第47話 さぁ、最高のバレンタインデーだ!
前回のあらすじ
源三達はバレンタイン当日に何と競馬で三人で100万円と言う大当たりを成し遂げて、勢いに乗った源三達は渋谷でバレンタイン粉砕デモに参加したのだった。
源三「だははははっ!!カップルは自己批判しやがれ!チョコなどクソくらえじゃ―――――!!」
鳥飼「ただでさえ寒い季節に余計に寒くなるんだよ!火傷させてやろうかコラァ!」
薮井「チョコが欲しかったらその辺で買えばいいであろうが!人から貰う事に特別な価値などあるか!」
デモ隊の中でも源三達三大老人の勢いは特にすさまじく、いつの間にかデモ隊メンバーの最前線に立っていたのだった。
デモ隊「凄いっす!貴方たちのような人たちがデモに入ってくれて頼もしい限りです!」
源三「だはははははっ!そうじゃろう、そうじゃろう!このわしらに付いてくるがいい!共にバレンタインをぶち壊してしまおうではないか!」
デモ隊「リア充共の冷ややかな視線など恐れずに立ち向かうその姿は憧れます!」
鳥飼「おうおう!憧れろ憧れろ!お前らが望む以上の事をやってやるからよ!尊敬のまなざしを向けやがれ!」
デモ隊「まさに我々の前に現れた救世主とは貴方たちです!本当にありがとうございます!」
薮井「そう、我々は非モテ達を救う為に現れたのだ!お前たちは私たちが救ってやろうではないか!存分に頼ると良い!」
源三達はデモ隊のメンバーに大いに頼られて尊敬されて、浮かれまくっていたのだった。
源三「むむっ!ハート型チョコを売ってやがる!」
そんな中、源三達はカップル向けのハート型チョコレートを売っているのを発見する。
デモ隊「ええ、毎年あの店はここであんなチョコを売ることによって我々を苦しめるのです!」
薮井「だとしたらそれは許せないな、ああして非モテ達に対する苦しみを助長するとはな!」
鳥飼「ちょっくら見せつけてくれるぜ」
源三、鳥飼、薮井は早速店の中に入っていった。三人ともそれぞれ1万円を持った状態で店に入ると、揃ってこう言ったのである。
三人「「「これで買えるだけのハート型チョコを買う!!」」」
店員「あ、ありがとうございました……」
いきなり、険しい表情をした老人たちがそれぞれ一万円で買えるだけのチョコを買うという妙な出来事に店員の女性は呆気に取られながらも、3万円で買えるだけのハート型チョコを用意したのであった。
源三「お主ら!非モテの怒りをこれにぶつけるのじゃ!」
が、当然源三達はそれでバレンタインを祝うなどと考えたりはしないのである。段ボールに入れられているハート型チョコを荒っぽくぶちまけていた。
鳥飼「こんなもんは俺たちの手で粉々にしちまえ!ハート型チョコなんて木っ端微塵だ!」
薮井「さぁ!非モテパワーを見せるのだ!」
デモ隊「「うおぉ―――――――!!」」
そう、源三達はこれを粉々に壊すために大量に買ったのであった!デモ隊は皆、我先にと大量のハート型チョコを粉々に踏み壊し始めていた。
デモ隊「オラオラ!一丁前にハートの形してムカつくんだよ!」
デモ隊「毎年毎年目の前で売られてるのを見るたびにイライラしてたんだ!」
そして、その光景は先ほど大量のハート型チョコを売った店の前で行われているので、その店の店員たちや買いに来ていた客たちの目の前で繰り広げられることになる。
源三「ふぉふぉふぉふぉ!!素晴らしい光景じゃ!カップル達の幸福の証のハート型チョコが非モテの力によって木端微塵に砕かれる光景は見ていて爽快じゃわ!」
鳥飼「そうだ!俺たちは今まさに英雄になってるんだぜ!こいつ等の幸せそうな表情を作ってやったのは俺たちなんだぜ!」
薮井「私たちは救世主になったのだ!今回のデモを大いに盛り上げている功労者だぞ!」
