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第6話 病院に潜入せよ、赤ちゃん誘拐作戦開始!

前回のあらすじ


それは10年前の出来事であった。とある市民病院で生まれて間もなく言葉を発し新聞を読むと言う、人類史上最高法の天才赤ちゃん誕生の噂に世間は賑わっていた。真偽を確かめるべく報道陣が殺到するが病院は厳戒態勢が敷かれており、その天才赤ちゃんの姿は一向にテレビに映されることは無かった。

そんな中、すでに無職歴数年であった源三は、当時小学1年生の来牙を無理やり連れて、天才赤ちゃんを誘拐し、教育し、自分の為にその頭脳を活かして巨万の富を与える存在にしようと目論んでいたのだった。





源三「正面には報道陣を抑える目的もあって厳重に警備されておるの~」

中に入るには持ち物検査をする必要がある事が判明した、その中にカメラなどの撮影危機がある場合はその場で受付に預けられる事になっている。無論携帯電話やゲーム機などもカメラ機能があれば例外は無かった。

源三「最も、誘拐が目的のワシにカメラ機器などは必要ないわ。正面から診療目的を装って素直に持ち物検査を受ければ何とか入れそうじゃわい」

来牙「けどさ、天才赤ちゃんが何処の病室にいるのかは分からないだろ?」

源三「それについては考えがあるわ!貴様は黙ってワシの誘拐計画の片棒を担げば良いんじゃ――――――!!」

小学一年生の孫息子に対してなんてことを言うんだこの爺は……と来牙は心底自らの祖父を軽蔑したのだった。

来牙「って、正面がなんか騒がしくなってきたぞ」

源三「一体何事じゃ?」

正面を見てみると、黒服の大柄な男達が汚らしい風貌の男数人を押さえつけて病院の外に連れ出している姿だった。

記者「え~、スタジオの小倉さん!」

そんな様子を取材目的に来ていたテレビ局の記者が中継していた。

記者「たった今、誘拐目的で病院に入り込んだ男達が、病院に配属されたガードマンによって確保されて、警察を呼ばれている模様です!」

源三「…………」

来牙「数人がかりでも無理だったらしいな」

源三はあちこち傷だらけの誘拐犯の姿を見て足がガタガタと震えはじめていた。

源三「ま、ま、ま、全く……素人が簡単にで、で、出来るわけがな、ないじゃ、じゃ、じゃろうに……計画て、てきてきてきにやらんとの~」

来牙が自分の祖父が今日を境に家に帰ってこない可能性を考え始めていた。別にそれはそれで家族のだれも悲しみはしないのだが。

記者「誘拐犯たちは事前に病院関係者にスパイを潜り込ませて潜入し、武器数点を持った状態で誘拐を企てていた模様でしたが、配備されたガードマンたちの前にはなすすべなかった模様です!やはり、人類史上最高法の天才児の誕生とだけあり、徹底的に強固な警備が敷かれている模様です」

