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第65話 どうでも良い親子物語+そこから先は!

~どうでも良い親子物語~



貞治さだはる「た、大変だ!が、学校に遅刻しちゃう!」

独立エンブラ学園の小学六年生の貞治は学校に遅刻しそうになって慌てていた。

貞治「なんでなんで今日に限ってスマホを充電し忘れてたんだ!おかげでアラームなる前に電池切れで寝坊したじゃないか!」

貞治は大慌てで着替えて下に降りる。

貞治「た、大変だ!昨日時間割の準備してなかった!教科書今から入れ替えなくっちゃ!」

普段は前の日の夜に時間割をしている貞治だったが、その日に限って完全に時間割を忘れて大慌てで時間割を始める。

貞治「大変だ大変だ!昨日学校の帰りに靴を一足川にシュートして無くしたから今日は片方素足で登校する事になるんだった!」

父親「こら貞治ぅ!朝から何を騒いでるんだ!」

そんな朝から大騒ぎの貞治を見兼ねて父親は貞治を叱る。

貞治「父さん大変だよ!学校に遅刻しそうなんだ!」

そこまで言って貞治は自分が遅刻しそうなこの時間に父親が未だに家にいる事に違和感を感じる。

父親「バカヤロー!父さんは会社をクビになってるんだよ!そして母さんにも逃げられたんだよ!」

貞治「そっかぁ!父さん会社のお金を横領してクビになったんだ!」

そう、この一家の今の状況にとって、貞治の遅刻など今更全く大したことではにないのだった!





ここはとある小学校の小学6年生の教室。

小鳩「見て見て~、この服超可愛くない?」

小鳩は新しく買ったちょっと高価な私服を友達に披露していた。

ルナ「あ、それってティーンズの新作だよね?」

リコ「小鳩良いな~、流行の最先端だよ~」

ルナとリコはそのファッションに早速食い付く。二人とも年頃の女の子らしくファッションには敏感で、クラスでもお洒落な少女達なので常にファッションの最先端は把握している。

貞治「大変だ!大変だ!僕は遅刻寸前で、父さんは会社クビで母さんは家出して家庭崩壊の危機だ!」

そんな教室内での美少女達の戯れとは対照的に貞治は遅刻と父のリストラと母の家出と戦っていた。

不良「オラァ貞治ぅ!テメェ今日こそ落とし前付けたるで!」

不良「俺らにぶつかって何にげとんじゃボケェ!」

ちなみに、貞治は不良に因縁を付けられて追い回されると言う更なる危機に陥っていた。

貞治「学校に付いたぞ!何とか間に合った!」

貞治は大急ぎで教室に入り込む。

貞治「皆、おはよぉ―――――――!!」

滑り込むように教室に入り込む貞治。

不良「オラァ!誰が逃がすかボケが!」

不良「学校だろうが地獄の果てだろうが追いかけたるわ!」

しつこく貞治を追いかける不良たちだった。

小鳩「誰よそいつら!アンタ何連れてきてるのよ!」

貞治「大変なんだよ小鳩ちゃん!父さんが会社の金を横領してリストラになったんだ!」

小鳩「今はそんな場合じゃないよ!て言うか下の名前で呼ばないで!」

自分の状況下を理解していないかのような相談に小鳩に叱られる貞治。

貞治「しかも母さんは父さんに愛想尽かせて出て行っちゃったんだ!」

ルナ「当たり前じゃん。アタシが奥さんの立場でも出てくよ」

貞治「なんでせめて僕を連れて行ってくれなかったんだ!」

今更になってその事を思いだして貞治は泣きだしていた。

リコ「元気出して貞治君!お父さんがちゃんと就職したらお母さんも戻ってくれるかもしれないでしょ!」

優しいリコはあまり親しくない男子の貞治を健気に慰める。

貞治「それが父さん、自分は社会人に向いてないんだって言ってもう一生就職しないって言い張って聞かないんだ……」

不良「…………」

不良「…………」

徐々に重苦しくなる貞治の話に不良たちも流石に黙り込む。

貞治「それどころか俺は投資家の才能があるかもしれないとか言って株に手を出す始末だし……」

不良「なんか、悪かったな」

不良「もう、帰るわ俺ら」

そして、気まずくなって不良たちは去って行った。

小鳩「…………」

ルナ「…………」

リコ「…………」

一時的な沈黙の後だった。

貞治「やーい騙された!途中から嘘だよ!父さんはクビになって母さんは家出したけど父さんは今就活中で10社連続不採用で母さんは親権取ろうと裁判を計画してる最中だってのに!」

