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第51話 これぞオーバーテクノロジー!

※前回のあらすじ


なんと!源三と鳥飼はラッキーの研究所を探索し、発見した部屋は人工的に石油を作り出している施設であった!金のチャンスと源三と鳥飼は目を輝かせるのであった!



源三「ま、ま、ま……マシで石油を作っているのか?」

鳥飼「あの妙に黒い液体が石油だってのかよ!」

源三と鳥飼が石油を作っているらしい機械に視線が釘付けになっていた、そんな金の匂いに鼻をヒクヒクとさせている老人二人に対してタブレット画面に映ったラッキーが説明を始める。

ラッキー「うん、間違いなく石油を作ってるんだよ~。本物の比べても違いは全くないし既に実用済みだしね、後の課題は如何にして短時間で大量に石油を作り出すかだけど、これの完成度が100%になったらもはやアラブの石油王も目じゃないくらいに石油を生産出来ちゃうと思うよ~」

源三&鳥飼「「アラブの石油王を超えるだとぉ――――――――――!!」」

源三と鳥飼はその言葉を聞いて、頭の中で二人揃って金にものを言わせて豪勢な生活を送る自分たちの姿を早速妄想し始めていた。

源三「せ、石油王を超える大金を得る……わ、ワシたちが!?」

鳥飼「こ、これが完成したら、せ、石油を作り放題!!」

そして自分たちの発明でもないにもかかわらず、自分たちが大儲けすることを考えていた。

ラッキー「と言うわけで、この部屋にあるのはだいたいこれだけだね~、ささ、ほかの部屋も見てみてね~」

源三「…………」

鳥飼「…………」

二人は黙って部屋を後にするがもはやほかの部屋になど興味は無かった。

源三「くくく、他の部屋に何があるのかは知らんが、もはやターゲットはこの石油天国の部屋だけじゃわい!」

鳥飼「見つけたぜ、億万長者の扉が!俺たちがこの扉をもう一度開けて金脈として利用しまくるんだぜ!」





ラッキー「ここは宇宙ポッドを開発してる部屋なんだよ~」

源三「あの球体の乗り物が宇宙で飛ぶというのか?」

次に源三達が訪れた部屋では宇宙で運用される乗り物が開発されているようであった。

鳥飼「まぁ、民間人がそんな物を作れること自体がヤバい事だって突っ込みは今は止めておくがな……」

源三「うむ、気になるのぉ……」

源三と鳥飼にはそれ以上に気になる存在がいるのである。

幼女「お爺さん、そこにある部品を使うから退いてね~」

幼女「さっきのデータ入力しま~す、各人に配信するから確認してね~」

10歳前後の幼女達が高度な機械を扱って研究に勤しんでいる姿だった。

ラッキー「可愛いでしょ~、皆、ラッキーの優秀な助手たちなんだよl~」

鳥飼「待てまてぇ!天才幼女はテメェだけで十分だろうが!なんなんだこいつ等は!?」

源三「ま、まさか貴様は幼女を天才に育てる事まで出来るというのか……?」

ラッキー「て言うか~、この子たちは元から遺伝的に優秀っていうか~、取りあえずこの子たちの説明はまた今度にしてさ、宇宙に行けるんだよ!ここの発明品は宇宙に行くための乗り物なんだよ!しかも宇宙飛行士じゃなくっても宇宙に行けるんだよ!NA○Aのロケットとかよりも遥かに操縦が簡単なうえに、燃料交換とかするまでもなく月にまで行けるしね~」

