第60話 源三は希望?子供に勇気を!
~ラッキーの秘密兵器~
中年「ねぇねぇ、お嬢ちゃ~ん」
ラッキー「ほえほえ~?」
ラッキーは汗だくのスーツを着たサラリーマン風の中年男に声を掛けられていた。
中年「お、お嬢ちゃんはな、何歳なのかな?お、お家は何処なのかな?」
ラッキー「えっとぉ……そう言うオジサンは何歳なの?お家は何処なの?」
中年「お、オジサンの事は良いんだよ~、オジサンはお嬢ちゃんの事を教えてもらいたいだよね~」
ラッキー「はぁ~」
中年の荒い息使いでラッキーはこの男がロリコンである事を見抜いていた。
ラッキー「ポチっとな」
中年「よ、よかったら、オジサンがお家に送ってあげようか?ついでに面白いところに遊びに連れて行ってあげるよ~」
ラッキー「お前はとっくに死んでいる」
中年「は?」
北斗七星のとある人物であるかのようにキメ台詞を決めるラッキーだった。そして背後に現れるのは嫌悪感むき出しの二人の婦警達。
婦警「はい、不審者発見しました~」
婦警「その子から離れなさい!」
中年「ほげ―――――!!」
ラッキーが発明したボタン一つで警察に今の状況を映像と共に伝えるアプリによって警察に中年を売り払ったのだった。
~子供に笑顔を!源三の約束!~
源三「ぐあ――――!!ま、不味い!ピーマンは不味いのじゃ――――!!」
源三は生のピーマンを人かじりして苦悶の表情を浮かべていた。
ユーリ「我慢でーす!源三君!もっともっと強くなるためにピーマンを食べるんでーす!」
源三「そ、そう言われても……不味いのじゃ―――――!!」
鳥飼「流石にベイバトルで強豪クラスの源三もピーマンには勝てねぇみてぇだな」
薮井「うむ、人間誰にでも致命的な弱点は存在する、しかし、それを知られるという事は敵対する相手と戦う際に致命的な敗因となってしまうのだ!」
源三は自らベイバトルで更に勝率を高めるという目的で弱点であるピーマンを克服しようとしていたのだったが、その致命的な不味さに中々口に入れることが出来なかった。
源三「おのれ~、中々手強い相手じゃった!」
鳥飼「って、おいおい!何をいつの間にか勝ったみたいな言い方してやがるんだよ!」
源三「ぐははっ!バレてしまったか!」
薮井「全くせこい奴だ!姑息な手段でピーマンとの戦いを避けようとするとはな!」
三人「「「ははははっ!!」」」
ユーリ「全く、面白いですね~。」
源三「やはり、弱点は一日で克服は出来ん!コツコツと地道に、しかしゆっくり確実にいずれ克服していくものなんじゃ!」
鳥飼「オメェはそうやってベイバトルの実力も磨いてきたんだよな!」
薮井「ふははっ!私たちも源三に負けてられんと言うわけだ、私も近いうちに、股間を蹴られると痛くなるという弱点を克服するとしよう」
源三「だははっ!流石にそれは無理じゃ!男として生まれたものにとっての永遠の宿命じゃからな―――――!!」
などと、源三達は他愛もない会話で盛り上がっていた時であった。
男性「あの、宮永源三さんはこちらにいますでしょうか?」
見たことのない中年男性が訪ねてきたのであった。
鳥飼「テメェ!俺の事をアホウドリ扱いしただろ!」
源三「なんじゃと!貴様こそ、ワシの事を今、天才だと思ったじゃろうが!」
薮井「ゆ、許さん!寄りにもよって私がホームレスで無職である事をあざ笑うとは許さんぞ――――!!」
ユーリ「皆、やめなさーい!喧嘩は両成敗でーす!これ以上争うと言うのなら、お父さんやお母さんにれ連絡をしますよー!」
が、間の悪いことに源三達は唐突に奇妙な喧嘩を始めてしまったのであった。
男性「あ、あのぉ~……で、ですから、ここに源三さんはいないでしょうか?宮永源三さんは……」
源三「ぶっ殺す!ぶっ殺すのじゃ――――――――!!ワシの怒りを100%までに引き出した貴様らは皆殺しじゃ―――――!!」
鳥飼「面白れぇ……!テメェらの命をまさかこの俺の手で絶つことになるとは思わなかったぜ!遺言書は書いたんだろうな!」
薮井「元・天才医師であったこの私が、まさかお前たちに死を与えることになるとはな、だが私は容赦はしない!覚悟を決めろ!」
ユーリ「もう許しません!戦争です!第三次世界大戦です!誰も生き残れませんよ!後で後悔してももう遅いですよ!」
男性「…………」
が、源三達は男性の話など全く聞いておらず、殺し合いを始めようとしていた、そのおぞましい光景を目の当たりにして、男性は意を決したのだった。
男性「もう、止めんか―――――――!!」
源三達「「「「ぐわぎゃ―――――――――!!」」」」
男性は護身用として持っていたバズーカを発射して源三達を吹き飛ばしたのであった!
