表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森と向こうの扉  作者: 03


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/33

目覚めの縁

機械音が一定のリズムを刻む。

健太の瞼が、ゆっくり開く。

焦点は合わない。

だが――

「……赤い、線」

看護師が凍りつく。

「お母さん、呼んで!」

健太の母が駆け寄る。

「健太? わかる? ママだよ」

健太の視線は天井。

「まだ、半分……門は閉まってない」

脳波モニターが乱れる。

医師が駆け込む。

だが健太は静かに続ける。

「均衡、足りない」

その瞬間。

手の甲の痣が、はっきり浮かぶ。

円の中に、一本線。

看護師はそれを“内出血”だと思う。

だが、母だけが気づく。

さっきまでは、なかった。



札幌市立○○小学校。

臨時休校決定。

理由は「心理的不安への配慮」。

だが保護者の間ではもう別の言葉が飛び交っている。

森。 祟り。 呪い。 実験。

SNSでは匿名投稿が拡散。

「立ち入り禁止区域で何か掘ってる」 「研究者が夜に入ってる」

白石隆司の名前も、出始める。

“アイヌ研究者” “森と関係”

隆司は自宅の書斎で頭を抱えていた。

机には古い文献。

そこにある一節。

――渡りは秤なり。

 一を戻せば、一を求む。

隆司は息を飲む。

「……交換、ではない」

均衡。

それは単純な人数ではない。

役割。

健太は“楔”。

美咲は“秤”。

まだ終わっていない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