第5話 完結!エロと青春と婦警
前回のあらすじ!
源三と鳥飼は苦労の末に手に入れた『全婦警奴隷化計画』のDVDを中年変態の乱入によって損失してしまった。必死になって川を探し回っていた二人だったがこの二人に更なる悲劇が襲い掛かる!
主婦「ちょっとアンタ!私の自転車何処にあるのよ!?」
鳥飼「ピーピー鳴くんじゃねぇ!川に飛び込む前に置いてきたからそこにあるはずなんだよ!」
中学生「鍵指したままだったのかよ!盗まれたらどうしてくれるんだ!!」
源三「黙らんか!あんなダサイデザインの自転車等誰が盗むかボケ!」
源三と鳥飼によって自転車を強引に借りられた上に川に飛び込む前に自転車を置いてきてしまった二人に対して主婦と中学生が態々探して、二人を責め立てていた。
主婦「もし無くなってたらアンタ達弁償してくれるんでしょうね!?」
源三「何を言っとるんじゃ!弁償するのは盗んだ奴じゃろうが!そもそもまだ盗まれたと決まったわけではないがな!」
中学生「盗んだ奴が見つからなかったらアンタ達が責任とれって話だよ!」
鳥飼「責任転嫁してんじゃねぇ!身近な人間に賠償させて、真の悪を見過ごしてんじゃねけぞ!」
主婦&中学生「「お前らが言うなぁー――――――!!」」
結局、DVDの一見は保留にして4人は自転車を置き去りにした場所に戻ったのだった。
主婦「全く、こんな事は2度とごめんだわ!」
中学生「クソ~、久々に早く帰れたのに爺共のせいで台無しじゃねぇか!」
幸いにも自転車はちゃんと残されており、主婦と中学生は源三達に不満をぶちまけながら自転車を漕いで去って行ったのだった。
鳥飼「で、DVDはどうすりゃいいってんだ……!」
源三「元はと言えばあの変態中年のせいじゃ!奴に責任を取らせるんじゃ!」
鳥飼「そうするしかねぇな、奴は川で俺が殴って伸びてるはずだから捕まえに行くぜ」
源三と鳥飼は変態中年に責任を取らせるために変態中年を倒した川に戻ったのだった。しかし、そこで二人が見た光景は想像を絶するものであった!
婦警A「見つけたわと自転車泥棒の常習犯、お縄に付く時が来たわね」
中年「勘弁してくれ!俺はマイ自転車を持ってないんだぁー――――――――!!」
源三&鳥飼「「…………」」
例の変態中年が自伝者の窃盗容疑で、源三達が交番で対峙いた婦警コンビに連行される光景だった。
婦警B「2か月で4台も盗んでますよ、そのうちの一台でも売ろうとは思わなかったのね~」
中年「だってだって、売ったら足が付いちゃうじゃないか――――――!!」
婦警A「自転車泥棒の癖に妙なところで慎重なのね……」
源三「どうするのじゃ、あれ?」
鳥飼「とにかく、もう一度事情を説明して、野郎に責任を取らせることくらいはどうにかしねぇと……」
そこまで言いかけた鳥飼が偶然目にしたのは銭湯にいた女性だった。
女性「あ―――――!!アンタ女風呂に自転車で入り込んだ覗き親父!」
少女「このエロ親父!ここで会ったが100年目!」
婦警A「覗きですって!?どういうことか詳しく聞かせてもらうわよ!」
中年「ま、待ってくれ!覗いたのは俺だけじゃねぇ!他にも爺二人がいたはずだ!」
婦警B「爺二人?」
源三「あ、あのバカ!余計な事を!」
少女「そーいえばそうだった!あの爺はどうしたのよ!」
中年「奴らの足取りなら途中まではハッキリしてる、だから俺の話を聞いてくれ!それで司法取引だ!」
婦警A「とにかく話だけは聞くわ、アンタの処分はその後で」
源三「逃げるか……」
鳥飼「追手が増えちまいそうだな……」
この状態であの場に出て行けば源三と鳥飼も覗き魔として連行されてしまいかねないので二人は速やかにその場を立ち去るしかなかった。
☆
鳥飼「手詰まりだ……残ったのは『全婦警奴隷化計画』のパッケージだけじゃねぇか……これじゃバイト代は貰えねぇ……」
源三「と、鳥飼よ……あの金田はこのAVを見たことが無いんじゃろうな?」
鳥飼「そりゃ、ねぇんじゃねぇか?俺達を雇ってまで見ようとしてるAVなんだからよ」
その時、源三の頭の中でとある無謀な策略が思い浮かんでいた。
源三「パッケージだけはある……だったらなんとかなるかもしれんぞ」
鳥飼「パッケージだけあっても映像が収録されてるDVDが無いんじゃどうしようもねぇぞ!」
源三「映像は……ワシらが作るんじゃ――――――!!」
それから数時間後