☆
唐沢「初めまして、私は唐沢と言います。42歳で牛丼屋の店員をやっております」
唐沢と名乗ったその男性はバズーカを発射した時とは打って変わって、落ち着いた態度で挨拶をしていた。
ユーリ「その、唐沢さんが、何の用なんなんですか?」
唐沢「はい、このお店に宮永源三さんがいると聞きまして、訪ねてきました」
源三「ワシに用という事なのか?」
唐沢は源三に用があるらしく、源三の方を向いて、再び頭を下げる。
唐沢「はい、源三さんにしか頼むことが出来ない頼みごとがあります。実は私の息子は小学6年生なのですが、病に侵されていて、大きな手術を受けなくてはならないのです」
薮井「小学6年生と言えば12歳程度だな、その幼さで難病とは、その子供の辛いだろうに……」
唐沢「はい、うちの子も手術を受けるのをとても怖がっているんです、手術何て絶対に嫌だと言って聞きません」
鳥飼「だとしても受けさせるべきだろう、手術で治るうちにな」
唐沢「ええ、最もなのですが、未熟な父親である私には中々上手く子供を説得することが出来なくて……そんな息子なのですが、息子の将来の夢はプロのベイバトラーなのです」
ユーリ「そうなんですか~、最近のベイブームでベイで将来の生計を立てようと考える男の子はとても増えてますからね~」
唐沢「そして、息子が最も尊敬しているベイバトラーと言うのが宮永源三さん、貴方なのです!息子は貴方の大ファンなのです!」
源三「ワシじゃと!?」
源三は唐沢の息子である少年が自分のファンであると聞いて驚く。
鳥飼&薮井「「げ、源三にファンだとぉ――――――――――!!」」
そして、鳥飼と薮井は源三の数倍以上の勢いで驚くのだった。
源三「なんで、貴様らが驚くんじゃ――――!!」
鳥飼「い、いやいや!だって、仕方ねぇだろうが!オメェにファンだと!?宇宙人見つけるのよりも難しいぞ!」
薮井「わ、私は……まさか未確認生物異常を見つける以上の困難を成し遂げてしまったのかもしれないぞ……」
ユーリ「あの……失礼ですが息子さんは何か勘違いをしていませんでしょうか?なんならもう一度確認を……」
源三「貴様等コラァ――――――!!」
が、鳥飼たちが信じられないのも無理はない、源三の普段の人間性を知っているだけに、源三のファンの存在をにわかには信じられなかったのであった。
唐沢「私も息子が何故、源三さんを尊敬してファンになったのか最初は全く意味が分かりませんでした、しかし息子は魅入られてしまったんです!源三さんの熱く、魂に響くバトルに!ですから改めてお願いします!息子を勇気づけてやってください!そうすれば息子も手術を受けると言ってくれるかもしれません!」
源三「そ、そうか……」
源三は深く悩んでいた。
源三「息子か……娘じゃないんじゃな……」
そう、源三の気がかりは、励ますべき唐沢の子供が女子小学生ではなく、男子小学生である事であった。ぶっちゃけ、出来る事なら女子小学生と距離を縮めたほうが後々得をするのだと源三は考えているために、唐沢の息子を励ますことに消極的であった。
ユーリ「源三君!今こそ、君が希望になるときデース!」
源三「わ、ワシが希望……?」
が、そんな消極的な源三に対してユーリが強く会うことを勧めてきていた。
ユーリ「そう、希望、英語でホープで~す!源三君の戦う姿が唐沢さんの息子さんの希望となって、彼に手術を受ける決意をする勇気を与えるんで~す!」
唐沢「そうです!息子の希望になってください!そうすれば、息子はきっと手術を受けてくれるようになるはずです!」
源三「あ、ああ……そ、そうじゃの~……」
こうして、源三は唐沢の息子と会うことになったのであった!