源三達はますます気分が高騰していた、こうすることで自分たちは本当に英雄になっている気分となり、さらにもっと色々なことを試したいという気分になっているのである。
源三「今度はあの店じゃな」
源三が目を付けた店は毎年、バレンタインデーの日にカップル向けのサービスで繁盛している店であった。バレンタインデーとだけあって今年も多くのカップルの客が来ているようだった。
源三「これからあの店はカップルのバレンタインを祝福する店から一転して、非モテ達の憩いの場となるのじゃ!」
鳥飼「おっしゃ!お前らあの店に乗り込むぞ―――――――!!」
デモ隊「「うおぉ――――――――――!!」」
デモ隊は一斉にカップル達がバレンタインを満喫している店に押し掛けるのであったその結果、店内はこのような有様と化す……
デモ隊「オムライス!オムライスを持ってきてくれ!大至急!!」
源三「酒じゃ酒!酒さえあればワシは他に何もいらん!チョコなどもってのほかじゃ!」
デモ隊「マルゲリータだ!マルゲリータ食わせろぉ!」
鳥飼「オラオラぁ!まさかカップル以外の客は後回し何てしてねぇだろうな!!」
デモ隊は店内でバレンタインイベントには全く関係のないメニューを頼みまくったのだった。ただでさえバレンタインイベントで来ていたカップル客たちで繁盛していた店内であったが、源三達が来たことによってさらに店内は混雑し、店はまともに回らない状態と化していた。
カップル「……なんか、気分台無しだね」
カップル「ほかの店に行く?」
こんな感じで、源三達の雰囲気に気圧されたカップル客がまた一組、帰って行った。
薮井「ふはははっ!!去れ去れ!ここはもはやカップルの憩いの場などではない!」
源三達はこんな感じで店内で我が物顔で振る舞っていた。店側も源三達が普通に注文もしているため追い出すに追い出せずに店内の雰囲気がバレンタインの雰囲気がぶち壊されるのを止められないのである。
鳥飼「全く今日は絶好調だな!これからはどうする?」
源三「まだまだやれる事はいくらでもあるはずじゃ!探してみるんじゃ!」
薮井「ふふふ、それにしてもこんな充実したバレンタインは初めてだぞ!」
源三「なんと、お主と同じ考えになるとは!」
そう、源三達は今年は今までの人生で最もバレンタインを満喫しているといっても過言ではなかった。最もそれはモテて満喫しているのではなく、逆に非モテであることを開き直って楽しんでいるのだったが……
~宮永源三のありがたい名言~
源三「よいかお主等!何も積み重ねていない者が大金を得ようなどと甘い考えは捨てるのじゃ!」
宮永源三は何を思ったのか、道路のど真ん中でマイクを片手に一人演説を始めていた。
源三「真面目に勉強をしたわけでもなく、懸命に働いたわけでもないお主等が易々と大金を手に入れたくばもう命を賭けるしかないじゃろうが!」
そんな源三の一人熱弁を、一部の若者達が物珍しそうに笑いながら見物し、携帯でカメラ撮影をするものもいた。
源三「世の中の大人たちが言わんからこのワシがハッキリと言ってやるのじゃ!よしかお主等!金は命より重い……!決まったのじゃ」
何か言いたいことを言い終えたと言った感じの源三はVピースを決めて満足げにニヤついていた。
若者「それじゃあこの50円玉の価値もあの爺の命よりも重いってことじゃね?」
若者「それどころか、ゲーセンのメダルよりも軽い命ってことじゃないの?」
若者「んな事よりも、合コン行こうぜ!さっき親に頼んで5万円俺の口座に振り込ませたからさ」
若者「けっ、親が金持ちで良いもんだな。俺なんて親がケチだから帝Loveから金借りるしかねぇんだよな~」
誰も源三の言った言葉に胸を打たれるものなどいなかった……




