第59話 決着の時、そして別れの時?
※ベイバトォォォォルッ!!それは熱きベイブレイダー達による戦い!
ベイバトォォォォルッ!!それは人生の縮図!そして男のロマンである!!
源三「ゆけぇぇぇ!ワシのドラゴーンナイトォォォ!!」
※なんと、鳥飼は米国のフェイスブック社への就職が決まり、日本を去ることが決まっていたのだった。源三とのバトルに決着を付けたい鳥飼は源三に対して敢えて厳しい態度を取り続けて、そして、その真相を知った源三は鳥飼との勝負を引き受けたのだった。
☆
早朝のバトルコロシアム、先にコロシアムで待ち構えていた鳥飼の元に、源三が姿を見せる、そして、その戦いを見届けるために薮井とユーリも同行していたのだった
鳥飼「逃げずによく来たな源三」
源三「お主との最後のバトルじゃからな、もはや受けんわけにはいかなくなってしまったわい」
源三のその言葉を聞いて鳥飼は源三が自分の事情を全て知ったことを悟ったのだった。
鳥飼「ったく、翔の野郎、全部言いふらしやがったのかよ……」
源三「鳥飼よ!アメリカに行く前にワシを倒してみるが良い!」
鳥飼「おう!最初から俺はそのつもりだ!テメェに勝てねぇようじゃデッカイアメリカじゃ通用しねぇからな!」
そしてついに、源三と鳥飼は最後のバトルを始めるのであった!
源三&鳥飼「「ゴォ―――――――――、シュート!!」」
二人のベイが合図とともに放たれる。
源三「ゆけぇぇぇ!ワシのドラゴーンナイトォォォ!!」
鳥飼「行くぞぉぉ!俺のライトニングフェニックスゥゥゥ!!」
お互いの全てをぶつけ合うかのように源三と鳥飼のベイが激しい衝突を始める。
薮井「遂に始まってしまったな、これが源三と鳥飼の最後の戦いになるのか……」
ユーリ「思えば、源三君と鳥飼君は出会いもベイバトルが切っ掛けだったソーですネ」
薮井「ベイバトルで始まって、その最後をベイバトルで飾るか、連中らしいのだろうな……」
薮井とユーリが見ている前で二人の対決は激しく続く。
鳥飼「見やがれ源三!俺がお前に勝つために編み出した新しい技だぜ!」
源三「な、なんじゃ?奴のライトニングがグルグルと円を描くように動き出してるのじゃ!」
鳥飼「くらえ!ジェットホーミングアタック!」
源三「は、速い、じゃがそう簡単に当たらんのじゃ!」
高速で唐突の突進攻撃を仕掛ける鳥飼のライトニングフェニックスであったが、源三のドラゴーンナイトは間一髪でそれを避けたかに思えた。
がしゃんっ!
源三「な、なに!奴の攻撃の軌道が変化したじゃと!?」
鳥飼「言っただろ、ホーミングアタックだってな」
源三のドラゴーンナイトの動きに合わせて、鳥飼のライトニングフェニックスもそれを追尾するように軌道を変化して攻撃を命中させたのであった。
薮井「と、鳥飼め!いつの間にあんな技を編み出しておったのだ!?」
ユーリ「あの技の追尾能力は凄いです!素早い回避に対しても的確に軌道を変化させることで攻撃をハズシマセン!」
薮井「源三との戦いの為に相当特訓したって事だな……」
源三は新技を編み出した鳥飼とライトニングフェニックスによって予想以上の苦戦を強いられるのだった。
源三「では、今度はこっちから仕掛けるのじゃ!食らえ―――!」
ショートジャンプからの上空から激突するかのような攻撃を仕掛ける源三のドラゴーンナイト、まともに当たったらかなりの大ダメージになる事は間違いなかった。
鳥飼「こっちは攻撃技だけじゃねぇ!ドリルホーム!」
源三「あ、穴を掘ったじゃと!?」
なんと、鳥飼のベイは地面に穴を掘って、源三のベイの攻撃を避けたのであった!
