第43話 渦巻の末路!脱税には罰が下る!
~里村夫婦の会話~
忠雄「あの、母さん」
茜「何よお父さん?」
忠雄「たまにはさ、ポテトコロッケばっかりじゃなくてクリームコロッケも食べたいって思うんだ~」
いきなり夫が食事のメニューにケチを付けるので茜はムッとした表情になる。
茜「クリームコロッケを簡単に作れとか言うけど。作るのが難しいって分かったんの?食べたかったらお昼にでも外食で食べれば良いじゃない。自分のお小遣いで」
忠雄「いや~、今は仕事が休みだから社員食堂はやってないしな~」
茜「会社が休みなんじゃなくってお父さんだけが休みなんでしょ!」
茜の言った通り忠雄の会社はまだ仕事なのだが当人だけは戦力外故にあっさりと仕事を休めていた、もとい休まされていた。
忠雄「それにしても自分で作るにしてもな~、クリームコロッケってそんなに難しいの?」
茜「そうね、父さんがそこまで希望するなら作ってあげなくもないわよ」
忠雄「そう?それじゃ頼んじゃおうかな~」
数十分後
茜「お待たせ」
忠雄「う~ん、見た目はポテトコロッケの形何だけど?」
茜が気前よく作ったコロッケの形は先ほど作ったポテトコロッケの形状だった。
茜「中身はクリームなんだから食べてみれば良いじゃない」
忠雄「そう?そ、それじゃあ早速」
忠雄はすぐには食べずにスプーンで中身を崩してみる。するとコロッケからドロッと白いトロトロのクリームが溢れてくる。
茜「どう、クリームコロッケでしょ?」
忠雄「い、いや母さん。これって中身シチューだよね?」
茜「クリームシチューコロッケよ」
忠雄「し、しかも中身だけ妙に冷たいし、これってポテトコロッケを一度作ってさ、その後中身を抜いて、その後レトルトのシチューを入れたとかじゃないの?」
茜「本当に細かい分析力と想像力ばっかり発達してるんだから……」
忠雄「これってクリームコロッケって呼んでいいの!?」
茜「騙されたと思って黙って食べれば良いじゃない」
忠雄「こ、これで騙される人って……えぇ~」
結局茜が即興で適当に作ったレトルトのクリームシチューコロッケは食べられる事は無かった。
前回のあらすじ
まだ終わってなかった源三の巨大迷路編!ついに襲い掛かってきた渦巻!巨大メカに搭乗して源三達に襲い掛かるのであった!
☆
渦巻「逃げても無駄だと言っているだろう!レーダーで貴様らの居場所は丸わかりなんだからな――――――!!」
源三「しぶといのじゃ!貴様自分の迷路壊しているじゃろうが!」
渦巻のメカはスピードこそ大したことはなかったが、搭載されたレーダーで源三達の居場所を常時把握しており、そして圧倒的パワーで迷路の壁を壊して源三達を執拗に狙い続けるのだった。
鳥飼「だ、だが、こうやって奴が迷路を壊し続けていけば、いずれ俺たちは隠れる場所がなくなっちまう!その前に何とかして出口を探すぞ!」
薮井「もういっそのこと奴に迷路を破壊しまくってもらって出口を見つけてもらえないものだろうか!!」
などと話している間にも渦巻のメカは源三達の居場所をすぐに特定して襲って来るのだった。源三達はまっすぐ突っ走っていれば……
渦巻「見つけたぞぉ―――――!!」
源三「またか――――――!!」
こうして、いきなり真正面から現れて源三達は翻弄され続けていた。そしてその頃、源三達の代わりに巨大牛に狙われたタダシは……
巨大牛「もぉ~ん」
タダシ「だ、ダメだよ巨大牛さん!ぼ、僕にはみっちゃんっていう想い人がいるんだから……」
どういうわけか巨大牛(♀)はタダシに一目ぼれして求愛していたのだった!
巨大牛「もももん!ももものもももぉ~」
タダシ「え……?愛は障害があれば燃えるだって!?そ、その気持ちは僕にも分かるよ!僕もみっちゃんに告白したいんだけど、みっちゃんのお父さんは元ミニ四駆の日本チャンピオンであの人にミニ四駆で勝つまでは結婚を認めてくれないんだ!」
ひょんな事で、僅かに通じ合ったタダシと巨大牛であった!そう、タダシは想い人のみっちゃんに金塊をプレゼントしにこの巨大迷路に挑んだのだが、それ以上に彼にはみっちゃんの父親という難敵が存在したのであった!さらにそのみっちゃんの父親は元ミニ四駆の日本チャンピオンで彼にミニ四駆で勝たない限りみっちゃんとの結婚は認められないのであった。
巨大牛「ももも!ももものもぉ――――――!!」
タダシ「う、牛さん……君は僕にみっちゃんと言う想い人がいると分かってなお、その障害を乗り越えるというのか!?」
が、こんなやり取りは正直どうでもいい!作者のマロはさっさとこの迷路編を終わらせたいのである!
