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第68話 娘の部屋の匂い+機動武闘伝Gワレダム

~娘の部屋の匂い~


源三「すぅ――――――――はぁ…すぅ―――――――はぁ…すぅ―――――――――――――――……」

来牙「源三、絵梨の匂いのする部屋の空気を味わいたいんだろうが鬱陶しいから止めにしないか?」

源三は絵梨が出掛けた後はすぐさまこの源三の相手をする羽目になる。

源三「何じゃと!?さては貴様……絵梨のエキスやら匂いやらのする部屋に未練があって勝手にこの部屋に居座っておるのか!?」

来牙「そう言うアンタは何しに来たって聞いたら答えてくれるのか?」

源三「青春をしに来たのじゃ!」

来牙「また、下心に満ちた定年の青春を謳歌してるんだな」

絵梨の部屋の匂いを味わうための青春とは一体どういうことなのかとか思うことは色々あるが詳しく聞くと面倒な理想なので余計な質問はしないようにする。

ユーにゃん「にゃ~、にゃ~にゃ~」

源三「うむ?なんじゃ貴様?何が言いたいのじゃ?ああん?」

来牙「猫相手に喧嘩腰になってるなよ……」

ユーにゃんが源三に向かって小さく鳴くと何故か源三はヤンキーを気取ったような態度でユーにゃんに対して睨み付ける。

ユーにゃん「にゃ、にゃ~…」

源三「何じゃこの猫?何をビビっておるのじゃ?ふぉふぉふぉこんな猫悪恐れるに足らんのじゃ!」

鳴き声に力が無くなり後ろに下がるユーにゃんを見て調子に乗った源三は口を豪快に開けて笑い自分も猫が苦手だと言うのに部を弁えずにユーにゃんに顔を近づける。

ユーにゃん「にゃう(ガブ)」←源三の鼻に噛みつく

源三「ほ、ほっげぇ――――――――――――――ッ!!い、痛い!痛い痛い!誰か取って―――――――――――ッ!!」

来牙「こいつ意外と賢いところあるんだな」

源三に対して怯えた素振りを見せたのは源三が天狗になりやすい性格だと知っていたからあえて油断させて近づいてきた源三に不意打ちに近い形で鼻に噛みついて撃退していた。

源三「冷静な分析などどうでも良いのじゃ!さっさとワシの高貴な鼻に噛みつく黒猫を放さんか!!」

来牙「そうだな、あんまり汚いのに噛みついてると歯に悪いからな」

源三「ワシの鼻の心配をせんか!!」

喚く源三は無視して来牙は絵梨に何かあったら使う様にと言われていた煮干しを絵梨の部屋の小さい引き出しから取り出す。

来牙「コイツを小皿の上に乗せておけばいいんだったな……」

ユーにゃん「にゃんにゃ~~~~」

来牙「予想通りっと」

ユーにゃんは源三の不味い鼻よりも当然、絵梨が買って来てくれた煮干しを優先してこちらに駆けだしてくる。

ユーにゃん「もぐもぐもぐもぐ」

来牙「あんま慌てて食うと喉に小魚が詰まったりするかもしれないからな」

ユーにゃん「うにゃ~?」

来牙の言葉にユーにゃんは一度首をかしげたがスグに残りの煮干しを一生懸命な姿で食べ始める。

源三「い、痛いよ……わ、ワシの鼻が鼻が鼻が、世界に一つだけの鼻を歌ってやるのじゃ!」

来牙「そんな下らないこと言ってられるウチは余裕だって言う証拠だろ。ついでに鼻じゃなくて花だからな」

源三は何を思ったのかキム〇クの髪型を思わせるようなカツラを被っていたがハッキリ言ってアンバランスで似合わないので目の毒にしかない。

源三「し、しかしこれは冗談では済まんぞい……!出血は大したことないがワシの鼻が赤くはれ上がって……」

来牙「お茶〇水博士みたいにデカい鼻だな」

源三「鉄腕少年ロボットの製作者と同じじゃと!?」

来牙「鼻だけがな」

性格や頭脳まであの鉄腕少年ロボットの製作者と同じだと言ってしまったら本人に対して無礼極まりないのでそれは決して言うことはない。

源三「おのれ黒猫めッ!ワシの鼻をどうしてくれる!?」

ユーにゃん「にゃにゃ?」

源三「にゃにゃ?ではないじゃろうが!誠意をを込めて謝らんか!」

