ゴブリン 討伐
俺は朝早くから出発していた。
それでも ミミの用意した 朝食はしっかりと食べて
可愛い娘達3人に
見送られ あの洞窟に向かっているのだ。
ものの30分で 洞窟に到着した。
「人里こんなに近くに ゴブリン の洞窟があるなん
て信じられんなぁ。」
洞窟入り口付近には 数多くの新しい足跡があり
最近も 娘達が拉致された事を 思わせていた。
洞窟内に入ると かなり暗く 奥は全く視界不能だ
それでも ゆっくりと進むと 奥から声がした。
「コイツは そっちの部屋に ソイツはあっちの部屋
に入れて置け!」
扉は無く 物陰から伺っていると どうやら拉致して
来た娘達を 部屋ごとに割り振っていた。
「お前ら 娘達は返して貰うぜ!」
すると そこで作業をしていた 10匹程のゴブリン
が一斉にこちらを向き
「なんだ お前はー! 殺せ!」
一斉に飛びかかって来たが なんせ弱すぎる。
いや 俺が強すぎるのか…。
1匹目の奴は 平手打ちをしたら 首が激しく回り
変な音と共に 顔が後ろに向いていた。
2匹目は 足で蹴り上げたら 顎に当たり グシャっと
音を立て 顔が潰れ 3匹目と4匹目は同時に
両手で抜き手を放つと 双方の胸に拳骨程の穴が
空いて絶命した。その間 何度もゴブリン どもは
飛びかかって来るが あまりに俺には鈍く見え
全てゴブリン の攻撃は空をきる。
「さぁ ゴブリン どもよ 覚悟せい!」
その瞬間 ゴブリン 達は今までに無い恐怖の表情
を表した。これは勝てる相手では無い…と。
残りの4〜5匹のゴブリン達は 一目散に逃げて行っ
た。周りにある部屋の扉の鍵を壊し 開けると
中で娘達が泣いていた。
「もう 大丈夫だ 直ぐに家に戻れ。帰れるな?」
「あっ ふはぃ ありがとうございます!」
他の扉の鍵も次々と壊し 扉を開けて娘達を解放し
家に帰らせた。
娘達は 一同に感謝し俺に向かって膝をつき礼を言
って戻って行った。
「さぁ 先に進むか 」
ここはまるで アリの巣の様に 張り巡らされていた
が 一つ一つ 扉を開け攻めて行くと ある扉の中に
子供達が大勢いた。そこにいるのは全て男子であったので 俺はすぐに コレが奴らの食料だと理解した。
「お前達は ゴブリン か!」
「僕達は 人間です! 助けて下さい!」
「そうか ではここを出て 人間達の所に行け!
しかし 少しでもゴブリンの真似ごとをすれば
俺が許さん 俺はゴブリンスレーヤーだからな
よく 覚えて置け!」
一瞬 子供達は 震え上がったが それそれ礼を言っ
て外に出て行き 俺は更なる 奥に進むと先程
逃げて行ったゴブリン どもが 多勢を連れて戻って
来た。
「人間め! 思い知らせてやる!」
今度は それぞが 棍棒なり 剣を持って それなりの
準備をして来たのだろう。しかし俺は少しも怯ま
ず
「お前ら 全員叩き潰ーーーーす!」
最初のゴブリンが棍棒を振り下ろして来たがそれ
をサッと腕ごと 引きちぎり その棍棒を手にすると
バッタバッタと次々と頭の上から叩き潰して行っ
た。ゴブリン の頭蓋骨は粉砕し 脳が飛び散って
洞窟の中は グシャグシャガシャと音が響き渡り
あっと言う間に そこに居た50匹程のゴブリンども
は只の骸となった。
俺も全身がゴブリン の返り血で真っ赤に染まり
どっちが魔物か見分けがつかない程であった。
「さぁて 終わりか?」
追手を全て 撃退した俺は 奥へと進んで
暫く進むと 開けた場所に出た。
「うむ ココは 何の場所だぁ?」
よく見ると上の方の一段高い所に ゴブリンどもが
ズラッと並んでいた。総勢2千という所か…。
そして奥の大きな扉が ゆっくりと開くと
大きなドラゴンが入って来た。
「ははははっ 人間よ! ドラゴンとの闘技場に
ようこそ! お前はここで朽ち果てるのだ!」
そう言うと 繋がれていたドラゴンを解放した。
そのドラゴンは
腹が減っているのか 苛立っている様だった。
いきなり喉を真っ赤にしてブレスを吐いた!
