クラスメイトと妖孤
――― 8/26 10:23 ―――
「なるほどな。 アテネが天空神ゼウスの後継者で1万年に一度の地位争奪戦に参加する。で、俺がお前の代行者となり、別の神の代行者と戦い、勝ち残ってお前を最高の地位にする、と。」
「おお。明さん、さっすがー! 私が42分かけて説明した話をたったの83文字で表すなんて!」
「数えてたのか…。 それはそれで凄いな…。 てか、42分はかかりすぎだろ。 それよりも…」
「それよりも?」
「そんな話、信じられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
あー。久々に大声出したな。あ、しまった。そういえばここ病い―――――
「五月蠅い」
「ゴファア!!」
腹部に鈍い痛みが走る。ナイフの時とは全く別物の痛み。
「なん…だ? バットをぶち当てられた…?」
「病院では静かにする。常識でしょう? だからちょっと黙ろうかアイスクリーム?」
この声…、それに俺のことをアイスクリームって…。ってことはこのバットをぶつけてきたのは…、
「伊流…、お前なぁ…」
バットが飛んできた方向、要するに俺のいるベットの反対側に1人のベットで本を読んでいる少女がいた。
「明さん。この人は?」
「ああ。こいつの名前は伊流 剣美。俺のクラスメイトの1人だ。剣道部の主将で成績優秀。帰宅部&成績不振な俺とは対照的な奴だよ。」
「じゃあ、さっきのアイスクリームってのは?」
「いや、こいつは俺のことを『アイスクリーム』と呼ぶんだ。俺の名前が相須だから…らしい」
正直、止めてほしいが…。とは言えないな…。またバット投げられそうだし…。
て言うかコイツ、バット投げつけるような女だったのか…?
「いいじゃない。鉄製の方にしようかと思ったけど、止めてあげたんだから。それとも何? 鉄がよかった? 今からでも投げ…」
「遠慮しておきます。スイマセンでした」
「そう? じゃあ鉄パイプ? それとも…」
「まぁまぁ。そのくらいにしてあげなさいな」
「えー。まぁ…、遥子がそう言うなら…」
伊流のベットの傍に、いつの間にか、1人の着物を着た少女がいた。
「あっ、遥子! 久しぶりー!」
「久しぶりね、アテネ」
「え? ちょ、誰? え? 知り合いなのか?」
「あ、紹介するねー。この人は…」
「いいわよアテネ。自己紹介ぐらい自分でするわ。」
「そう?ならいいけど」
「初めまして。私は春夏秋冬 遥子っていうの。アテネと同じ神なの。私は白狐。知ってるかしら? 京都の伏見稲荷とかで祀られてるんだけど」
「一応…。行ったことがあるし」
「そう。私はアテネとは幼いころからの仲でね。今回の争奪戦ではアテネと共闘しようって言ってたの」
共闘…? ああ、そう言えばさっき、アテネが言ってたな。神の中には他の神と手を組んでいる神もいるって。
「ちょっと待った。なんで白狐がここに居る? 神は代行者の傍にいなければ…。いや、まさか…!」
「そう。私の代行者は剣美よ」
「というわけで、一応アイスクリームとは仲間ってことだから。よろしく」
「あ…、ああ。よ、よろしく…」
「なんか楽しくなってきたなー! ね? 明さん?」
アテネ、お前はそうかもしんないけどな。俺はもう、何がなんだか分からねえよ…。
今回はちょっと長めですかね?
いやー。散々ですね、明。ナイフで刺され、バットをぶつけられ…。
可哀想になってきたww