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エートル地方の西方に位置するディルスは10か月前の魔物の襲撃により人の住めない土地になっている。毒に侵された土地は歩くだけで吐き気を催す。かすかに残る人々の住んでいた痕跡も今や腐敗して崩れかかっている。勇者様ご一行は決意に満ちた瞳で、まっすぐに前に進んで行かれた。

勇者様たちの向かわれる道は決してたやすいものではない、どうか、その道に光あれ!!

                        ゴーイ報道部

「テラちゃん、大丈夫」

「うん……さっきよりだいぶまし」

「少し顔色も良くなってきたね」

「フィーリアちゃんの解毒呪文がきかないなんておかしいよね。勇者様と騎士様にはすぐ効いたのに」

「黒魔術と白魔術の相性が悪いなんて言うデマじゃないけど体質によるところが大きいのかもしれないわ。」

「フィーリアちゃんの回復呪文は気持ちいいもん。肩のあたりを狙ってくれると、より一層いいと思うんだ」

「なにそれ、人を肩こり解消に使わないでよ。…でも、私もテラちゃんの属性結界の中にいると安心するかも。他の人を知らないから比較はできないけど」

「あ、そういえば、勇者様の光魔法もすごいよね。力がみなぎってくるっていうか」

「そうね。神の加護とも言うのかしら、私たち神官たちとは違う次元にいる人よねって、自分で話題振っておきながら、そんな顔するのやめてくれるかしら」

「なんで私だけ呪文がきかないのかな」

「…勇者様は心配してくださって、薬をくださったのよ」

「うん、わかっているんだけどね。でもね、姫様が勇者様の体を気遣って送ってくれた薬を私がのんでいいの?それに、あの薬いくらするか知ってる?2,3年働かずに暮らしていける額なんだよ。そんなもの私が」

「飲みたくないのはわかるけど、飲まなきゃいけないのよ。理由は、言わなくてもわかるわよね」

「…姫様はずるいよね。なんでももっているんだもの。…なんて、ない物ねだりなのはわかっているよ」

「…………」

「ねぇ、フィーリアちゃん。私頑張っているかな?」

「うん。私は?」

「うん。頑張っているよ」

「ありがとう」

「飲むよ。姫様が送ってくれた万能薬」


「私思うのだけど、世界になんにでも効く薬なんてないと思うのよね。あったとしても、体に悪影響を与えると思うのよ」

「飲む前にいってよ!!」




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