第56話 父を超えろ!源三の因縁の対決!
※ベイバトォォォォルッ!!それは熱きベイブレイダー達による戦い!
ベイバトォォォォルッ!!それは人生の縮図!そして男のロマンである!!
源三「ゆけぇぇぇ!ワシのドラゴーンナイトォォォ!!」
『父を超えろ!源三の因縁の敵の正体!』
実況「さぁ、ベイブレイドの花形大会『ギャラクシーカップ』の準決勝第二試合が行われております!この試合を制し決勝に進出するのは宮永源三選手か!?それともマスカレード山城選手か!熱き戦いが繰り広げられております!」
源三「おのれ~、準決勝ともなると中々手強いのじゃ!」
源三はベイブレイド大会の花形と称される『ギャラクシーカップ』て苦戦を強いられていた。
鳥飼「今までとは比べ物にならねぇくらいに苦戦してやがるぞ源三の奴!」
薮井「無理もないだろう、何せ対戦相手のマスカレード山城は悪の組織『ゴッド・オブ・ストリームズ』のナンバー2なのだからな……!!」
マスカレード山城、謎のマスクで顔を隠しその下の素顔は明らかになっていないが確かに強敵であった!
山城「はははッ!我がベイ『マスカレード・ドリーム』の回転方向を左右に不規則に変化させるトルネードアタックに付いてこれまい!」
源三「まだまだぁ!こんなところで負けてられるかぁ!ゆけぇ――――――!ワシのドラゴーンナイト!」
赤いボディに龍の紋章(手書き)が描かれた源三のベイブレイド、ドラゴーンナイトは鋭い攻撃力で攻め続けるが、回転方向を変化させるマスカレード・ドリームに変化トルネードによって苦戦を強いられていた!
山城「そろそろ決着をつけてくれる、右回転の貴様のドラゴーンナイトに対して今度は左回転だ!」
源三「なに!回転方向を変化させつつ突撃攻撃じゃと!」
ユーリ「ヤバいです!回転方向が逆の状態であんな攻撃をされたら、大ダメージなのデース!」
鳥飼「ヤベェ、逃げろ源三!」
源三「大丈夫じゃ!逃げなくとも大丈夫じゃ!」
山城「なんだと!?」
源三「飛べ―――――!ドラゴーンナイトォ――――――!!」
そう、ドラゴーンナイトは高くジャンプしたのだった!予想外の行動に山城は呆気にとられる。ジャンプしたドラゴーンナイトはそのまま山城のマスカレード・ドリームの真上に着地!
山城「な、なんだと!?」
ユーリ「こ、これは!回転方向が逆のままドラゴーンが上に乗ったら!」
源三「リバースドリルじゃ――――――!!」
回転方向が逆のベイブレイドが真上に乗れば真下のベイブレイドは当然その摩擦で大ダメージを受ける。マスカレード・ドリームは盛大に吹き飛ばされて、山城にぶつかっていた。
山城「うわぁ――――――!!」
源三「うおっしゃ―――――――!!」
ユーリ・鳥飼・薮井「「「いいぞ源三―――――――!!」」」
実況「決まりました!源三選手のドラゴーンナイトがマスカレード山城選手のマスカレード・ドリームを撃破!宮永源三選手が決勝戦に進出です!」
ユーリ「源三君凄いです!あの窮地からとっさの機転で一気に大逆転を決めて、勝利をもぎ取るなんて流石です!」
鳥飼「ああ、これで源三は決勝戦に進出だな!」
薮井「だが、決勝の対戦相手はアイツだぞ、これからが本番と言えるだろう……」
鳥飼と薮井が緊張するのも無理はない、何故なら決勝戦の相手は悪の組織『ゴッド・オブ・ストリームズ』の総帥、すなわちナンバー1である『ゴッドオーガス』なのである!
