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第55話 ここがおかしいよ一般人!+デカ盛りに挑戦じゃ!

~宮永源三のここがおかしいよ一般人~


絵梨「今度は何の企画!?」

爺さん「ワシが一般人達に対してこれは変じゃと思ったことを辛口トークでズバッと指摘してやるのじゃ」

来牙「むしろアンタは変だってツッコまれる立場なんだけどな」

爺さん「今ここでワシは一般人達にココが変じゃと指摘してやろう!自分の名前を名乗る時に、素直に本名を名乗るのはおかしいじゃろうが!」

来牙「何をどう思って可笑しいとか言うのかは知らないが偽名を名乗らないといけない理由なんてあるのか?」

爺さん「名前を聞かれて単純に本名を答えていてはお笑いポイントが上がらんじゃろうが!」

絵梨「お笑いポイント?」

爺さん「要するに面白くないってことじゃ!例えば来牙よ、お主の場合はただ単に自分の事を宮永来牙と名乗るんではなくて、少し捻ってハッツジョー宮永と名乗ってみるのじゃ」

来牙「是非とも願い下げさせてもらいたいような二つ名だな」

爺さん「一般人共はどいつもこいつもユッチもバカ正直に本名を名乗り過ぎじゃろうが!そんなんでは死神のノートを持った男にあっさりと消されてしまうぞ!」

来牙「少なくとも俺達一般人は犯罪につながるような行動はしてないからその心配には及ばない」

絵梨「ええ……態々名前を聞かれるたびにそんな風に名乗らないといけないの?」

爺さん「その通りじゃぞ絵梨よ!国家に所属する錬金術師に二つ名が与えられるように我が同法たちにも二つ名が与えられる、それはその他の一般人共も改めて見直すべきことなのじゃ―――――――――――ッ!!」

絵梨「ええと、そろそろ終わりにしようか?」

来牙「話しになりそうにないからな」



※デカ盛りとは……通常量より極端に多い料理を一つの食器などに盛ること。激盛り、爆盛りとも言う[1]。また、その様子、その盛ったもの。いわゆる「大盛り」を大きく超える量を盛った料理を指す。デカ盛り以前は、この状態を「超大盛り」と呼称されることが多かったが、テレビ番組の影響によりデカ盛りと呼称される機会が増えてきている。「てんこ盛り」や「山盛り」もこの状態の一種に扱われることがある。 Wikipediaより



源三「ふぉふぉふぉ、この店で始まるようじゃな、デカ盛りメニューカーニバルが!」

源三はネットでとある飲食店のサイトを見て、自信に満ちた笑みを浮かべていた。その飲食店は明日から、期間限定であらゆるメニューで大盛りをはるかに上回るデカ盛りメニューが販売されることが決まったのだった。

源三「そして、このデカ盛りメニューは制限時間内に完食することによって飲食料を無力&金の延べ棒をプレゼントされると言うスペシャルキャンペーンイベントがある!」

そう、源三の目的はたらふく食って、それを無料にして更に金の延べ棒を手に入れるのが目的なのであった!しかし、当然このスペシャルキャンペーンイベントにはデメリットもある。これに失敗した場合はなんと通常の3倍の料金を支払わなくてはならないのである!

源三「だ、大丈夫じゃ……こ、この日のためにすでにわしは絶食をしているのじゃからな……」

そういう源三の顔はげっそりとやつれていた。源三は何としても金の延べ棒を手にれるために、数日前から既に何も食べておらず、準備を進めていたのだった。

源三「す、すでに腹の底からとてつもない食欲の渦が渦巻いておるが、まだまだじゃ!まだまだ準備をしてやるのじゃ!」

源三は空腹をごまかすために水だけを一日に何度も飲み続けていた。

源三「ふふふ、楽しみじゃの~、このデカ盛りスペシャルキャンペーンイベント当日が今から楽しみで楽しみで仕方ないわ!見ておれよ、絶食に次ぐ絶食で食欲を極限まで高めたワシの食いっぷりで、圧倒的勝利をしてみせるのじゃ―――――!!」



翌日



源三「ふぉ……ふぉ……いよいよこの日が来たようじゃな……」

げっそりとやつれた様子の源三はデカ盛りイベントが行われる店に向かっていた。デカ盛り実装初日とだけあってか大勢の客が来ており、源三が来た時点である程度並ぶ必要があるようであった。

