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森と向こうの扉  作者: 03


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33/33

警察署

札幌中央警察署。

取り調べ室の薄暗い蛍光灯の下で、白石隆司は椅子に座っていた。

机の上には、古文書のコピーや現場写真のプリントが散乱している。

「白石さん、この…子供が教室から突然消えたって話、あなた本気で信じてるんですか?」

刑事の一人が鼻で笑い、厚い書類を机に叩きつける。

隆司は落ち着いた声で答える。

「信じるとか信じないとかではない。これは事実だ。教室から消えた子供たちは、森の中にいる!現場の状況と古文書の記録を照合すれば、誰でもわかる」

刑事は眉をひそめ、口元は薄く笑っている。

「なるほど…つまり子供が教室からいなくなったのは、伝承のせいだと?」

隆司はコピーを指でなぞる。

「子供の失踪は偶然ではない。結界が揺らぎ、封印の綻びが生じた瞬間に発生している。さらに、烏天狗は真名で命令された存在だと文献に明記されている」

別の刑事が腕組みして椅子にもたれた。

「ほう…じゃああなたは、森にる子供たちも、妖怪まで把握してると?」

隆司は静かに頷く。

「はい。そして封印や烏天狗の動きを観察すれば、子供たちを救う手段も導き出せる。これは理論と現実の照合だ」

刑事は半ばバカにしたように笑う。

「ええと…つまり、あなたが信じる結界の話、妖怪の話を、警察が公式に扱えってことですか?白石さん…正気ですか?」

隆司は資料を整理し、落ち着いた声で説明を続ける。

「現実的かどうかではない。重要なのは、子供たちを安全に救うための行動計画を立てることだ」

刑事は椅子に深くもたれ、冷ややかに問い続ける。

「では、その計画って…烏天狗や鬼にどうやって対抗するんですか?魔法でも使うつもりですか?」

隆司は微動だにせず、資料の上に手を置き慎重に答える。

「魔法ではない。科学的観察、伝承の検証、そして可能な手段の組み合わせだ。小さな偶然や道具も、利用できる限り使う」

刑事は肩をすくめ、紙をまとめる。

「なるほど…結局、あなた一人の頭脳頼みってことですね。正直、信用できませんね」

隆司は黙ったまま、深く息をつき資料を抱え直す。

瞳には決意が宿り、薄暗い部屋の中でも揺るがぬ光を放っていた。


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