源三「待たせたの」
金田「おお~、遅かったから心配したよ~」
源三と鳥飼は金田少年に言われた通りに無理があるが知人を装って家の中に入り込んでいた。
金田「んで、例のブツは?」
源三「集めてきたのじゃ」
源三は親指を立てながら、金田少年に渡されたリストに書かれていたAVを渡す。
金田「うん……うん!バッチリじゃないか爺さんたち!」
鳥飼「当然だろうが、思春期真っ只中でエロいDVDの一つも見るのに苦労してる青少年に俺達人生の先輩がエロと青春を届けてやらねぇで誰がやるってんだ!」
金田「全く、爺さん達に頼んで正解だった。俺の目に狂いはなかったぜ」
感極まった金田少年は源三と鳥飼にそれぞれ握手をする。
金田「それじゃ、これは約束のバイト代だよ」
源三「おお!これぞ努力の結晶じゃ!」
鳥飼「はたらいて金稼ぐなんて懐かしい気分だぜ全く」
10代の少年から5万円を受け取る二人の70手前の老人コンビであった。
源三「では、ワシらはここでおさらばするのじゃ」
金田「もう行くのか?なんだか名残惜しいな」
鳥飼「ま、仕方ねぇさ。あんまり長居してるとオメェの親共が怪しむからな」
それは、金田少年を気遣って二人は早々に去ろうとしている、少なくともこの時の金田少年はそう思っていた。
源三「さらばじゃ少年よ、おそらくもう会う事はあるまいがお主の事は2度と忘れん」
鳥飼「あばよ!オメェが大人になったら今度はオメェが未成年たちにエロと青春を届ける番だぜ!」
金田「ああ、ありがとうお爺さん達!俺もアンタ達みたいな大人になるからなー―――!!」
源三と鳥飼は少年に大人の男の生き様を見せつけて去って行ったのだった。
金田「よし、早速見るぞ!俺のエロい青春だ!」
そして金田少年は待ちに待ったAV鑑賞を開始する。
金田「まずは、ずっと見たかったコイツだ!」
それは源三と鳥飼が最も苦労した『全婦警完全奴隷化計画』のAVだった。実は金田少年が1番目が付けていた作品でもある。
金田「ネットじゃ、どうしても30秒の視聴版しか見れなかったからな。これで90分間女婦警が従順な性奴隷になる姿をバッチリと拝めるぜ!」
金田少年はズボンとパンツを脱いで、自家発電の準備をする。
金田「お、始まるぞ!」
高鳴る心臓の鼓動を感じながら目を大きく見開く金田少年。そしてついに待ち侘びた光景が始まるのであった!
婦警(源三)「は、離しなさい!あ、アンタ達、こ、これは立派な監禁なのよじゃ~!!」
金田「……………は?」
が、真っ先に移された光景は際どい婦警の格好をした源三の姿だった。
婦警(鳥飼)「警官にこんな事してどうなるか分かってるのよね!」
更に今度は婦警の格好をした鳥飼が手足を適当に拘束された状態で映されていた。
源三「わ、私たちを調教する!な、何をバカな事を!?」
鳥飼「アンタ達が全国の婦警を奴隷化するための実験台ですって!」
金田「…………」
金田少年は無言のままパンツとズボンを穿き直す、そして……
金田「爺共、どういう事じゃこれはぁ――――――――――――!!」
血の涙を流しながら家から飛び出したのだった。
☆
鳥飼「あの声は!金田の野郎!もう気が付きやがったみてぇだぞ!」
源三「あの小僧!寄りにもよってあれを最初に見るとはどんだけ婦警マニアなんじゃ!」
源三と鳥飼は紛失した本物のDVDの代わりに100円ショップで購入したDVDに自分達が婦警の格好をして監禁されている姿の粗末な動画を収録してそれを残った本物のパッケージケースに入れて渡していたのだった。
金田「返しやがれぇ――――――――――!!俺の青春とついでに5万円を返しやがれぇ―――――――――――!!」
源三「黙れ黙れ黙れ――――――――!!婦警以外にも見るものはいくらでもあるじゃろうが!」
鳥飼「そもそもオメェ!んな事しなくたって彼女でも作ればリアルでやれるんだからエロで青春したかったら女でも作りやがれ!」
金田「うっせ―――――――――!!金で女を釣ろうとして今までことごとく失敗し続けた俺の気持ちをお前らに理解されて溜まるか―――――――!!それに俺は婦警を意のままに調教して従える光景に夢憧れてたんだー―――――――!!」
こうして、二人の老人と高校生の飽くなき逃走劇は始まったのだった。この結末がどうなったのかは知る者はいない、と言うか誰も興味が無いのだった。