源三「ま、まぁよいわ、こうして少しでも絶食時間を長くすることで本番での力を高めるのじゃ……」

列に並びながら源三はひたすら自分の番が来るのを楽しみに待っていた。

大男「ちっくしょ―――!あんなん制限時間内に食べられるか―――!」

そこに、例のデカ盛りを制限時間内に食べたら金の延べ棒が貰えるイベントに挑んだと思わしき大男が悔しそうにしながら店から出てきていた。

大男「あれはまさにモンスターだ……あれを攻略できる奴なんているのか?」

が、その様子からして二人とも失敗したことが容易に伺えるのであった。

源三「ふ、ふふふ、甘いわ甘いわ、準備が足りんわ……どうせ前日から当たり前のようにバクバク食ったんじゃろうが……」

ガクガクと震える手足で源三は大柄な二人の男たちをあきれた様子で見送る。

源三「じ、準備に次ぐ準備を重ねたワシが貴様らの分まで食ってやるわ……金の延べ棒をさ、最初に手に入れるのはワシじゃからな……」

それから源三が店の中に案内されたのは更に30分ほどが経過してからであった、時刻は既に午後の1時ほどとなっていたのだった。

源三「デカ盛り制限時間食べきりイベントに挑戦じゃ!」

店員「もうしわけございません!そちらのイベントは一日に挑戦できる人数がございまして本日は既に先ほどのお客様で人数オーバーになりますのでご容赦ください!」

が、意気揚々よ自信満々に挑戦を宣言した源三だったが既に一日の挑戦人数が定員に達してしまったようであった。

源三「え?え?ええ~……ま、まだ昼過ぎなのに?」

店員「はい、大変申し訳ございませんが予想以上に挑戦をご希望なさる方が多かったのですから……」

が、それも無理はなかった!今日は丁度日曜日であった。開店時間である10時と同時に大勢の客が押し寄せてきて、その中には源三と同じように金の延べ棒目的で制限時間内のデカ盛り挑戦を希望する客も多く、開店から3時間ほどが経過して店に来た源三は一足遅かったのであった!

店員「しかし、お客様。普通にお召し上がり頂く分には問題ございませんのでよろしかったらごゆっくりと……」

源三「いらんわ……」

店員「はい?」

源三「ワシはなんも手に入らんデカ盛りメニューなどいらんわ―――――――――!!」

店員「は、はぃぃ―――――――!?」

源三に理不尽に怒鳴り散らされる店員であった。結局、源三は何も頼まずに店を出て明日に挑戦を延期して諦めるのだった。





源三「ま、まだ明日がある……一日絶食日を伸ばして更に食欲を高めてから挑戦するだけじゃわい……!」

源三はふらつく足取りで独り言を言いながら決意を固めていた。


たったったったっ!←源三に接近する足音


源三「ああ~、にしても空腹が凄まじいのじゃ……し、しかしこの辛抱もあと一日で終わりじゃ……あ、明日にはこの辛抱がき、金のの、延べ棒にか、変わるんじゃからな……」

フラフラでやつれ気味の老人が独り言を呟きながら徘徊するその姿は周囲の人々から必然的に奇異の視線を集めていた。


たったったったっ!←源三に接近する足音


源三「こ、こうなったら……明日は絶対に間に合うように開店前からな、並ぶのじゃ……し、しかし明日は月曜日じゃからまだそこまでする必要もないかもしれんが……」


たったったったった!←源三に接近する足音


源三は気が付かなかった、その足音がもはや自分に衝突する寸前であるという事に……

源三「ぎえ――――!!」

源三は走ってきた人物に衝突してそのまま勢いよく転倒していた。

源三「貴様何しやがるんじゃコラァ――――――!!」

???「…………」

が、衝突したその男は一瞬振り返っただけで、後はそのまま走り続けるだけであった。

源三「無視するな貴様!このわしに体当たりを食らわせた罪は重いのじゃ!待たんかコラァ――――!!」

源三が喚き散らしても、結局その男は全く反応することはなかった。

源三「お、おのれ……絶対に許さんのじゃ……」

が、空腹で疲弊しきった源三は追いかける気力もない。ゆっくりと立ち上がって、フラフラとした足取りでまた家路に向かって歩き出していた。





楓「あら、お爺さんデカ盛りは食べてこなかったんですか?」

源三「わ、訳ありであ、明日に延期になったのじゃ……」

帰宅後、源三はもはや虫の息の状態で椅子に腰かけていた。

絵梨「お父さん、それよりもこの前に貸した500円返してよ!お父さんがエッチなDVD借りるためにアタシが貸してあげた500円!」

源三「あ、ああ、わ、分かったから……こ、この財布から小銭をとりだして……あれ?」

絵梨「お父さん、お財布は?」

源三はこの時初めて、自分がスリに遭った事に気が付いたのであった……

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