評判の中華料理屋の店主
※評判の中華料理屋
翔「んだよ、なんで今日に限って休みなんだよ!定休日は水曜日なんじゃねぇの?」
来牙と翔と絵梨は学校帰りに電車に乗って人気の中華料理屋を訪れていたが、どういうわけか定休日でもないのに店は休みとなっていた。
来牙「ま、自営業の店だからな、なんの知らせもなしに休みになるとかよくあるんじゃないか?」
翔「あ~、それもそうか~、にしても付いてねぇな~、なんで今日は休みになったのかせめてホームページで後で理由を書いてもらいたいもんだな」
絵梨「流石に個人的な私用だったら正直に書いたりはしないよ、それにこう言う自営業のお店って店主が頑固な人だったりして、スープの味がいつも通りじゃなかったり、麺の固さがいつも通りじゃなかったりするとその日は営業しないとかありそうだし」
翔は未だに諦めきれない部分があるのだが、来牙と絵梨は適当に理由を予測して、仕方ないという考えて諦めつつあった。
翔「けど、こんだけ評判の店だから俺様達みたいに離れたところから来る客だってそれなりにいるだろ?楽しみにして来る客の事も少しは考えろってんだよな~」
???「ああ~、な、なんかすいませんね~」
そんな不機嫌気味な様子の翔に対して店の前にやってきた気弱そうな中年男性が何故か翔に頭を下げて謝りはじめていた。
翔「え、おっさん誰よ?」
???「ああ、私はですね~……」
絵梨「あ、この人、お店のホームページで顔写真乗せてた、このお店の店主さんだよ」
店主「は、はい、私が店主です……」
そう、たったいま店にやってきたこの中年男性こそが、この中華料理屋の店主なのであった!
翔「ああ……まぁ、事情があるなら仕方ねぇとは思うけどよ。やっぱりあれか?スープや麺の出来が悪かったとかか?」
店主「いやいや、昨日夜更かしし過ぎちゃってね、起きたらなんかもう昼過ぎでさ……」
来牙「夜更かし?明日の仕込みをするのに時間がかかり過ぎたとか?」
店主「いや~……」
店主はばつの悪そうな表情で頭を掻きながらこう言った。
店主「昨日は友人たちを呼んで明け方の5時くらいまで麻雀で盛り上がっちゃってね~……それで軽い仮眠を取るくらいのつもりで寝たんだけど、結局起きれなくってね~……」
絵梨「えっとぉ……それじゃあこれから夕飯時の時間になるからそれに備えてこれから営業の準備とか?」
店主「ああ~……それ出来れば良かったんだけど、昼過ぎになって起きてから、その日はなんか今さら準備する気にもなれなくって、仕方なく、古本屋で立ち読みしてて、そんでもって夜からデリヘル嬢呼んじゃったから、今日の営業はちょっとねぇ~……ははは」
翔「謝れよ、ホームページでもいいから謝罪しろ!」
絵梨「うん……それと個人的にアタシたちにも謝ってもらいたいよね……」
来牙「これで人気の店になれたってんだから世の中フェアじゃないよな」




