表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

アイ

作者: 紅葉

夕葉がかきました。



…消えちゃえばいいのに。

ふーっとため息をつくと、その空気がキラキラと輝きはじめた。

目を疑う間も無く、そのキラキラが人の形になった。

なにこれ?怪奇現象?

「おはよっ!」

明るく声を発した存在は、私と同じ顔をしていた。

「え?……なんなんですか?」

聞いてみた声は驚いていないみたいに聞こえる。サイボーグ岟里。影で私がそう言われているのを知っている。滅多に笑わないとか多分そんな要因が重なって。笑えない、気の利いた事も言えない。ただ、与えられたことをこなすだけ。そんな自分が嫌いだった。

「そうなんだ!?でも私は私が大好きだよ。」

平然と私の頭の中の言葉に返してくる、元・キラキラ。

「だから、誰なんですか?あなた」

「私は私だよ!岟里 未彩。私は君で、君は私!君が君を嫌いなら、私が¨表¨に出るよ?」

目の前の私と同じ顔した元キラキラは私?ワケがわからない。

「まぁ、分かんないと思うよ!そんなわけで今日は私が代わりに高校行ってあげるよ。君は¨裏¨で見ててね!なにか気づくかもしれないよ?」

そんな意味深な言葉を聞いたのを 最後にスゥッと意識がブラックアウトした。


気がつくと、¨私¨は学校の下駄箱にきていた。夢の中にいるみたいに、私の意思で動くことが出来なかった。

「おはよ!千波!」

「あ、おはよー。岟里さん!どうしたの今日。なんか感じ違うね」

「うん!ちょっとイメチェンしてみた」

これ、話しているのは私じゃない。口調からして元・キラキラ。

(うん!大正解☆)

脳に直接、響くような声。

この調子で元・キラキラが一日私になって喋っていた。たまに、話しかけられる。その話によると元・キラキラはずっと私の中で見ていたらしい。真っ暗な部屋の中から明るい外の世界で私が生きているのを。だから、元・キラキラも私……いや、元・キラキラが私?

ずっと、このままだったら。きっとこれが理想の¨私¨。

そのはずなのに何でちょっと切ないんだろう?

少しずつ霞はじめた視界でぼんやりと教室を眺める。

そろそろ、4時間目が終わって昼休みみたいだ。

「ナツ!お昼食べよう〜。お腹空いちゃった。」

¨私¨がいつも一緒に昼食を食べているナツに声をかける。

ナツは読書が好きで物静か。いつも穏やかに笑ってる。私はナツの隣でのんびりと時間を過ごすのが好きだった。

¨ 私¨に話を合わせながら、ナツは裏庭の木陰へと移動した。いつもならここでレジャーシートをひいて、お弁当を食べる。でも今日は何故かナツが座る様子がない。

「……未彩?どうしたの、今日。」

「なんかイメチェンしたいなーって思って!どう??」

「どうって、貴女は……誰?」

「私は私だよ!岟里 未彩」

「違う……未彩は一見、無表情だけどちゃんと考えてる。感情だってあった。けど、今日はなんか違う。別人だよ。」

驚いた。ぼやけてた視界が急にクリアになった。

(なーんだ、ちゃんと君を見てくれる人、いたじゃん。私はまた¨裏¨に戻るよ!私も私のことちゃんと見てるから。忘れないでね!)

「ナツ。有難う。」

頬を流れる涙は気のせいじゃなくて。もう会えないかもしれない、もう一人の私の私にも(有難う)。伝わってるよね?



ネタバレになるのでキーワードにはかかなかったのですがキーワードのひとつは多重人格です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