始まりの町(第1部)
俺は転生を果たして、この世界にやってくることができた。が、初期スポーン地点がまさかのドラゴンの巣。一時は死を覚悟したが...竜の因子というスキルを獲得して命からがら竜の巣を脱出することができた。
その後、山の上から見えた町を目指して山のふもとの森を進んだ。そして無事に森を抜けだし、今いる町「始まりの町 グラン」へとたどり着いた。
現在グランについて既に一日が経過している、昨日の疲れがとてつもなく、宿屋の少し硬いベッドでも一瞬で意識を失ってしまい、朝、いつもでは考えられない時間に起き、さすがに暇を持て余しインベントリ画面とのにらめっこをしているところだ。せっかくなので昨日の振り返りでもして行こう...
まず第一に魔法に関して、結論から言うとこの世界で魔法を使うことが出来る!で、肝心の方法だけど、かなりの種類があるらしい、詠唱や魔法陣を使う方法が一般的なようだが俺の場合、なんと賢者というスキルのおかげでイメージするだけで発動することができるらしい、我ながらとんでも能力だ...
その賢者はというと、魔導師の覚悟というスキルからランクアップしてゲットした。ちなみにスキルは段階的にランクアップして賢者はその最終形態らしいそして魔導師の覚悟は初期スキルだった...初期スキルであれだけ喜んでいたのかとおもうと...
二つ目にこの町のことについて、まずグランとは一言でいうとRPGの最初の町、これに尽きる。田舎の村を少し拡大して、加治屋、ギルド、宿屋を追加したような街並みだ。次に町の施設主に先ほど出た三つ種類だ。まず宿屋、声の大きなおばさんが切り盛りしていて、決して快適ではないがまあ最低限のものはそろっている。
次に鍛冶屋、この町の周りでは出てくるモンスターが弱いためギルドで販売している装備で済ませる人が多いらしいが、俺は鍛冶屋自体に興味があったため加治屋で武器を購入することにした。
加治屋においてある武具にはもちろん興奮したが、何より強烈だったのが店主のおじいさんだった。俺は若干武器オタクなところがあったのでずいぶんと話が進んだ、がどうやらかなりボケが激しいようで、しまいには自分は昔勇者と旅をしていたとまで言い出した。流れで乗っておいたがまあないだろ。ゴルドさん、通称ゴル爺。
話の流れで剣を一本買ってしまったのでもしかしたら切れ者なのかもしれない...まあ気に入っているので文句はないわけなんだけどな。
最後にギルドだ。おなじみ、冒険者専門の役所みたいな施設だ。俺は運よく...いや、たまたま、看板受付嬢のセリスさんに担当してもらうことになった。うん。いや、普通にかわいかったです。さすがは異世界クオリティ。
俺はそこで晴れて冒険者の仲間入りをした。まあ最低ランクのEランクなわけだが...そう、ギルドにはランクシステムがあり実力に合わせて、A、B、C、D、Eランクにわけられるやる気の出る仕様になっている。
ちなみに冒険者はギルドからの依頼を受けてその報酬を主とする職業のことだ。あと宿代や武器の費用は森で倒した魔物の素材を売って手に入れた。これも冒険者の収入の一つだ。
そのはかにも森でインベントリ画面の確認をしたり、ご飯を食べたりしたがこれまでのどの出来事よりも重要なことが起きていた。それは...
インベントリにナビゲーター機能が付きました...
そう、それは森でモンスターの死体の持ち運びに迷い使い方がわからない収納アイテム欄を眺めているとき、突然インベントリ画面が更新され...
ー収納魔法で収納することができますー
一瞬なんだこれはっ!と思ったが、すぐにナビゲート的なものだと判断することができた。オタクなことが役に立つこともあるものだ。
「いやその魔法の使い方がわからないんだけど...」
画面に対して質問している様は奇妙なものだったことだろう...のちに脳内で語りかけるだけでも届くということが判明したわけだが。
ー賢者スキルを獲得しているので、脳内でイメージするだけで使用することができますー
そんなことがあり俺は、便利な便利なナビゲーターを入手することができた。ナビさんからは俺が知らないこの世界の情報をかなり入手することができた。
まずは、この世界の種族について、この世界にはかなりの種族がいるらしいが、大部分は人間、鬼人、魔人、の三種族からなるようだ。人間はまあ普通の人間だ特徴は数が多いことぐらい。次に鬼人、数は三種族の中で一番少ないが、モンスターを素手で握りつぶせるほど力が強い。
そしてとくに人間を嫌うらしい、嫌いすぎて攻撃もめったにしてこないほどに。最後が魔人、魔王の手下で強力な魔法を使う。場合によっては魔法で人間や鬼をだまし利用することがあるらしい。
そして今自分が使える魔法も聞いたが、基本的にはどんな魔法も使えるとかえってきた、元よりもとより魔法とは自然現象を魔力と引き換えに出すものと自然では起こりえない現象を膨大な魔力で引き出すもののことを示し、炎系魔法などのカテゴライズしかないらしい。
ほかにもさまざまなことを聞いたが...今はこれくらいにしておこう。そんなこんなでとても濃厚な一日目だった。
窓から入ってきた朝の空気を感じながら
「よし、いくか!」
気合を入れて宿屋を飛び出した。