GO「ふふふ、ついに決勝にコマを進めたな宮永源三!」
彼もまた、金の仮面を顔に装着しており、その素顔は伺えなかった。
実況「さぁ、この『ギャラクシーカップ』で既に10連続優勝記録を持つ、ゴッドオーガス選手!はたしてこの優勝記録は今回も更新されるのでしょうか!?それとも宮永源三選手が打ち破るのでしょうか!?」
源三「ついにここまで来てやったのじゃ!GO!ここでワシは貴様を倒す!そのために何年もかけて腕を磨いてきたんじゃ!」
GO「ぐははははっ!良い度胸だ源三!貴様が数年かけて積み上げたその自信とやらをこのワシがあっけなく一瞬にして打ち砕いて二度とワシの前に立てなくしてくれるわぁ―――――――――――!!」
こうして、源三とGOの因縁の対決が始まったのだった!
実況「それでは、両選手定位置についてください!」
源三&GO「「ゴォ―――――――――シュゥゥゥゥゥゥット!!」」
源三とゴッドオーガスは互いに同時に自分のベイをシュートする!それは二人の長年にわたる因縁の対決の火ぶたが切って落とされたことである!
GO「我が愛機『ゴッドオブ・エンペラー』に勝てるか源三!!」
ゴッドオーガスの愛機である漆黒のベイブレイドのゴットオブ・エンペラーが源三のドラゴーンナイトに迫りくる!
ユーリ「これまで数多の戦いで多くのベイを葬り去ってきたゴッドオーガスのゴッドオブ・エンペラーはまさに最強でーす!一瞬でも気を抜いたら源三君のドラゴーンナイトも今までゴッドオブ・エンペラーに挑んできたベイ達と同じ末路になってしまうのでーす!」
鳥飼「ああ、何度見てもあの光景は堪えるぜ……!」
鳥飼は何度かネットの動画で見てきたゴッドオーガスのゴッドオブ・エンペラーが対戦相手のベイを完膚なきまでに破壊し尽す光景を思い出して身震いを感じていた。
薮井「うむ、その相手のベイを破壊し尽す恐ろしい姿と、神の名を持つ事から、あのベイには破壊神の異名があるのだ……」
源三「神じゃろうが、破壊神じゃろうが関係はない!ワシは今日こそ勝つのじゃ――――!!」
GO「ゆくぞ源三!我がゴッドオブ・エンペラーの技に耐えられるか!必殺ジャッジメント・カタストロフィィィィィィィ!!」
実況「デタ―――――――!!ゴッドオブ・エンペラーの必殺技のジャッジメント・カタストロフィ!源三選手のドラゴーンナイトは万事休すか!?」
ゴッドオーガスのベイは暗黒の竜巻を発生させてフィールドを覆い尽そうとしていた!
ユーリ「不味いです!あの技を発動させたゴッドオブ・エンペラーに接近することは不可能です!」
鳥飼「だが、奴が発生させる暗黒の竜巻はどんどんデカくなってくぞ!このままだと源三のドラゴーンナイトも竜巻に巻き込まれて吹き飛ばされちまう!」
源三「捕まるなドラゴーンナイトよ!とにかく今は逃げ続けるんじゃ!」
GO「ぐはははははっ!防戦一方か!所詮貴様も今までの挑戦者たちと同様に敗れ去る運命なのだぁ――――!!」
実況「これは力の差は歴然だぁ―――!もはやこの戦いが決するのも時間の問題でしょう!」
鳥飼「うるせ―――――!!まだ負けるって決まったわけじゃねぇだろうがコラァ!」
実況「ぎゃ――――!な、何をするぅ―――――!!」
鳥飼は実況者に対して掴みかかり怒鳴り声を上げ始めていた。
薮井「待つのだ鳥飼!」
そこに薮井が割り込む。
薮井「最初に殴るのはこの私だ―――――――!!」
実況「ぐえ―――――――!!」
鳥飼「なら俺はキャメルクラッチをしてやるぜ!」
ユーリ「だったら私は踵落としでーす!」
実況「ぐあ―――――――!!」
源三「必ずチャンスがある……」
源三は自分のドラゴーンナイトとゴッドオーガスのゴッドオブ・エンペラーの回転方向が同じ右回転をしている状態である事を何とか利用出来ないかと考えていた。暗黒の竜巻を発生させているゴッドオブ・エンペラーが右回転という事は暗黒の竜巻も当然右回転の竜巻である。
源三「成功率は五分五分と言ったところか……しかし、何もしなければどのみち負ける……」
GO「ふはははっ!貴様のマシンもろともチリとなれ宮永源三よぉ――――――――!!」
巨大化した暗黒の竜巻がいよいよ源三のドラゴーンナイトを捕らえようとする!
