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第48話 ラッキーの研究所!+短編

後日談(笑)


絵梨「あのね来牙君、毎年バレンタインの時期になるとさ、惨めな非モテの人たちがさ、バレンタイン粉砕デモをやるって知ってる?」

来牙「それなら聞いたことはあるが、惨めとかあんまり言うなよ」

絵梨「アイツらね、今年は何を思ったのか浮かれて調子に乗ってね、三人の60歳代のお爺さん達を筆頭に大暴れしてね、被害総額100万円近い金額を出して損害賠償を請求されたらしいよ」

来牙「それは冗談じゃすまない器物損害事件だな……」

絵梨「ほんと、モテないからって無茶苦茶暴れて良い迷惑だよね~、今頃警察に絞られてるんじゃない?」

来牙「そう言えば、爺さんはなかなか帰ってこないな」

絵梨「きっと、バレンタインにチョコ貰えなくって拗ねちゃってるんだよ。まだデモに参加して人に迷惑かけないだけマシだから義理チョコくらいは作ってあげようかと思ってるの」

来牙「それだけでも爺さんに取っちゃ、飛び跳ねて喜ぶくらいの一大事になるだろうな……」



~ちょいとニュース~


宮永みやなが源三げんぞうがハリウッドに進出!?


巷で悪名が絶えない迷惑老人の宮永源三氏が先日自身のハリウッド進出を発表した。

当人曰く来年公開予定らしい『バック・トゥルー・ザ・フィーチィング4』の主演を務めるとのこと。

源三氏はこの事を先日の真夜中車を乗り回しながらメガホンで大々的にご近所に発表し回っていたとのこと。

ちなみに発表時刻は深夜の12時~2時頃で近隣住民たちはその日安眠することが出来ずにいたとのこと。

しかしながらこの発表に対しては多くの疑問が持ち上がっている。

そもそもバック・トゥルーシリーズは全三部作で20年以上前に完結しており、リメイク作品なら未だしも、何故今更完結した作品の続編である4なのだと言う疑問が各所から持ち上がっている。

バック・トゥルーシリーズは一時期、四作目が製作されると言う噂が流れていた時期もあった作品であったので長い年月を経て4作目の製作が開始されたという見方をするものもいるが、続編でありながら何故主演を交代するのだと言う疑問が各所から多数寄せられている。

それに対して自称主演の源三氏は『だって仕方ないじゃろうが!三部作の主演をやっておったマイちゃんがあれからずっと体調不良でなかなか仕事に復帰できんのじゃから!』と地団太じだんだを踏みながら答えたとのこと。

尚、源三氏は三部作の主演のマイカル氏とは長年の親友であると自負しているが、マイカル氏本人からのコメントは特になく、源三氏の誇張ではないかとの疑問の声が各所で挙がりまくっている。

さらに、第四作を製作するに至って、三部作に登場した出演者お呼びスタッフたちは総じて老齢化が進んでおり、今までのキャストが20年以上も経った第四作で再び集まるのかが懸念されている。

それに対して源三氏は『馬鹿者!20年の壁がなんじゃ!どれだけ年月を経たとしても同じ舞台に立ち続けた者達の絆は色あせることないのじゃ!』と逆立ちをしながら怒りをあらわにしたと言う。



※久々の天才幼女


ラッキー「う~ん、中々可愛げがあっていいんだけど、今一つ完成度が足りない気がするな~」

ラッキーは自らの発明品を眺めて、それを可愛らしいと表現しつつも、物足りなさを感じていた。

来牙「…………」

その発明品を見て、来牙はラッキーから距離を取った状態で傍観していた。その発明品は一般人の来牙にとって突拍子のない、代物なのであった。

ラッキー「このままだと長く持たないかもしれないな~、何を摂取させればいいのかがまだハッキリとわかってないからね、もう何体か試作として作ってみたほうが良いのかもしれないよぉ~」

来牙「あれを……更に後何体か作るつもりなのか……」

来牙は冷静に見ているふりをして、内心では薄ら寒さを感じていた、ケースに入れられているとはいえ、目の前にはラッキーが開発した発明品があるのだから。

???「ぐぎぃ――――――――!!」

そして、その発明品と言うのは、機械などではなかったのだった!

