アルノたちの日常
6月18日。僕たちは目覚めたが、お姫さまたちとの対戦には気乗り薄。僕は38歳の女王ローザ。ザックは18歳の第2王女サリア。ピルロは20歳の第1王女インゲ。マテウスは16歳の第3王女ミランダ。僕はローザと互角にやりあえるかもしれないが、他の3人が美少女3姉妹に圧倒されたらあんまり面白くない。なのでこの案件は同期の人たちに譲ることにした。僕たちは必ずしも勝つことに固執しないが、あまりにも分が悪すぎた。「かと言って柚香が弱いとは思わんけどな」「そうだな。むしろ花苗の方が強いかもしれんぞ」「浅美だって2年前とは違うだろうさ」「繭子はきっと成長しただろうな」僕たちは柚香たちから[参戦予約]を受けた。参戦予約は7月11日までに変更がなければ彼女たちの参戦を認める。柚香と花苗は7月12日。浅美と繭子は7月13日に参戦予定。コンビ名は前回と同じだが、今回は30歳と12歳になった分、簡単ではない。前回は娘たちの身長が135センチ。バストサイズが74。母親たちは170センチと僕たちと変わらない。花苗たちは145センチ。バストサイズは80くらいと推定された。「柚香は前回より強そうだな」「花苗はやりにくそうだ」「浅美はパワーが増してそうだな」「繭子も簡単にはいかんだろうな」ただブランクの差は魔法戦士が不利。僕たちには地上戦しかないが、柚香たちは空中戦を得意とするからブランクが空くほど不利にされる。初回のみ訓練が2時間に増えるが、これはバロンも同じ。ただし今月から訓練相手から情事の新技の伝授を禁じられた。これはどちらも全く同じ。そのため情事に明らかに不利とされる魔法戦士には朗報といえた。アダルトグッズに近いコンドームの使用も厳しく制限され、情事での禁じ手が新たに追加された。[2本の指で乳頭をこね回す]のはギリギリセーフだが[2本の指で乳頭をつねり上げる]又は[摘み上げる]のは禁じ手とされた。久々の休日。僕たちは喫茶店[アンニュイ]で腹ごなしした。チャーハンと野菜サラダがうまいお店で女給さんのコスチュームは絣の着物姿。だがもちろん異世界に着付けの先生などめったにおらず、サイズもマチマチ。気崩れた子の胸もとからは淡い乳頭や可憐な乳輪がチラ見えした。僕たちは食後のコーヒーを飲みながら雑談に花を咲かせた。本業が雑貨商だが、名古屋には行けない。対戦予定の相手との接触は対戦のみに限定されたし商売的にも旨味がないのだ。異世界での雑貨のシェアは日本が3から5パーセント。魔法戦士の世界ですらもはや名古屋は聖地ではなく、三重や徳島や新潟にその地位を脅かされた。オワコン新市長の就任が名古屋の凋落に拍車をかけた。次に夏の天候不順。酷暑は3000メートル級の日本アルプス。猛暑は2000メートル級の大雪山系に例えられた。要は難易度に大差ない。更にはアマゾネスの跳梁跋扈。名古屋に常駐する男性エージェントの9割が謎の勃起不全とホームシックに悩まされた。王族に風が吹かないのは女王が夫に従順だからだ。そのため娘たちはまだいいが、ローザが僕に懐くとも考えにくい。ザックたちがサリアたちの尻に敷かれるのも申し訳ない。そんな思惑が働いた。42歳にもなれば夏はしんどく、お盆休みすら満足に取れない。かと言って柚香たちと再戦すれば楽勝ともいかないだろう。そもそも彼女たちとの力の差はなく、今回はこちらが不利かもしれない。28歳と10歳の母娘戦士は勢いとノリで参戦してくるから。だが柚香たちは前回と同じ轍を踏まないだろう。記憶とは不思議なもので淡い思い出しか残らないが、ソレは彼女たちも同じはず。「柚香たちは変わらないさ」「だといいがな」「いや浅美たちは変わったさ」「でなきゃ再戦なんて考えないよ」そうだろうか?僕たちは話し合いを重ねたが、彼女たちの動機は不明。「前回がフワッとしてたら今回も変わらんさ」「かもしれんな」「必ずしもそうとは言えんぞ」「そこは微妙だな」ただ前回と同じ流れはならないだろう。「サイズ感が違うからな」「前回よりしんどそうだ」「スピードとパワーが増してそうだな」「たぶんな」柚香たちの成長が楽しみだが、果たしてそれを堪能できるゆとりが持てるか?今年はコチラも暑くなる見込みだが、名古屋ほどの猛暑にはならないだろう。久々にバロンの会合に参加したが、まだローザたちの対戦相手は未定。美少女3姉妹に恐れをなしたのか、なかなか名乗り出る勇者たちが現れない。女王たちはナルシス制度の国へ売り込みをかけるようだ。ナルシスは16歳から18歳の少年兵士だから実力的に釣り合うだろう。だが中には美少女3姉妹や女王に敷かれるのも悪くないと考える者たちがいるからまだ流動的。僕たちは本業が大好きだが、そろそろ身を固めたい。その意味で柚香たちは渡りに船といえた。世界線が違うのに2度もやれるなんて奇跡に近い。やはり縁があるのだ。