ユーリ「源三君あぶないでーす!」
源三「そこじゃ―――――――!!」
実況「な、なんとドラゴーンナイト!自ら暗黒の竜巻に飛び込みました――――!!」
当然、源三のドラゴーンナイトは暗黒の竜巻に飲み込まれてしまう。
鳥飼「な、何考えてやがるんだ源三!そんな自滅同然なことを……」
薮井「いや、待て!あ、あれはまさか……!」
GO「こ、これは!?」
誰もがその異変に驚いていた、自ら暗黒の竜巻に入った源三のドラゴーンナイトは竜巻に吸い込まれて吹き飛ばされるかと思いきや、なんと自らの回転力を駆使して暗黒の竜巻に上手く乗っていたのだった!
源三「そうじゃ!同じ回転方向であることを利用してワシのドラゴーンナイトは暗黒の竜巻の回転に乗っているのじゃ!しかもそれだけではない、ゆけ――――!ワシのドラゴーンナイトよぉ―――――!!」
GO「バカな!奴の!ドラゴーンナイトの回転力によって暗黒の竜巻が更に肥大化していくだとぉ!私のゴッドオブ・エンペラーの制御を振り切っているではないか!」
源三「うおぉ――――――!!貴様の暗黒の竜巻はワシが支配したのじゃ―――――――!!」
実況「す、凄い勢いです!もはやゴッドオブ・エンペラーですら制御できないほどの勢いになっています!」
鳥飼「ぬおっ!竜巻の勢いがこっちにまで来やがる!」
薮井「と、飛ばされないように踏ん張るのだ――――!」
ユーリ「源三君流石です!まさか、こんな作戦を思いつくなんて……」
余りにも凄まじい勢いと化した暗黒の竜巻は近くで見守っている鳥飼たちにも影響を及ぼしていた。
GO「お、おのれ……まさかこれほどの事を……ぬおっ!」
その時だった!ゴッドオーガスの仮面が暗黒の竜巻によって吹き飛ばされていた!
源三「な、なに……き、貴様はぁ――――――――!!」
そして、その仮面の下の素顔に最も驚いたのは他の誰でもない源三自身であった!
GO「……どうやら、見られてしまったようだな我が息子よ」
源三「か、勘十郎!?」
鳥飼「げ、源三のオヤジだと!?」
薮井「悪の組織の『ゴッド・オブ・ストリームズ』の総帥の正体が源三の父親だったというのか――――!?」
源三「な、なぜじゃ!なぜ貴様が『ゴッド・オブ・ストリームズ』の総帥なのじゃ!ワシらを散々苦しめてきた悪の組織の総帥がなぜ貴様なのじゃ――――――!!」
実の父が悪の組織の総帥であるという事実に源三は声を荒げていた。
勘十郎「全ては、最強の為だ、あらゆる柵を捨て、最強になるために必要な事だけを得るために不要な柵を捨てたのだぁ―――――――――!!」
源三「…………」
勘十郎「故に吾輩は貴様を倒す!貴様を倒すのじゃ!」
最強のために親子の情すら捨てたかのような言動をする勘十郎に源三は言葉を失う。
ユーリ「大変デース!源三君は自分のお父さんがゴッドオーガスであるという事実を知ってしまい戦意を喪失しかけています!」
実況「おおっと!暗黒の竜巻を振り切ったドラゴーンナイトでしたがここにきて一気にパワーダウンだ―――!!」
勘十郎「どうやら、ここまでのようだな、やはり貴様は吾輩には勝てん、勝負はあったのだ!」
源三「確かに、昨日までのワシであったら貴様に負けていただろう……」
が、源三は自信を取り戻したかのような笑みと言動を見せる。
源三「今のワシは昨日までのワシではない!何故ならワシは今のこの瞬間も強くなっているからじゃ―――――!!」
実況「こ、これは!?ここにきてドラゴーンナイトの回転力が再びアップした――――!」
遂に決着の時か!?源三と勘十郎、因縁の親子対決の行方はいかに!?