ラッキー「ほらほら、大きな声を出さないの!ごはんならさっき食べたでしょ!」

来牙「一体、何を食わせたんだ……」

それは二つの大口を持った、食虫植物であった。しかし、その大きさは役1メートル以上と規格外の大きさの食虫植物で、鋭い歯を光らせて旺盛な食欲を包み隠さなかった。

ラッキー「ふぅ~、生物開発って意外と難しいんだよね~。機械の開発に比べて個体差があるしね~、この前作った食虫植物は同一種のはずなのにこの子に比べて大人しかったのにな~」

来牙「お前って、特定の分野とかって持ってないのか?いろいろと作ってるみたいだが……」

ラッキー「そだね~、面白そうだと思ったことは取りあえず、やってみたくなっちゃう性分なんだよね~」

並みの科学者では特定の分野の研究開発で精一杯なのだが、超天才的な頭脳を誇るラッキーはこのようにありとあらゆる分野で規格外の研究成果を出すことができるのである。

ラッキー「う~ん、やっぱり無理に人工的に生み出した影響か寿命が短いんだよね~、正確には老加速度が早すぎると思うんだけど。やっぱり自然に成長させるには自然繁殖させたほうが良いと思うんだけど、どんな雄雌の組み合わせにしても繁殖しないんだよね~」

来牙「あんなのが繁殖してたら俺はもうここに近づけなくなるかもしれないぞ」

ラッキー「そう言わないでよ~、お兄ちゃんには絶対に危害を加えないからさ~」

来牙「にしても、こいつ等にも雄雌ってあるんだな……」

ラッキー「うん、普通の食虫植物でも雄雌があるのは存在するしね、この子たちもそれぞれ雄と雌があるんだよね~、だけどどんな組み合わせにしても繁殖しないんだよね~」

来牙「で、お前はコイツを研究して何がしたいんだ?」

ラッキー「う~ん、単なる興味本位で研究してるから、特にこれといった目的があるわけじゃないんだよね~」

これも、ラッキーらしいことだった。様々な研究をして、普通の科学者にとっては到底及ばない成果を出すことが出来るのだったが、そんなラッキーはそれを単なる興味本位でやっているだけで成し遂げてしまうことが出来るのであった!

ラッキー「まぁ~、しいて言えば、どっかの研究施設に発表して、興味を持ってもらうとかかな~?」

来牙「そうすれば、また研究費用が貰えるもんな」

ラッキー「てへへ~、研究するのにもお金は必要だからね~、夢やロマンだけじゃ科学者ってのはやってられないんだよ~」

ケースの中の食虫植物を見て、ラッキーはニコニコ笑顔のままシビアな現実を語るラッキーだった。

食虫植物「ぎあ―――――――――――!!」

来牙「なんか、お前に向かって吠えてないか?」

ラッキー「う~ん、ラッキーに研究費用を得るための材料にされちゃいそうなのを察して怒っちゃってるのかな~?うっかりケースに入ったら噛みつかれちゃうかも~」

ケースの中からラッキーに対してどういうわけか襲い掛かろうとしているようにも見える食虫植物であった。そして、そんなラッキーの研究施設(木造賀屋)を狙っている老害がいた!

源三「わ、ワシはワシは!今度こそあの天才幼女の巣窟から素晴らしい研究資料や成果を盗み出して大金持ちになるんじゃ!!」

人としてのプライドを捨てた男、宮永源三であった!

源三「ワシにはわかるぞ……あの家の中にとてつもない研究成果がある事が……きっとすさまじい研究成果じゃ!」

源三に狙われたラッキーの研究所!源三は果たして何を盗み出すのだろうか!

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