米国の航空宇宙局すら驚愕するラッキーの宇宙開発技術であった。しかし、それを見たところで源三と鳥飼の興味は大して沸かなかった。

源三「今更、宇宙とかどうでも良いわ!ワシの目的はもはやあの石油を生成する研究所だけじゃからな!」

鳥飼「けっ!さっさとまたあの部屋に入って石油だけでも盗んでやりたいぜ!ここから帰ったらあの機械を手に入れる作戦も考えるとするか……」

ラッキー「はい、皆!この計画が実行に映し出されたら、宇宙事業が現実のものになります!」

その言葉を聞いて源三と鳥飼の目がまたしても¥のマークになっていた。

ラッキー「NA○Aを差し置いて、民間人の宇宙旅行を実現しちゃいます!月面をすっ飛ばして火星に人類を到達させます!異星人とのコンタクトも実現させちゃいます!」

源三「そ、そ、それがじ、実現したら!!い、一体どれほどの巨額になるんじゃ!?」

鳥飼「面白れぇじゃねぇか!一口俺たちも乗ろうじゃねぇか!」

そして、そのまま源三と鳥飼はラッキーに詰め寄っていた。と言っても、タブレット越しなので、画面に顔を密着させるという状態であったが。

ラッキー「う~ん、そうだね~、それなりに資金を費やすプロジェクトだけど、成功したらそれとは比較にならない規模の収益があるはずだから、ざっと……」

その後、ラッキーの話を聞いた源三と鳥飼は色々な意味で頭が沸騰するかのようにオーバーヒートしてしまったのだった。





源三「さ、流石は……人類史上稀にみる天才中の大天才じゃな……」

鳥飼「まだ10歳だってのに、ここまで色々と持ってるってのが規格外にもほどがあるぜ……」

部屋を後にした源三と鳥飼は未だに頭から湯気が出ている状態だった。

源三「つ、次はあの部屋に入るのじゃ。きっと今までのような天才丸出しの研究がされておるに違いないわ……」

鳥飼「もう、何が起きても全ては奴が天才だからで受け入れられそうだな」

扉の先の光景に源三と鳥飼は想像しつつも不安と期待を寄せて、中に入るのである。

源三「なんじゃココは?」

そこには大量のコンピューターが何かしらの文書作成を自動で行っている光景だった。

鳥飼「あのコンピューターは自動で何かを書いてるみてぇだな」

ラッキー「小説だよ~」

再びタブレットにラッキーが映し出される。

源三「小説じゃと?」

ラッキー「そそ、最近時々ニュースとかで聞くでしょ?人工知能、つまりAIが小説を執筆したとかってさ、この研究施設でもやらせてるんだよね、ラッキーが作った人工知能に小説を作ってもらってるの」

鳥飼「なるほどな、ここの大量のコンピューターにはすべてAIが搭載されていて、それぞれが小説を書いてるってわけか」

源三「ワシは小説など読まんが、本当に面白いのかその人工知能とやらが作る小説は?」

ラッキー「ん~、そうだね~」

ラッキーは人差し指で唇をつつきながら少し考えてから話を続ける。

ラッキー「去年、芥川賞を取った位かな~」

と、とんでもない功績をあっけらかんとした様子で説明したのだった。

鳥飼「はっ!あ、芥川賞を取っただぁ!?」

ラッキー「うん、去年いたじゃん、謎の新人覆面作家が芥川賞を受賞したってさ、あれってウチのAIなんだよね~」

源三「そもそも芥川賞とはなんじゃ!ワシらをからかう為に適当なことを言っておるんではないな!?」

ラッキーの話をうのみに出来ない源三は偉ぶってラッキーを叱りつけるのだったが。

鳥飼「オメェは静かにしてろ!芥川賞をAIが受賞しちまったってマジかのか!?」

良くわかっていないだけの源三を黙らせて鳥飼は話を聞こうとする。

ラッキー「うん、あっちのコンピューターがね、原稿をデータ化した状態で持ってるんだよ~」

すると、一台のパソコンがスクリーン上に芥川賞を撮った作品の原稿を映し出していた。

ラッキー「これ、知ってる?」

鳥飼「ま、マジで芥川賞を受賞した例の作品みてぇだな……」

源三「そ、そうなんか?とにかく良くわからんがこのコンピューターは名作家なんじゃな……」

ラッキー「くすす~、一般の人たちが知ったらお爺さん達みたいな反応になるんだね、将来的には殆どの小説はAIが執筆する世の中になるのかもしれないってのにね~」

あまりにも驚愕なラッキーの研究施設の数々!しかし源三達が本当に驚愕するのはこれからさらに先なのであった!

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