど、ちょっと触ってみると図解入りのモンスター図鑑って感じで説明の下に×1ってのと戦うって項目がある
恐らく×1のところは出てくるモンスターの数、戦うはそのまんまでこれを押したら戦闘になるって事だろ
『はーいご明察、まずはモンスターの定番スライムから倒すのがおすすめだよ、大体3体も倒せばレベルアップするから』
お、割と経験値効率いいな、というかLv1だからか?
『ここのモンスターは普通のモンスターより3倍くらいの経験値をくれるんだよ、普通は10体くらいでレベルアップかな』
なんと、赤いのか?彗星なのか?3倍強いとかないよな?
『強さはこの世界のモンスター標準だから安心していいよ、あとこの攻撃を受けたら死ぬ!って時には自動的にモンスターが消える安全装置付き』
まじかよ
いやー、この施設凄すぎないか?なんならここだけで世界最強になれるんじゃなかろうか
死ぬ事もなく安全に経験値3倍のモンスターを狩れる、格上に挑戦もノーリスクで出来るとか有用すぎる
これパーティーとか組んだら俺以外も簡単に鍛えられるのでは?
『えーと、それは基本的に無理かな、そもそもこの周辺にはラック以外立ち入れないようになってるからね』
やっぱりそう上手い話はないか、ん?基本的に?
『うーんと、ここは神の聖域って呼ばれているんだけど、神の祝福がある人しか入れないんだ』
『だけど、婚姻関係にある人間は祝福の一部の恩恵を受けることが出来て、聖域に入ることが出来るようになるんだよ』
おお、なんという仕様、これは神がハーレムパーティーを作れと言っているようなものじゃないか
ビバ異世界!ビバ重婚OK!前世の俺はいざ知らず、今の俺は鉄壁のイケメンフェイスがある!非モテともおさらばだぜ!
さて、今後の方針も決まったと言って過言ではないのでサクっとレベルを上げて出会いを探しに、いや、冒険者ギルドに登録しに行こうか
ちなみに今の俺は小屋に置いてあった防具のレザープレート、小手、ブーツ、武器には刀と脇差を装備している
ショートソード、ラウンドシールド、弓や槍なんかも置いてあったが日本人としては刀があったら刀を取ってしまうだろう、何故ならかっこいいから
武装も確認した事だしまずはスライムを召喚してみようか、ポチっとな
次の瞬間、コロシアムの真ん中あたりに薄い光の筋が立ち上る
そして光が霧散した場所には一匹のスライムが現れたのだった
お、これこれ、このいかにもスライムといった丸いフォルム、プルプルと半透明な体で跳ねて移動してくるところは割と可愛いよなぁ、まあ倒すけどね
大きさは直径4、50センチといったところか、バスケットボールの倍あるかないかくらいの球体がこちらに向かってくる
スキル【看破】で弱点を把握、この世界のスライムは核があってそれを壊せば倒せるタイプらしい
この一番レベルの低いスライムは核の位置が不確定というわけでもなく、ちょうど体のど真ん中辺りにあるので唐竹割りのように一刀両断すれば倒せそうだ
「そいっ!」
ぶにゅっとした感触の後にかぼちゃを包丁で切った時のような手応えがあった
そのまま押し切るとばちゃっという音とともにスライムがはじける
えぇ・・・流石にあっけなさすぎないか?
サブちゃん曰くスライムは基本的に大人なら誰でも倒せるレベルらしい
とはいえ寝こみに顔に取りつかれたりすれば窒息死必至だというので割とえげつないモンスターではある
ある程度鍛えた冒険者は取りつかれたとしても核を噛み千切るくらい出来るらしいし、そもそも取りつかれるほど近くにモンスターがいれば余裕で気づくそうだ
雑魚しか狩れない経験値提供用のモンスターなんだな・・・可哀想に
そんな調子で異世界転生後最初の狩りはあっけなく終わったのだった
この後めちゃくちゃレベリングした
かぼちゃくらい噛み千切れる、そう、冒険者ならね!