俺はブレスの炎に包まれてしまった。
「はははははっ 奴め黒焦げ、、あっ、なん?」
「何が黒焦げだと? 俺はピンピンしてるぞ」
ドラゴンのブレスはまともに食らったが 大した
事では無かった。このドラゴンの戦闘能力は
多分俺の10%にもならないのだろう。
俺にしてみりゃ 軽い火傷程度だが 回復能力が
その攻撃よりも上回り 即回復してしまうので
結果的に 何にもならないと言う事だ。
「バカな! ドラゴンのブレスを受けて大丈夫な
わけがない! コイツは一体!」
「あのさぁ 自分を基準にして考えちゃダメダメ
俺はあのドラゴンを 瞬殺できるんだぜぇ。
凄いだろう ワイルドだろう。」
「そんな でまかせ言うな!やれるもんなら
やってみろ!」
「じゃ 10秒だ 10秒で終わらす!」
シュン!
俺は 加速して ドラゴンに近づき 足を捻ると
大きな巨体は バランスを失い転倒した。
ドラゴンは鋭い牙で 大きな口を開け 襲って来た
が その牙を足蹴りすると ボキッと折れなんとも
間抜けな顔になった。
「なにぃ ドラゴンがやられてるだとーー!」
続けて倒れているドラゴンの眼球を正拳突きで
ベチャっと潰すと
ヴギャーーーーおぅーーーー!
ドラゴンは 大きな悲鳴を出した。
そしてその頭を持ち ぐいっと捻ると カキッと
音がして首は変な方向に折れて 絶命した。
「ふぅ 10秒もかからんかったのぅ。全く歯ごたえ
ないドラゴンだぁ。」
その場にいたゴブリンどもは 息を呑んでいた。
目の前にいる人間は 自分達より遥かに強いのを
知ったからで それは ゴブリンと人間のパワー
バランスが新たに崩壊し人間に支配される事
を意味していたからである。
「分かった 人間の強い事は認めよう。しかし
俺達ゴブリンも生きる権利はある!」
「いや 無いなぁ 」
「いや いや 待ってくれ 頼むから 待ってくれ
2度と人間には近寄らんし この大陸からは
全員撤退する。だから見逃して欲しい!」
「ふん 撤退して何処に行く?」
「この大陸を出て海を渡ると もう一つ大陸がある
そこにはまだ人間が居ない大陸だ 我々はそこに大
移動する。」
「ほう 別の大陸に 全部移ると言う事か?」
「あぁ そうだ だからもう人間とは会う事は無い」
「よし それが出来るなら 今すぐ取りかかれ!
明日いっぱい待ってやるが もしまだグズグズして
残っていたら その奴らは 全て俺が潰すからな」
「分かった ありがとうございます。」
俺は 家に戻って行った。
帰って三人に その事を伝えると
「ご主人様! やりましたね! もうゴブリン 達は
この大陸から居なくなるのですね!」
「そうだ もう心配は要らん。」
「わーーヤッタァ 流石 ご主人様!」(三人)
三人が 俺に飛び付き 抱きつくもんだから
柔らかい感触が 体中から感じられ 更にこの
甘い香りは一体何なのだ!ドラゴンには勝てるが
この三人には 勝てない気がして来た俺だった。
つづく