それも十分重い話だとは誰も言わなかった。



※そこから先は自分が話すぜ!



宮永来牙は学校帰りに見てしまったのであった。

源三「しくしくしくしくしくしくしく……」

来牙「…………」

ブリッジをしながら泣き続けている、祖父・源三の姿を。

来牙「絵梨は先に帰ってるかな……」

関わりたくないと思った来牙は完全にスルーしてその場を立ち去ろうとする。

源三「貴様はコラァ――――――!!」

来牙「…………」

が、源三に怒鳴り散らされてしまった。

源三「自分の祖父が道端でブリッジしながら泣いておるというのに貴様は何とも思わんのか!?声すら掛けんのか―――――――!?」

来牙「自分の祖父が道端でブリッジしながら泣いてるから俺は声すら掛けたくないんだよ」

激昂するとうざがる来牙、両者の間には大きな溝があったのであった……

源三「とにかくじゃ!ワシの身に何が起きたのかを聞いてみるんじゃ!」

来牙「何があったんだよ……」

来牙はめんどくさがりながらも、嫌々仕方なく聞いてみるのだった。

源三「あれはほんの30分ほど前の事じゃった……ワシはコンビニでアイスを買ってそれを美味く食っておったんじゃ……ところが、ところがそれを狙ってチンピラが絡んできてそしてワシを!」

翔「待ちな!」

が、それを遮るようにいつの間にか現れた来牙のクラスメイトの翔が話に割り込んでくる。

翔「そこから先は俺様が話すぜ、爺さんはそれ以上は無理して話さなくていいぜ」

源三「す、済まんのじゃ……」

来牙「…………」

そして、源三の代わりに翔が話の続きを始めるのである。

翔「あれは、俺様がこの辺のチンピラを半殺しにして、天下まであと一歩のところまでって時の事だったぜ、俺様はアイスを食ってる爺さんがチンピラに絡まれてるところを偶然見ちまったんだ、それを見た俺様は……」

鳥飼「待ちな!」

翔が途中まで話したところで、今度は鳥飼が話に割り込んできていた。

鳥飼「その先は俺が話す、俺に任せろってんだ!」

翔「そっか、ならアンタに任せたぜ」

来牙「…………」

そして、翔の代わりに鳥飼が話の続きを始めるのである。

鳥飼「あれは、一週間くらい前だったな、俺がラーメン屋でとんこつラーメンを頼んだのに味噌うどんを食わされて、キレまくってた時だった。隣の席ではチンピラがラーメンじゃなくてキャラメルアイスを食わせろと怒鳴り散らしてやがったんだ、それを見た俺はラーメン屋に来てなんでキャラメルアイスなんだって内心でツッコんだぜ。それから一週間後の今日の事だった……」

ラッキー「待って~」

鳥飼が途中まで話したところで、今度はラッキーが話に割り込んできていた。

ラッキー「その先はラッキーが話すよ~、だからもう帰っていいよぉ~」

鳥飼「待て待て待て!話すのは俺だって言ってんだろうが!」

ラッキー「その先はラッキーが話すよ~、だからもう帰っていいよぉ~」

今度はロケットランチャーを向けながらの脅し言葉であった。

鳥飼「そっか、ならオメェに任せたぜ」

来牙「…………」

そして、鳥飼の代わりにラッキーが話の続きを始めるのである。

ラッキー「あれは、ラッキーが8歳くらいの頃だったかな~。ラッキーはね、練馬から名古屋までを3分で移動できる超高速自転車の開発をしてたんだよね。それで、試作段階で取りあえず練馬から名古屋までを10分で移動出来るようにしたんだよね、そして移動の最中で新横浜に来た時だったかな、見ちゃったんだよ、アイス屋さんの行列に並んでるチンピラさんを!相当アイスが欲しかったみたいで、行列の前の方の人たちにさっさとしろって怒鳴っててね、最終的には……」

