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第40話 驚異のトラップ連発!+

~有紗と男の子~



少年「あ~あ、過去最低点だな~」

その小学四年生の男の子は算数のテストで過去最低点の18点をとってしまい憂鬱な気分で帰宅していた。

少年「こんなの母さんに見せられねぇよな~、どこに隠そう……」

母親に見せたら間違いなく怒られると思っている男の子はこのテストを何処に隠そうかと悩んでいた。

少年「机の中に隠すかな……それとも帰ったらすぐに家のゴミ箱に捨てちゃおうかな……」

有紗「あまーい!」

少年「えぇ!?」

そんな独り言を呟いていた男の子の前に現れたのは女子高校生の2年生の里村有紗だった。

有紗「君ね、そんな考えじゃ甘いよ!」

少年「なんだよいきなり、姉ちゃんには関係ねぇだろ!」

いきなり現れて、テストを捨てようとしたことで説教してくる女子高生に男の子は強く反発する。

有紗「そんな事してもすぐに見つかっちゃうよ」

少年「え?」

が、有紗が説教しているのはテストを捨てようとしていた事ではなかった。

有紗「家の中で捨てようとしたり隠そうとしたりしても上手くいかないよ。親は子供のテストをこれでもかっていうくらいにしつこく見つけようとするからね。君の部屋の中の、ましてや机の引き出しなんて絶対に見つかるよ、君の知らないところでチェックしてるからね」

少年「マジかよ……」

有紗「思春期の男の子が隠してるエロ本を簡単に見つけられるのだって親が子供の部屋をチェックしてるからだしね、隠してるテストだって見つけられちゃうんだよ」

少年「そう言えば、俺、中学生の兄ちゃんがいるんだけど、この前母さんに内緒でエッチなDVD隠し持ってたのを見つけられてた!」

有紗の言った事に対して少年は思い当たりがある事に気が付いた。

有紗「でしょ、自分の部屋に隠すなんて選択肢はまずありえないね、それとゴミ箱も止めた方が良いよ。母親ってのはゴミ捨ての日にゴミを捨てる時に中身を見る悪癖があるもんだからね、お姉ちゃんもそれで失敗した事あるもん」

少年「へぇ~、姉ちゃんは難点のテスト隠してたの?」

有紗「お姉ちゃんは10点未満のテストを何枚も隠したけど良く見つかってたよ。君の18点なんてまだマシな方だよ」

男の子は目の前の年上の少女が自分にアドバイスをしてくれていると分かって熱心に話を聞く。

少年「じゃあ、この当たりのどっかゴミ捨てるとこに捨てるとか?」

有紗「それも不味いね」

男の子の提案を有紗は即座に却下した。

有紗「地域コミュニティってのがあってね、この当たり一帯は君の通ってる小学校の学区内でしょ。捨てられてるテストを大人が見つけるとその大人は勝手に気を聞かせて学校に報告して、そしてそのテストが今度は持ち主の家に戻って来るっていう厄介なサイクルがあるんだよ」

少年「マジかよ~、この当たりに捨てれないじゃんかよ~」

これも有紗の経験から覚えた事であった。

有紗「あのね、まずそのテスト用紙が形ある時点でダメなんだよ」

そう言うと有紗は男の子からテスト用紙を取り上げていた。


ビリビリビリビリ


そしてそのテスト用紙をビリビリに破く。

少年「そうか!そのまま捨てちゃえばいいんだ!」

有紗「その辺に捨てるだけじゃまだ油断ならないよ、集めて持ち主を突き止めようとするしつこい奴がいるもんだからね、ちょっとおいで」

少年「何処に?」

有紗は男の子を連れて公衆トイレに案内する。このトイレは男女兼用のトイレだった。

有紗「この中にこうして破いたテスト用紙を捨てて」

そして有紗はトイレの流しのレバーを引く。

少年「おお~」

有紗「こうしちゃえば、細かく破かれた状態のテストは流されてもう誰にも回収出来ないよ。水でふやけちゃうし、水道の中で散り散りになっちゃうからね」

少年「姉ちゃん頭いいな~!助かったよ姉ちゃん!」

見事にテストを処理してくれた有紗に男の子は有紗を称賛してお礼を言うのだった。

有紗「見せたくないテストって幾らでもあるもんね、捨てる時はよく注意して捨てなくちゃダメだよ」

有紗も男の子の頭を撫でて諭す。こうして、男の子は有紗の助力によって母親に叱られずに済むのだった。



※前回のあらすじ



もうあらすじとか面倒っす!今回はいきなり源三達が危機一髪な状況から始めます!