薮井「し、信じられん……ベイが穴を掘るとは……」
ユーリ「一体、どこから出てくるんでしょうか!?彼のベイはいったいどこから……」
鳥飼「ここだ―――!!」
源三「なに!?」
源三のドラゴーンナイトの真下から飛び出るように出現した鳥飼のライトニングフェニックス。源三のドラゴーンナイトはフィールドの外に向かって放り飛ばされていた。
薮井「げ、源三の負けなのか……?」
ユーリ「ええ、あの態勢からではどうやっても、フィールドに復帰することは……」
源三「ゆけぇ―――――――!ワシのドラゴーンナイトォォォ!!」
が、源三は諦めなかった、源三のドラゴーンナイトは急激に空中で回転力を取り戻すと、一気にフィールドに向かって急降下していた。
鳥飼「バカな!あの状態から復活しやがったのか!?」
源三「真の勝負はこれからじゃぞ鳥飼!今度こそ決着じゃ―――!」
鳥飼「望むところだぜ源三!!うおぉ―――――――!!」
源三と鳥飼のベイが激突しあっていた。互いの全力で、互いの信念をぶつけ合って、そして互いの絆を確認しあうかのように、すべての力をぶつけ合ったのであった!
源三「うおぉ―――――!負けんわぁ――――――!!」
その時だった、源三のドラゴーンナイトが僅かに押し勝った、しかし、その僅かによって勝敗は決するのである。
鳥飼「…………」
鳥飼のライトニングフェニックスは逆さ向きになって転倒して完全にその回転を止めたのであった。
ユーリ「どうやら、源三君の勝ち見たいですね」
薮井「うむ、最後まで源三は全力で鳥飼の全てを受け止めたのだったな」
無言のまま鳥飼は自分のベイを手に取るのだった。そして、直後に停止したドラゴーンナイトを源三が手に取ると、そのまま今度は鳥飼の手をつかんだ。
源三「鳥飼よ、随分と楽しませてもらったわい!今回は流石に危なかったぞ!」
鳥飼「けっ!ったく、テメェは本当に容赦ねぇぜ!最後の最後に勝ちたかったな……」
源三と鳥飼はお互いに笑いあっていた。
源三「当然じゃ!ベイバトラーとして負けてられんのじゃ!」
鳥飼「おうっ!この俺に最後の最後に勝ちやがったんだ!この先も誰にも負けるんじゃねけぞ源三!」
薮井「鳥飼よ、もうそろそろなのではないか?」
鳥飼「ああ、そろそろ空港に向かわなくちゃならねぇ」
アメリカ行きの飛行機の時間が迫り、もはや鳥飼にはここでゆっくりと話す時間すらなかったのである。
ユーリ「鳥飼君、改めてフェイスブックへの就職おめでとうございま~す!」
鳥飼「ああ、色々とやってみて正解だったぜ……当分テメェらとは会えなくなるが、まぁ、俺がいなくてもお前らなら……」
???「鳥飼さん大変デース!」
と、そこに妙に鉛のある日本語を話す声が聞こえてきたのだった。
鳥飼「お前は、フェイスブックの李じゃねぇか!どうしたってんだ一体!?」
李「そ、それが鳥飼さん!貴方の履歴書に年齢を35歳で最終学歴が東大卒と書いておいたのですが……嘘がすべてバレてしまいましシータ!貴方の本来の年齢も学歴も露店してシマッタでーす!」
鳥飼「な、なんだと!?」
それが、鳥飼がフェイスブックに就職するために偽って提出した履歴書の偽装が発覚したことを伝える内容だった。
源三「な、なんじゃ?つ、つまりどういうことじゃ?」
李「サッカーバーグ社長はと、トテも怒ってマース……わが社に一歩でも入ったら即刻焼き殺すと言ってまーす……つまり貴方は不採用デース!」
鳥飼「……つ、つまり俺は……これからも今まで通り日本にいられるのか!?」
源三は希望を見つけたかのような明るい笑顔になると李にそう聞き返す。
李「その通りです!鳥飼さんおめでとうなノデス!」
源三「ま、マジか!?お主これからも日本にいられるのか!?」
鳥飼「あ、ああ……もうだめかと思ったのに、俺自身も信じられねぇ……!」
ユーリ「きっと神様は見てくれてたんでスネ~、本当は日本を離れたくない鳥飼君を」
薮井「だから、履歴書の偽造がバレタという事か、何はともあれ一安心だな」
鳥飼「おっしゃ―――!これからも日本でベイバトルだ!俺は今度は勝つぞ源三!」
源三「面白くなってきたわ!ワシもさらに強くなるぞ――――!」
こうして、鳥飼は無事、日本に残ることが決まったのであった!