☆
唐沢「こちらです、源三さん」
源三「なんじゃ、入院しているわけじゃないんじゃな」
唐沢「はい、今は通院している状態ですから」
源三が連れてこられたのは唐沢の家であった。
唐沢「幸男。ただいま」
幸男「あ、お父さんお帰り~」
唐沢は家に入ってすぐに息子の幸男を呼ぶ、幸男はすぐに父親を迎えに行くが、その隣に立っていた源三を見て驚愕の表情を浮かべる。
幸男「え、え!?げ、源三さん?宮永源三さんだよね!?」
源三「そ、そうじゃ!お主が会いたいと言っていた、ベイバトラーの宮永源三じゃ!お主の希望になる為にワシは会いに来たんじゃ!」
幸男「お、俺の希望?」
唐沢「取りあえず、お話は幸男の部屋でして下さい」
源三は唐沢と幸男に幸男の部屋に案内される。唐沢は席をはずして、源三は幸男と二人きりになった。
源三「幸男よ、お主は難病と言う敵と戦っておるんじゃな?」
幸男「うん……」
源三に難病の話を切り出されて、幸男は下を向いて口籠っていた。
源三「しかし、手術を受ければ、まだ治るそうではないか?お主のベイバトラーとしての未来の為にも手術を受けてみたらどうじゃ?」
幸男「うん、俺だって源三さんみたいなベイバトラーになりたいよ、だけど……やっぱり手術は怖いんだよ……それに」
源三「それになんじゃ?」
幸男「不安なんだよ、仮に手術を受けて回復したとしても、俺が源三さんみたいなベイバトラーになれるかどうか……」
まるでつらい経験をしたかのように幸男は涙目になっていた。
源三「なぜじゃ?」
幸男「俺、クラスに好きな女の子がいて、前に付き合ってほしいって告白したことがあるんだ」
源三「ほ、ほげ~……告白ね~……」
意外にも恋愛に対して積極的な小学生を目の当たりにして源三は軽い苛立ちを覚えていた。
幸男「だけど……」
そこで幸男は語り出した、その時にあった出来事を。
………
……
…
幸男「こ、小鳩ちゃん!お、俺と付き合って!俺君が好きなんだ!」
小鳩「無理」
唐沢幸男の人生初告白は無理の二文字によってあっけなく失敗に終わったのだった。
幸男「ど、どうして?どうしてなの!?俺に何かいけない事があるなら言ってよ!そういうところ直すから!」
小鳩「う~ん」
告白された美少女の木村小鳩はめんどくさそうに考えてからこう言った。
小鳩「元々アタシ年上が好みで、同年代の男子は子供っぽいからお断りっていうのがあるんだけど、君の場合はそれ以外にも……将来の夢がプロのベイバトラーっていうのが不安なの!」
幸男「え、ええ!?」
小鳩が幸男を振った理由の一つは幸男の本気の夢であるベイバトラーなのであった!
小鳩「だって~、そんなので生活できる見込み無いじゃん。玩具なんだよ!それでプロだとか世界一だとか言われても、ダメな大人になってる姿しか想像できないし!」
幸男「…………」
気が付けば幸男は泣いていた、好きな子に告白してあっさりと振られた上に自分の夢をこっ酷く否定された事に。
小鳩「だから、もう諦めてね~」
ルナ「小鳩~、また告白されたの~?何て言って断ったの~?」
リコ「小鳩、お疲れさま。帰りにカッコいい男子高校生がいるバスケ部の見学行ってみよ~」
小鳩は幸男に告白されたことなどあっさりと忘れて友人達と遊びに行ったのだった。