源三「ぎょえ――!!」

鳥飼「こ、今度は流水か―――――!!」

薮井「もういい加減にするのだ―――――!!」

監視カメラで源三たちの様子を見ているオーナーの渦巻は源三達の悪口に腹を立てて、流水の仕掛けを作動して、源三達を水攻めにしていた。

三人「「「どえぇ――――――――――!!」」」

あっという間に三人とも水に飲み込まれて流されていた。

鳥飼「つめてぇ!氷水じゃねぇか!」

源三「凍え死ぬ!おのれ慰謝料は100万円どころじゃ済まさんぞ!」

薮井「この償いは高くつくぞあのチビオーナー!」

源三達は氷水の流水に流されながらも金に対する執着心とオーナーに対する悪口を忘れなかった。そして、その様子はオーナーの渦巻が当然管制室で監視している。

渦巻「あの口の減らん爺共め!この巨大迷路の仕掛けの恐ろしさを思い知るがいい!」

渦巻はあちこちの流水の仕掛けを次々と作動させて、迷路内はあっという間に水で埋め尽くされつつあった。

源三「ひ、ひえ―――!!み、水が!水が!このままではワシらは全員溺死してしまうのじゃ――――――――!!」

渦巻「ふははははっ!!苦しめ苦しめ!この私をコケにした者たちには丁度いい!」

迷路は密室なので水によって源三達は溺れさせられそうになっていた。

鳥飼「くそったれが―――――!!こうなったら後で慰謝料は1000万円だ――――――!!」

薮井「おのれおのれおのれ――――――!!」

渦巻「おっと、簡単には終わらせんぞ。ここはこれを食らわせてやろう」

渦巻は新たな仕掛けを作動する。すると源三達の近くの床からスタンガンが出現し、100万ボルトの電流を発するのである。

三人「「「わぎゃ―――――――――!!」」」

水は電気をよく通すのである。氷水で溺れる寸前であった源三達は一斉に感電してしまうのであった。

渦巻「ふはははははっ!!滑稽だ滑稽だ!ザマァ見るがいい!」

源三達が感電している様子を渦巻はゲラゲラと大笑いするのであった。





源三「お、おのれ……なぜワシがこんな目に……」

しばらく時間が経過して源三達は目を覚ましていた、既に水は抜かれたようであったが未だに源三達は体の節々に痺れが残っていた。

鳥飼「クソッたれ……!これじゃ金塊を見つけるどころでも出口を見つけるどころでもねぇ……」

薮井「なぜ私がこんな目に遭わねばならんのだ!この天才の私がこんな目に!」

この一連の悲劇が自分たちを監視しているオーナーの渦巻の仕業であることに源三達は気が付く余地などなかった。

源三「って、地図はどこじゃ?地図がないのじゃ!」

薮井「ま、まさかさっきの流水で流されてしまったのではないか?」

鳥飼「ま、マジかよ……あれがねぇと何処がどこだか見当も付かねぇぞ……」

地図を紛失してしまった源三達はもはや自分たちがどこにいるかなど見当も付かない状態であった。まさに八方塞がりの源三達であった!

