俺の親友(以下略)・下
~あらすじ~
ようやく始まった優と夏美による放課後の告白の練習。しかしそれを理央に見られてしまった!焦る優と夏美だが、理央の口から出た言葉は優への告白だった。
~理央の回想~
『は?女友達がほしい?』
『だってさー、オレら女っけまったくないじゃん?彼女ほしーなんて贅沢言わないからせめて女の子と遊びにいったりしたいわけですよ。』
『・・俺だけじゃ不満か?』
『そんなわけないじゃん。ただ華がないなぁーって思っただけ。理央も嫌だろ?つるんでるのが男の幼なじみ一人っていうこの状況』
『・・・。』
『まぁ経験値あげたいって気持ちもあるけどな。経験ある男ってやっぱ憧れんだろ!』
『・・優ちゃんも、俺に経験値あったほうが憧れるのか?』
『ん?あー、お前はただでさえイケメンでモテてるっていうステータスがあるからなぁ。ま、でも経験あっても悪いことはないんじゃねーの?』
『・・・そっか。』
~回想終了~
「え?オレそんなこと言ったっけ?」
「言った。だから俺は夏美と友達になったのにまさかこんな結果になるなんて・・くそっ」
「え、あ、えぇぇ・・」
どうしよう。まさかの回りに回って俺のせいだったなんて。
なんかもう・・かなりいたたまれないんだけど。てゆーか珍しく女子と仲良くなったと思えばそういうことかよ!真山さんに失礼すぎるだろ!?
それに問題は一つだけじゃないし、
「なぁ、優ちゃん
世界中の誰よりも優ちゃんのこと幸せに出来るのは俺しかいないし、俺が一番優ちゃんを愛してる。だから優ちゃん、俺を選んでくれ。優ちゃんに乱暴な真似はしたくないんだ。」
「は、ハハハ・・。」
まさかの幼なじみ♂からの告白とか、しかも断ったらバッドエンドとか詰んでやがる・・。
「あ、あのさぁ理央、真山さんのことはいいのか?・・その、オレはてっきりお前が好きなのは真山さんだとばかり・・「ない。夏美はただの友達だ。・・もしかして、嫉妬してくれてるのか?安心しろ。俺の心が優ちゃん以外に傾くなんて天と地がひっくり返ってもあり得ないから。」・・あ、そっスカ・・。」
オワタな、俺。そして真山さんよ、すまん。あれだけ練習した君の告白はたった今水の泡になってしまったよ。
ずっとオレをギラギラとした目でガン見してくる男はどうやらオレたちが思っていたような人ではなかったさ。狼どころの話じゃない、化け物だった。次からはちゃんと男は見極めた方がいいぞ、真山さん。・・ってしつこいな!どれだけオレをガン見すれば気が済むんだこの男は!
突き刺さる視線に負け、ふいと顔をずらした先にいたのは件の真山さんで。うぉぉ!?おいおいこの子いつからいたんだ??なんで皆盗み見るのがこんなに得意なの?お似合いじゃん、もうまじ付き合っちゃえばいいのに。
真山さんもオレの視線にきづいたのかハッとした表情を見せたあと、気合いが入った顔でコクンと頷いてオレたちの方に向かって歩いてきた。んんん?何をしでかす気だこの子!やめておいた方がいいぞ真山さん!今の状態のこいつに近づいたら死んじゃうって!!
「理央くん。話は全部聞かせてもらったよ。」
「夏美か・・、例え彼女だろうと俺は優ちゃんを諦めるつもりはない。悪いが宣戦布告をさせてもらう。」
「大丈夫、私別に小鳥遊くんが好きな訳じゃないから。」
「・・なんだと?」
そんなにズバッと言わなくてもいいじゃないか!(泣)
「理央くんが見ていた小鳥遊くんの告白、実はあれ嘘だったの。二人でふざけて告白ゴッコをしていただけ。本当に私が好きなのは理央くんなんだよ。」
「嘘?」
あれ?あんだけ苦労した二文字が今さらっと出てきたんだけど。練習の成果だよね??ねぇそうだよね!?
続けて真山さんは言った。
「でもね、今の二人を見てたら失恋したんだっていう気持ちよりなんか胸の奥がキュンとしたの。」
・・・なんやて?