ユーにゃん「うにゃ~(テクテク)」

源三に構わずにユーにゃんはそのまま絵梨のベットの下に潜っていた。

源三「貴様が絵梨のベットの下ならワシが絵梨のベットの上を使う!」

そして源三は絵梨が普段眠るのに使いベットの上にダイブする。

ユーにゃん「うにゃ~」

来牙「お、いきなり出てきたぞ」

源三が絵梨のベットに寝転がってるところにユーにゃんがダッシュで戻って来る。そして今度は源三の素足目がけて爪を使って。

源三「のっぎょぉ――――――!!」

ユーにゃんの引っ掻き攻撃が決まった!源三は床を転がりまわってベットから思いっきり落ちていた。

来牙「ご主人様の留守を守るのに頑張ってるのか、懸命な仔猫だな」

ユーにゃん「うにゃ~」

最も、来牙に対してもその爪や牙を向ける事があるのが玉に瑕な事もあるのだった。



~機動武闘伝Gワレダム~



この世界では戦争は行われなくなった。60年前に一部の人類は環境が悪化した地球を後にして各国が建造したコロニーに移住したのであった。各コロニー間では世界の覇権をめぐる全面戦争に対する抑止策として4年に一度開催される、巨大人型ロボット『ワレダム』を使った格闘試合、『ワレダムファイト』で決められるようになっていた。各国からそれぞれ選出された代表選手同士で優勝者を決めて、優勝者の国が次のワレダムファイトまで国の主導権を握る事となったのだった。

だが、このワレダムファイトにも問題はあった。それは、激しい戦いとなるワレダムファイトが行われる舞台が地球で行われることであった。地球に残された人々にとって周囲に多大な被害が出るワレダムファイトは生活を脅かす脅威でしかなく、地球住民達はワレダムファイト、敷いては自分たちを軽視するコロニー住民を忌み嫌うようになっていったのだった……

そして、ネオジャパンからも一人の代表選手が出場していたのだった!

源三「ワレダムファイト!レディ――――――GOooooooooooooo!!」





ここは地球の旧イギリス、かつて大英帝国時代と呼ばれていたとは思えぬほど、荒れ果てた状態と化していた。他の国と同様に地球の環境悪化が原因でイギリス社会を支えていた富裕層の大半がコロニーに移住したことによって、旧イギリスは経済が悪化、失業率が大幅に上昇し、かつては人口の7パーセントが生活保護者であっても、余裕があるほどの福利厚生も崩壊し、人々は貧困していたのだった……

刑事「クソ、またここでワレダムファイトがあったのか!」

この旧イギリスでロンドン勤務の老刑事は腹立たし気に荒れた建物を見てそう言い放った。

警官「酷いもんですね、ワレダムファイトが行われるたびに、その辺の建物はボロボロにされてるんですから」

刑事「コロニーの連中なんざ、結局は俺たち地球民の事を雑草か虫けらくらいにしか思ってねぇって事さ、全面戦争を防ぐための公平かつ平和的な代理戦争だとか言ってやがるが、結局は戦争によって生じる損害を俺たち地球に全部、担わせてるだけさ」

警官「けど、どうしようもないっすよ。我々にワレダムを止める力何てありませんし、そもそも部外者がワレダムファイトを妨害したらそれこそコロニーの奴らが何をしてくるか分かったもんじゃありません」

そう、この刑事たちが言ったように、ワレダムファイトは全面戦争を防ぎ、コロニーにとっては平和な戦争であると同時に大規模なエンターテイナーであったが、地球民にとっては忌むべきものでしかないのである。

一方その頃、ロンドンのバーでは……

マスター「お客さん、この国の人じゃないね、どこの国の人かな?」

源三「日本じゃ」

マスター「へぇ~、日本人だったんか~、あそこは技術大国として知られてるからね~。と言っても、それはあくまでコロニーの方のネオジャパンの方なんだろうがね」

源三「全くじゃ、かつては技術大国であった地球の日本も今となってはネオジャパンが作り出した大量のゴミや廃棄物を処理する工場だらけじゃよ、それはそうとマスターよ、この男に見覚えはないか?」