☆
渦巻「だはははっ!であったらこの私が巨大迷路編を終わらせてくれよう!私が貴様ら爺共を消し去ることでな―――――――!!」
源三「な、なんの話じゃ――――!」
渦巻がそう宣言すると渦巻の乗るメカはその姿を変形させはじめる。両腕は砲台のような形状になり、その大きな砲台は源三達に狙いを定めていた。
鳥飼「おいおい、何しやがるんだアイツ!」
薮井「と、とにかく逃げるべきだ!何だか知らんがやばいぞ!」
渦巻「ふはははっ!逃がすわけがないだろうが!この必殺技で貴様らを吹き飛ばしてくれるぞぉ――――――!!」
巨大な砲台の腕が大きな音をたてていた。
渦巻「スクリューエアー!!」
腕の砲台の中には実はスクリューが入っていたのだった!凄まじい回転力で強力な風を起こして、源三達に襲い掛かるのだった!
源三「ひえ――――!!吹き飛ばされるのじゃ―――!!」
薮井「不味い!ここで吹き飛ばされたら気絶してお終いだぞ!」
鳥飼「つ、捕まれ!どこにでもいいから捕まれ―――――!!」
源三達は必死に近くにあるものに捕まって堪えていた。
渦巻「ふははっ!だったらこのまま接近してやろう、そうすれば風の威力も必然的に強まるからな~」
源三「や、やめ――――――!!本当に吹き飛ばされるのじゃ―――――!!」
鳥飼「ぐは――――――!!もう、ダメだ――――――!!」
薮井「捕まるのも既に限界なのだ――――――!!」
ちなみに、源三達が手に入れた金塊はだいたいどれくらいの重さなのであろうか?金の取引価格は時期によって変わるが2017年2月の時点で1キロ480万円以上で、源三達が持っている3つの金塊はそれぞれ2キロずつの重さがあった。そう、これだけの大金に換金できる価値にもかかわらず重さにすると僅か2キロ前後なのである!
そして、源三達は今は強風に耐えるために近くの壁などに捕まっており、金塊から手を放しているため……
源三「って、金塊が――――!!」
鳥飼「げっ!吹き飛ばされちまったぞ!」
薮井「のわ――――!わ、私の金が――――!!」
あっさりと、金塊は風の直撃を浴びた途端に吹き飛ぶのであった……
渦巻「し、しまった!金塊を吹き飛ばしてしまった!!」
渦巻にとってもこれは大いなる誤算であった、源三達から金塊を回収するのが目的であったにもかかわらず、自分の手で金塊を吹き飛ばしてしまったのであった!そして、吹き飛ばした金塊はとある場所に飛ばされていた。
タダシ「巨大牛さん……貴方の想いに僕はどうやって応じればいいんだ!」
巨大牛「もも、ももも……」
どうしても巨大牛はタダシを諦めきれずに求愛を続けていた、そしてそんな巨大牛の元に先ほど吹き飛ばされた金塊が飛んできたのであった。そしてその金塊は口を大きく開けていた巨大牛の元にタイミングよく飛んで行ってしまい……
巨大牛「パクっ!」
四人「「「「あんぎゃ――――――――――!!」」」」
巨大牛によって食われてしまったのであった!
渦巻「わ、わ、私の金塊が!国税局をコツコツと欺いて得た私の金がぁ――――――――!!」
タダシ「やはり脱税でしたか」
渦巻「は?」
突如としてタダシは鋭い目つきと声色になっていたのだった!
タダシ「幼馴染のみっちゃんに片思いする青年タダシとは仮の姿、その正体は……国税局のタダシなのだ!」
渦巻「こ、国税局だとぉ―――――――!!」
そう、タダシは実は国税局の人間であった!こうして、一般人を装って迷路内に潜入し、渦巻の脱税の証拠を探し続けていたのだった!
タダシ「まさか脱税した金を金塊に換えていたとはね、しかし今度は貴方が世論から非難される番ですね」
渦巻「か、勘弁してくれ――――――!!」
こうして、渦巻の悪事は暴かれた!国税局のタダシの活躍によって脱税が発覚し金塊は回収されることとなったのであった!
源三「え……?え……?わ、ワシらは?」
鳥飼「こ、これでお、終わりか?」
薮井「私たちの金塊はどうなるのだぁ――――――!!」
言うまでもなく、源三達に一円の儲けなどなかった!そもそも賞品の金塊自体が脱税した金なのであるから!
完!