源三「ら、ら、来牙よ、わ、ワシは一体どうすればいいんじゃ!?」

来牙「小学一年生に聞くな」

このような祖父を持ってしまった来牙は幼くして年不相応な冷静な突っ込みをするようになっていたのだった。

源三「病院に入ったら使う予定のこの医者のコスプレ衣装もやはり手荷物検査で没収されてしまいそうじゃ……」

来牙「診療に必要ない物は徹底的に取り上げられそうだな~」

源三「来牙よ……」

来牙「ん?」

源三「うろらぁ―――――――!!:::::::」

いきなり来牙を持ち上げる源三だった。

来牙「台詞にコロンを入れるなよ」

そんな状況下でも冷静にツッコミ来牙だった。

源三「孫が!孫が大変じゃ――――――――!!」

早くも自棄になった源三は来牙を抱えて受付に押し入るのだった。

受付「落ち着いてください!とにかく手荷物検査を始めます!」

源三「そんなのは後じゃ!ワシの孫が無茶苦茶淡泊ドライになってしまったんじゃ!精神科に急ピッチで見て貰うんじゃ!」

来牙「誰のせいだよ」

受付「と、とにかく診療の手続きをしますから落ち着いてください!」

源三「おお、診療室はあそこか!あそこじゃなー―――!」

受付「ちょっとお爺さん!お爺さ―――――――ん!!」

源三「ワシはまだ爺さんではないわぁー――――――!!」

源三は受付の制止を振り切り、ついでに自分が老人でない事を叫んで、来牙を精神疾患だと言い切って一方的に入り込むのだった。





源三「どーじゃ!なんなくスマートに入り込んでやったぞ」

来牙「どこが難なくスマートなんだよ、思いっきり目立ってたぞ」

源三「下らない事はよい!ここでワシは変装するのじゃ」

来牙「変装?」

源三「医者の格好をするに決まっておるじゃろうが!」

こうして、源三は病院内を自由に動けるように医者の格好をすることを目論むのだった。

来牙「どうやって?」

源三「そんなの簡単じゃ!更衣室に行って医者の白衣を盗めばいいんじゃ!」

来牙「平然と誘拐を企んだ挙句に盗みまでやってのけるか……」

もはや源三にとって盗みも誘拐も軽いノリでやる悪戯レベルと化していた。

源三「と言うわけで来牙、お主はそこで大人しくいしておれ!ちゃっちゃと白衣をゲットしてくるのじゃ―――――!」

源三は猛ダッシュで病院内の見取り図を見ながら更衣室を目指すのだった。

源三「ここが更衣室じゃな……」

源三は更衣室に辿り着いていた。しかしまだ男子更衣室には数名の男性がいるので、迂闊に入れない。

源三「早く出て行かんか!」

中々入るスキが出来ずに源三は苛立ち始めていた。

源三「…………」

中々男子更衣室に入る隙が出来ずに苛立っていた源三はふと、女子更衣室に目を向けていた。

源三「どうせ、しばらくは男子更衣室には入れんしの~……」

源三の中で、どうせしばらく男子更衣室に入れないのなら暇潰し&欲求を満たす為に女子更衣室を覗こうと言う邪な考えを源三は抱き始めていた。

源三「抜け足……差し足……」

源三は若い看護師や美人の女医が着替えていることを期待して、目を大きく見開きながら女子更衣室に近づいていた。

源三「ワシの眼よ!更衣室で着替える看護師と女医の素肌を捉えるのじゃ!」

源三は性的欲求を満たすと言う目的を満たす為には五感を以上発達させることが出来るのである!それゆえに源三の目にははっきりと映ったのだった、遠目からでも女子更衣室で着替えている乙女たちの姿が。

おばさん「ねぇ~、青山さんたらまたお腹出てきたんじゃないのぉ~?」

おばさん「そう言う高山さんも二の腕太くなっちゃったわね~、気のせいか胸も垂れてきたんじゃないの?」

源三「…………」

源三は自分が精神疾患を発症してしまいそうな気分になっていた。眼の目を見開いて源三が目の当たりにした光景は自分と大差ない年齢のおばさん看護師たちが見にくい裸体を比喩しあう姿であった。

源三「ワシは何をしておるのじゃ……ワシの目的は男子更衣室で白衣を手に入れる事じゃろうが……」

源三は一時的にでも任務を忘れて性欲を優先した自分を嗜めて、改めて本来の目的である男子更衣室で白衣を盗む事を決めるのだった。

源三「ん?男子更衣室に残っておるのは後一人じゃな」

この一人が更衣室から出れば隙が出来るのだが、それと同時に源三はもう一つの可能性を恐れていた。この一人が出て行く前に他の誰かが入り、そんな感じで常に誰かが更衣室に入っている状態だったら自分は何時まで経っても白衣を盗めないと。