「それよりもずっとこのまま二人を見ていたいというか・・二人に幸せになってほしいなとか思い始めちゃって!なんなんだろうこの胸の高鳴り!うふふなんだか楽しくなっちゃった!!あ、そういうわけで私は二人の邪魔をする気はないから。どーぞどーぞ!続けてください!!うふっ、うふふっ、う腐腐腐腐腐っ♪」
「カムバァッーク真山さん!ダメだそちらの仲間入りしては!!いいのか?きみの理央を思う気持ちはその程度だったのか?!止めろスマフォを取り出すんじゃない!パシャパシャするなぁぁぁぁ!!!」
「夏美、応援(?)してくれるのは嬉しいが写真を撮るのは止めてくれないか。俺の優ちゃんだから。」
「はっ!ごめんなさい、私ったらつい舞い上がっちゃって・・。これからは物の影から二人を心のメモリーに焼き付けておくね♪」
「むぁやまさぁぁぁん?!???」
「じゃあこれでようやく二人きりになれたな、優ちゃん。
ハネムーンはどこにいこうか。あっ、その前に優ちゃんはウェディングと白無垢、どっちがいい?俺としては脱がす楽しみがある分、白無垢を着てくれると嬉しいのだが・・」
「キャーキャー!理央くんったらそんなこと考えてるなんて・・。もっとやって!!」
「外野うるせぇ!!どっちも着ないし、てかオレ男だし、結婚とかしないし、そもそもてめぇと付き合うなんざ一言も言ってねぇ!」
「なんでだ?夏美とは違ったんだろ?ならいいじゃないか。」
「なんで選択肢が真山さんとお前二人だけなんだよ!これから出会うかもしれないし、第一オレに男の趣味はねぇ!」
「・・じゃあ誰と付き合う気なんだ?言っとくがオレはこれからもお前に好意を寄せるもの、興味を持ったもの、或いはその可能性があるものまで片っ端から排除していくが。」
「オレがモテない原因が今発覚したよ!お前のせいか!いつもオレが女子に近付こうとする度に怯えられているのは!!」
「それに優ちゃんには一生伝える気は無かったけど、優ちゃんの近辺には既にGPSが仕込んであるから。一生逃がすつもりはないから潔く諦めた方がいい。」
「だってさ!小鳥遊くん!!やっぱり二人は運命の相手なのね・・!なんだか私滾ってきちゃったー!」
「やめろ離せ!それからお前!さらりと言ってるけどそれ犯罪だからな!?」
先ほどよりもっと力強く、抱き締める理央。そのままオレの耳に自身の唇を近付けてこう言った。
「それに、優ちゃん。俺が夏美と話していたとき、いつも寂しそうな顔してたし、あれって、・・もしかしなくても嫉妬だよな?」
「・・・っな!//」
思わず理央の顔を見てようやく気づく。かまをかけられたのだ。そしてオレはそれに乗ってしまった。つまり図星とからだ全体で言ってるようなもんで。理央の顔は愛しくて愛しくて堪らないとでも言いたげな笑顔だった。
「っうっさい!この天然タラシめ!!!//」
「ふふ、やっぱり優ちゃんが世界中の誰よりも一番可愛い。」
少女漫画みたいなヒロインかと思っていた子は腐女子になったり、少女漫画の中から出てきたようなイケメンは実はホモだったり、そして、サポートキャラだと思っていた自分もやっぱりホモだった。
「こんなのっ、オレは認めねーからなぁ!!」
「幸せになろうな、優ちゃん」
「あっ、影から二人を見守るとは言ったけど結婚式には呼んでね?友人代表でスピーチしたいから!!」
少女漫画だった世界は途中から道を踏み外し、気付けばBLの世界になっていたとさ。めでたしめでたし。
「全然めでたくないからっ!」
「そういえばハネムーンの件、まだ聞いてなかったな。ここは王道でやっぱり南国の国か?」
「その話まだ続いてたのかよ?!」
おしまい
最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました!一番最初に投稿してこんなに多くの方々に読んでもらえて感激です!!その後、優と理央がどうなったかは、ご想像におまかせしますw
本当にありがとうございました。
次回作はよくある平凡な男の子がBLゲームへ転生する物語です。しかし彼はシナリオに抗い何としてでも彼女を作ろうとします。果たして彼は無事にシナリオを抜けられるのか!?
題名は『オレの明日はどっちでしょう?』
※現実の都合でこちらの作品は更新が遅れることがあります。ご容赦ください。