そう言って、源三が見せた写真に写っていたのは一人の老人であった。

マスター「さて、そんな人はウチの店には来てないけど……」

と、マスターがそこまで言いかけた時だった。

チンピラ「邪魔するぜ!」

チンピラ「けけけ、相変わらず湿気た店だぜ!」

いかにもガラの悪そうな若者たちが店に我が物顔で入ってきたのだった。

マスター「ま、またアンタたちか!」

チンピラ「おうおう!お客様に対してその態度はどういう了見だ!?お客様は神様って知らねぇってか!?」

マスター「金を払わない客を客とは言わん!いい加減に溜まりに溜まったツケを払ってくれ!でなきゃ、ウチでの飲食はお断りだ!」

マスターはガラの悪そうな若者たちに対して気丈に言い返すが、その足は震えていた。

チンピラ「ほぉ~、俺らに対してそんな口を利ける奴がまだこの町にいやがったとはな~、拳での教育が足りねぇってか~?」

チンピラはゲスな笑みを見せながらマスターに殴りかかった!

チンピラ「なに!?」

が、その拳がマスターに直撃することはなかった!

源三「拳を引っ込めんか若者!」

チンピラ「爺の尻ぃぃぃ――――――――――!!」

源三の尻が受け止めたのであった!

チンピラ「ぬ、ぬけねぇ!何て尻圧だこの爺!」

チンピラ「や、やりやがったなこの野郎!」

もう一人のチンピラが激高して源三に殴りかかるが源三は冷静だった。

源三「ヒップジャイアントスイング!」

チンピラ「「ぐわぁ―――――!!」」

尻で拳をキャッチしたチンピラをそのまま振り回しもう一人のチンピラを巻き添えにして薙ぎ払ったのであった!

チンピラ「ち、畜生!覚えてやがれ爺が!」

チンピラ「手が臭い!臭くなっちまったじゃねぇか――――――!!」

源三「全く騒々しい奴じゃわい」

逃げるチンピラたちを見ながら源三はズボンとパンツを履き直す、しかし、その光景は客たちが大勢見ていたのですでに警察に通報したものがいたのであった。

刑事「爺さん、余所者のようだな?」

源三「ワシに何の用じゃ?」

刑事「この町に何しに来たんだ?」

源三「ただの人探しじゃ」

刑事「誰を探している?」

源三「この写真の男じゃ」

刑事「そいつは、一体何なんだ?なんでアンタはその男を探してるんだ?」

しつこい問い詰めに源三がうんざりした時だった。

ユーリ「ストップデース!」

刑事「なんだ、アンタ?」

ワザとらしい片言の日本語を話す男が現れたのだった!

ユーリ「源三君!こういう時はちゃんと自分の身分を正直に証明できるように常にこれを持ち歩いていないとダメじゃないですか!」

そう言いながらユーリはとある手帳を刑事に見せていた。

刑事「なに!?ワレダムファイトネオジャパン代表選手証明手帳だと!?」

ユーリ「そうデース。彼はワレダムファイトのネオジャパンの代表選手なのデース」

そう、ワレダムファイトの各国代表選手はこうやって証明手帳を持つ事によって地球での身分証明書として使い、空港や検問や職質などをスムーズに済ませることが出来るのである。なにせ、国の主導権をめぐるワレダムファイトの代表であるが故に、彼らに対して不当な長時間の拘束や活動の妨害は国際問題にされかねないのである。

ユーリ「というわけで、彼は対戦相手を探すのに忙しいんデース!怪しいものではありませんので、速やかに解放……」

刑事「だったら今すぐに出ていけ疫病神が!」

ユーリ「な、なんですって!?」

ユーリが説明している途中に刑事は怒りを露わにして怒鳴り散らしていた。

刑事「この町にワレダムファイターなんていねぇ!さっさと出ていきやがれ―――――――――!!」


続く!

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