源三「一人くらいならどうにでもなるのじゃ」

源三は気持ち悪い満面の笑みを浮かべると、更衣室の扉を開ける。

源三「五十肩キックじゃ―――――――!!」

男性「ごふ!」

いきなり着替えていた男性の顔面に蹴りを入れていた。

男性「な、なに……」

源三「やかましい!さっさと気絶しろなのじゃ!」

未だに意識を失わない男に対して源三は更に頭突きをお見舞いする。

男性「ぐはぁ!」

源三「どうじゃ―――――!!」

源三の頭突きを食らった男性は後頭部を床にぶつけて倒れていた。

男性「まだまだぁ~~~~~~~!」

が、またしても立ち上がっていた。

源三「貴様いい加減にしつこいんじゃ!こっちは急いでるんじゃ―――――――!!」

男性「ふふふ、中々良い攻撃だったが俺はその程度では気を失わんぞ」

源三「なに!?」

いきなり男は不敵な笑みを浮かべながら上の服を脱いで上半身裸になっていた。とはいえ、その裸体は特に引き締まっているわけでもない中肉中背の体つきであった。

男性「何故なら俺は痛めつけられ慣れているからだ!常日頃から上司のいびりを受け続けているがゆえに多少の攻撃では倒れん!俺はまたの名をSサンドBバックDドクターと呼ばれている!」

源三「自慢できる二つ名じゃないじゃろうが!!カッコつけてアルファベット三文字に略すんじゃないわーい!」

SBD「ふふふ、既に名前の表記もSBDになったようだな、お前が何を目論んでいるかは知らんが、お前の攻撃では決して俺は倒せないと言うわけだ、残念だったなははは!!……ん?」

いつの間にか源三は丸出しにした尻をSBDの顔面に近づけていた。


ブッブブゥ―――――――!!ブゥ―――!ブゥ―――――!ブブブブブブ――――――!!


SBD「ふぁええいおるえあjkふぁぺふぁうえあjふぁpjふぇぱf!!」


源三の丸出しの尻から放たれたオナ○の悪臭は打たれ強さに自信のあるSBDですら言葉にならない声をあげる程の凄まじさであった。

源三「どうじゃ、さすがの貴様も意識を保てなかったみたいじゃな」

床で白目を剥いて全く動かなくなったSDBを見下ろして、源三は自身の勝利を確信したのだった。

源三「コイツは貰うのじゃ」

源三はSBDが脱ぎ捨てた白衣を手に入れて自らが着用したのだった。





源三「来牙よ~、待たせたの~」

白衣を手に入れて着て来た源三は、来牙を待たせたいた場所に戻って来たのだった。

看護師「坊や~、迷子なの?良かったらお姉さんについてきてくれないかな~?」

来牙「いや、俺は……」

源三「…………」

そこで源三が見たのは来牙が源三好みの若い女性看護師に優しく保護されている光景だった。

看護師「抱っこしてあげるからね、ちゃんと捕まってね~」

源三「そのガキは――――――――――!!ワシが担当する精神疾患のガキなんじゃ―――――!!」

看護師「きゃ――――!!」

源三は来牙が良い思いをするのを阻止するために必死の形相で医者を装って阻止したのだった。

源三「いや~、精神疾患のガキはすぐにいなくなるから困るの~」

看護師「け、けどその男の子、年の割に受け答えがしっかりしていて精神疾患とは思い難いんですが……」

源三「年不相応の落ち着きようはむしろ危険性の高さを示してるんじゃ!こいつは何としてもワシが診てやらなければならんのじゃ――――!!」

看護師「わ、分かりました!分かりましたから!」

源三の剣幕に押されて看護師は引き下がるのだった。

源三「さてと~、診療室まで大人しくするんじゃぞ~」

源三は来牙を引っ張ってその場からいったん退避するのだった。





源三「これで、怪しまれる事なく病院内を自由に動き回れるのじゃ、ついでにレイの天才赤ちゃんが何処にいるかも調べてワシが連れ去ってやるわいふぉふぉふぉふぉふぉ!!」

完全に悪人丸出しの表情で誘拐計画を着々と進める源三であった。果たして源三は目的通り天才赤ちゃんを誘拐する事が出来るのだろうか!?

来牙「10年前の出来事だからもうネタバレするけど、最終的に失敗するからな」

源三「失敗などして溜まるか―――!!」


続く

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