鳥飼「や、やっぱり、もうここで朝の営業時間になるまで大人しくしてるしかねぇ……ってなんだこれ?」

鳥飼は諦めつつあった最中に、自分の足元に大きな箱が転がっていることに気が付いていた。

源三「薄汚い箱じゃな!辛気臭いわ!」

薮井「全く……我々に必要なのは地図だというのに何でこんな物が……」

その大きな箱は縦横それぞれ50センチほどはありそうな大きなサイズであった。横に転がっているため箱は半分開きかけていた。

源三「あのクソチビめ!いつになったらワシらを助けに来るんじゃ!」

源三は苛立ちのあまり箱を蹴り飛ばしていた。が、蹴られた箱は予想以上に重く大して動くことなく、反動で箱が取れただけだった。

源三「って……な、なんじゃと……!?」

鳥飼「ま、マジか?これってマジなのか?」

薮井「わ、私の目が幻覚を見ているわけじゃないならこ、これは……」

巨大な箱の中に入っていたのは黄金の輝きを放つ三つの塊、それはまさしく源三達が探し求めていた物である。

三人「「「金塊くわぁ――――――――――――!!」」」

そう、なんと金塊であった!

源三「な、何てことじゃ!さっきの流水によって金塊を入れた箱がこうして流されて奇跡的に我々のすぐ近くに流れてきたのか!」

鳥飼「ほ、本物だぜこれ!換金したら一体何千万になるってんだ!?」

薮井「わ、災い転じて福となすとはこの事か……!」

予想だにせぬ形で目の当たりにした金塊を前に源三達は目の色を輝かせて食いついていた。

薮井「ん?なんだこのファイルは?」

薮井は箱の中に金塊のほかに防水使用の透明フォルダーを発見していた。

源三「そんな紙切れどうでもいいじゃろうが!金塊を見つけたんじゃぞ!」

鳥飼「バカが、ここで俺たちがこれを持ち出してもルール外だから窃盗罪で刑務所送りだ!」

薮井はフォルダーに入っていた紙をじっくりと読み始める。

薮井「これは……納税に関する書類のようだな、私も病院の院長だった頃になんどもこれを目にしていたからな」

そう、高額所得者にとって避けられないのが高額な納税である。一般庶民にとってはなじみのない高額な納税を収める趣旨の内容が書かれた書類の数々である。

鳥飼「金持ちならそれくらい当然だろうが!だけど奴はなんでそんなのを金塊と一緒に迷路の中に隠してたんだ?人に見られて気分のいいもんでもねぇだろうが」

薮井「これはまさかとは思うが……あのクソチビオーナーは脱税をしているのではないか?」

源三「脱税ってなんじゃ?」

薮井「納税の義務を果たさないことだ!!」

鳥飼「マジか!?奴は脱税の証拠になりそうな書類を自分で作った巨大迷路に隠してたって事かよ!?」

薮井「ああ、それにこの金塊。おそらくこの金塊だが、奴は国税局の目を欺くために脱税した金を金塊に換金したのだ」

源三「ほ、ほげ?つ、つまりこの金塊は奴が本来払うはずだった税金というわけなのか?」

鳥飼「読めてきたぜ……奴はほとぼりが冷めたらこの金塊をまた現金に換金して自分の手元に戻すつもりだったことだ!」

薮井「ええいおのれそういうことか!奴は最初から迷路の中に隠した金塊を客に渡すつもりなどなかったのだな!」

源三「な、なに!それではあの惨めなクソチビは脱税した挙句に脱税した金を金塊に換えて、それで更にビジネスをしておったのか!?」

薮井「そういうことだな」

源三「ゆ、許さん!ワシらを騙しおったんか―――!!」

鳥飼「いや、これは俺たちにとって好機だぞ!」

苛立つ源三に対して鳥飼はすぐに自分たちの利になるチャンスを見出していた。

鳥飼「考えてみろよ!この金塊が脱税した金って事はだ、これが盗まれたとしても奴は警察に被害届なんて出せねぇはずだ!」

薮井「そうか!そんな事をしたら国税局に脱税の完全にばれて更なる損害を被るからな!」

源三「お、おおお―――――!!つ、つまりワシらがこの金塊をこのまま手に入れてしまえば奴はもはや取り戻せんというわけか!!」

これぞ形勢逆転?源三達は不幸のどん底から一転して金塊を手にしたのであった!


続く!



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