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もののけアリス

「お母さん、なんで私は

皆と一緒に遊べないの?」

そういって私はいつも涙をながしていた。


私は、幼い時からもののけというものに憑かれていたために、ある家の地下室に閉じ込められていた。


そこの空気穴から見える、同い年くらいの子供を遠くらみるという楽しみは、いつからか自分はあの子供達と一緒に何故遊べないのだろうという疑問を私に抱かせていた。


そんな私に、母親はいつも「貴方をとても、愛してるからよ。」と、答えるのだ。


そんな、母親の精一杯の努力を、私は壊してしまった。


それは、ある春の一日。


私が初めて約束を破った事がもたらした、私の幸せの一時。


そして、初めての外の人との出会いだった−…。

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