???「待つのだ」

ラッキーが途中まで話したところで、今度は背中に羽が生えた二足歩行の豚が話に割り込んできていた。

???「その先はこの天使、倉之助くらのすけが話すとしよう。これまでの解説ご苦労であったな小娘」

ラッキー「ぶーぶー!ラッキーがお兄ちゃんに説明してるんだよ~、邪魔しないでほしいの~!」

倉之助「これを受け取るがいい」←ラッキーにアイスキャンディーを渡す

ラッキー「わ~い、アイスキャンディ~♪それじゃ、後はお願いね~♪」

来牙「…………」

そして、ラッキーの代わりに倉之助が話の続きを始めるのである。

倉之助「それはまだ、人類がマンモスを狩猟の対象としていた頃だった……私は高位の存在として人類に対して神を名乗り、多くの貢物と女子を得ようと画策していた頃であった……そこに無礼なチンピラが現れたのだった。奴は高位の存在である私に対してペテン師呼ばわりして、槍を向けてきた挙句に私が得た貢物と女子を全て寄越せと抜かしてきたのだ!私は高位の存在として奴に神罰を下してやろうと考えた、そう、愚かなチンピラに対して私の怒りの……」

???「待ちな!」

倉之助が途中まで話したところで、今度は宇宙服を着た男が話に割り込んできていた。

???「その先は25世紀からはるばるとこの時代にやってきた、歴史研究家であるこのボブが話すのだ!ブタは死ね!」

倉之助「無礼者!天上界の天使であるこの私に対して死ねだと!?神罰を下す!そこに名折れ!」

ボブ「ファイヤブラスター!」←小型の銃から熱線を発射する

倉之助「焼けるぅぅ―――――――――――――!!」

来牙「…………」

そして、丸焼けになった倉之助に代わりボブが話の続きを始めるのである。

ボブ「あれは少し前、と言っても、君たちにとっては400年ほど先の未来の出来事だった、私は火星圏で地球の歴史学を子供たちに教えていたのだった。ところがその中には私の講義を詰まらなさそうにしているチンピラ風の少年がいた、そのチンピラ少年は私に対してこう言ったんだ、過去の事なんて知るか!俺は過去を振り返らない男なんだ!と、言われてしまった……」

ボブは涙を流しながら、自分の身に起きた出来事を話し始めていた。

ボブ「私は泣いた……自分のやってきたことがまるですべて無駄であるかのような言い方をされて、ショックだった……すべてを投げ出したいと思って、私は投げやりにこの時代に来たのだ……そんな矢先に私はこの場に偶然出くわしたのだ!」

源三「馬鹿者!」

が、そんな泣きじゃくるボブに対して源三は一喝した!

源三「貴様はこんな過去の時代に来ている場合か!自分のやってきたことに誇りはないのか!?誇りがあるのなら反抗的な子供たち相手、こそ自分の熱意を根気よく伝えるもんじゃろうが!」

ボブ「そ、そうか……わ、私は歴史研究家として大切なことを忘れていたんだ……」

ボブは源三の言葉で目を覚ました、自分に取ってやるべきことを思い出したのだった!

ボブ「ありがとう源三さん、投げやり的にこの時代に来たが、貴方に会えたことは良い経験になりました!」

源三「うむ、25世紀の子供たちに伝えてくれ、21世紀には宮永源三と言う英雄がいた事を!」

ボブ「はい!必ず伝えます源三さん!」

こうしてボブは25世紀に帰ったのだった!子供たちに宮永源三と言う英雄の存在を伝えるために!

源三「で、お主はさっきから何を黙っとるんじゃ?」

来牙「黙れ」


完!

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