Chain00 ロンドンにて……2
今回のお話は、プロローグ同様ロンドンでの琉依……つまり、25歳現代のお話です。
“琉依、わしはもう長くはないんだよ……”
「って、やな事思い出しちゃったなぁ……」
自室で昔の事を思い返していたら、ふと出てきたお祖父様の台詞。
あの時の俺は、まだ中学生だったからというのもあってか、とてもまともに話を聞ける状態じゃなかった。
『あれ? いたんだ?』
自室から出て、キッチンへ向かおうとした俺の視界に入ったのはソファに座ってニュースペーパーを読んでいたりカルドだった。
『うん。さっき帰ってきたところ〜』
コーヒーを飲みながら再びニュースペーパーの方に視線を戻すと、リカルドはテレビの電源も付け始めた。
それがきっかけで、さっきまでは静かだった部屋の中が一気に賑やかになる。
『琉依。お前一人だと、ホントこの中が寂しいもので仕方が無いよ』
苦笑いしながらニュースを見るリカルドは、本当に明るい奴だから静かでも気にならない俺とは全く違っていた。
『あぁ、テレビも捨ててもいいくらいだよ?』
『ば、バカ! そしたら、俺が耐えられなくなるだろ!』
この部屋はお前だけのものじゃ無いんだぞ! そう喚いているリカルドを放っておいて、俺は冷蔵庫から麦茶(日本から大量仕入れ!)を取り出すと、そのまま再び自室へと戻っていった。
自室の扉を閉めると、再び騒音はシャットアウトされては静かなものとなる。そんな雰囲気だと、再び思い返してしまうあの時の事……
「ホント……信じられないくらい綺麗に覚えているよ」
十年前、お祖父様が俺に託した……狂気に繋がるあの誓いを……
こんにちは、山口です。
この作品を読んで下さり、本当にありがとうございます!
今回は現代の琉依のお話と言う事もあり、傍にはリカルドもいましたが何故一緒に住んでいるかはまたいつか書きたいなと思っています。
次回からは再び前回の続きに戻ります。