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しろく つもる

作者: 燈花

闇の中 白いものが降ってくる

ゆっくり ゆっくり


闇の中 燐光を発するような白

淡い光

舞うようにゆっくり降ってくる

たくさんのしろ


私は横たわったまま 片手をあげる

触れるものはない


音もなく舞う白

闇の中

まるで重力が弱いように 時が引き伸ばされたように

ゆるやかに ゆるやかに


静かで 美しい

でもどこか冷たい

温度の無い世界

冷たいから 美しいのだろうか

入れないから 美しいのだろうか

答えは出ない


雪のように 桜の花びらのように

私のうえに降り積もる

いつか私も地面のように この白に覆われるのだろうか

すべてを しずめて


静寂と闇 まるで死の世界

しずかな眠り

ゆっくり ゆっくり

深海に積もるマリンスノー きっとそれに似ている


食べるものもなく、プランクトンの死骸が落ちていくのだと聞いた

なら、この光もなにかの死なのだろうか

ふと思う


私も

私もいつかどこかに 降り積もるのだろうか?

マリンスノーのように

このしろのように



いつか 何かの上に美しく降り積もれたなら・・・



深いねむりも


静かな闇も


受け入れられるだろうか



しろく つもって

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― 新着の感想 ―
[一言] 白く、白く、そして静寂。 にゃーは大学が秋田県にゃったのでよく同じような雰囲気に浸っていたにゃん。 ……気持ちいいのにゃ。何時間も魅入るくらいには。
[一言] 真っ白に埋め尽くされた世界は、これから自分の好きなように染めることもできますよ。 真っ平らに積もったその場所には自分の足跡を刻むこともできますよ。 どんなに周囲に紛れても、自分は自分の輝きを…
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