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第4話 全婦警奴隷化計画のDVDを入手せよ!

前回のあらすじ!

金に困っていた源三と鳥飼は金持ちの少年の金田かねだの依頼で彼が欲しがっている18禁のアダルトDVDをレンタルするバイトを請け負ったのだった。順調にリストに書かれたアダルトDVDを手に入れて行ったかと思いきや、途中で婦警を扱ったアダルトDVDが見つからずに困り果てた二人はあろう事か、婦警達が駐在していた交番にそれを落とし物として探してもらおうと届け出たのだった。言うまでも無く結果は婦警達を激怒されるだけで終わったのだった。





鳥飼「バカ野郎が!二度とこねぇぞこんな交番!だいたいお前らAVに出られるほどの容姿でも若さもねぇだろうが!」

婦警A「大きなお世話よクソ爺たち!今度来たら問答無用で逮捕してやるわよ――――――――!!」

源三「貴様らワシらの払ってる税金で給料もらってる癖にワシらのために働かんとは何事じゃボケ――――!!」

婦警B「なにが税金払ってるよ!アンタ達10年以上無職だって分かってるんだからね――――――!!」

こうして最後まで源三と鳥飼は婦警達と口喧嘩をしながら交番を去って行ったのだった。

源三「しかしどうするのじゃ?『全婦警奴隷化計画』が見つからん限りはバイト代が貰えんぞ」

鳥飼「今ネットで調べたんだけどよ、このAVなんだが、発売日が2005年の11月だぞ!」

源三「11年以上も前のAVではないか!どうりでなかなか見つからわけじゃな……」

余りにも古い作品は、人気シリーズものなどではない限り、レンタル店からも徐々に古い物から外されていくので10年以上前でしかもマイナー作品であるならば見つけるのが困難になるのは当然であった。

鳥飼「こりゃ、下手したらこの街のレンタルDVDショップを隈なく探したところで見つからねぇかもしれねぇんじゃねぇか?」

源三「じゃが、後はこの人作品だけではないか!ここまで来て目の前にきているバイト代をあきらめるわけにはいかん!」

最も、源三たちにそれを探す作戦や手段があるわけでもない。鳥飼の言う通り、虱潰しで置いてあるかどうかもわからないAVを探し回るしかないのかも知れなかった。

鳥飼「警察も当てにならねぇし、一体どうしたらいいってんだ……」

源三「こうなったら各店舗に片っ端から電話をかけまくるんじゃ!ワシらが捜しているAVが残っていないかを探してもらうのじゃ!」

鳥飼「マジか……町中のレンタルDVDショップでAV作品のタイトルを口にしたうえで探させようってか?」

源三「そうじゃ、そうするしかあるまい……」

鳥飼「だ、だがよぉ源三……」

珍しく強面の鳥飼の表情が震える様に強張っていた。

鳥飼「そ、それは町中のレンタルDVDショップの店員たちにまるで俺達が婦警マニアだとか女刑事マニアだって思わせちまうんじゃねぇか!?」

源三「心配はいらん!電話越しなんじゃから顔は見えん!おいてあった店に取りに行くだけじゃろうが!」

鳥飼「分からねぇぞ!声帯認証されてたら声で俺達は町中のレンタルDVDショップで婦警&女刑事マニアの中高年って覚えられちまうんだぞ!」

源三「だから落ち着くんじゃ!一介のレンタルDVDショップが電話応対の度に声帯認証などするか!」

鳥飼「だが……これで全く見つからなかったらそれはそれで、やるせねぇな……」

源三「今更やるせなさなど感じておる場合か!ワシらに今必要なのはプライドや名誉ではなく金じゃろうが金!」

源三は金を手に入れる為にちゅうちょなく、プライドを溝にしてる覚悟を固めたのだった。

店員『もしもし~、こちらゴッドフェラーズと申します~』

源三「AVじゃ!『婦警奴隷化計画』と言う作品が無いか探してくれなのじゃ――――!!」

源三は恥を忍んで電話をした。自分が婦警フェチの老人であると言う、認識が広まるのを覚悟してDVDショップ各店舗に連絡をしまくるのだった。

鳥飼「源三、お前……」

源三「絶対に貴様を駐車違反如きで警察に逮捕などさせんのじゃ!」

鳥飼「うおっしゃ――――!だったら俺も破れかぶれだ!婦警フェチだろうとなんだろうと好きに思いやがれ!『婦警奴隷化計画』のAVはどこだぁー――――――!!」

鳥飼もそんな源三の姿に触発されて形振り構わずに行動するのだった。


そしてその頃宮永家では……

来牙「なんだ、翔?」

来牙のスマホの同級生の遊佐翔ゆさかけるから着信が来ていたのだった。

翔「なんだだって?そう言うオメェの爺さんこそ何なんだよ!なんかあちこちで『婦警奴隷化計画』はどこだー――――――!!とか言いながら騒いでるらしいじゃねぇかよ」

来牙「…………」

この時、来牙はこう思っていた。そうか、ウチの爺さんはもう俺達の身内じゃないんだな、その爺さんはきっともう俺とは縁の所縁も無い老人なんだと。

翔「それって確か昔のAVだったような気がするぜ。あの爺さん一体何でまたそんな古いの見たくなっちまったんだろうな~?」

来牙「話は終わりか?俺には関係のない爺さんの変人エピソードの為に電話してくるなよ」

翔「他人扱いか!ついにあの爺さんお前の中から他人扱いかよ!」





店主「あるよ」

源三「ま、マジでか……?」

源三と鳥飼は虱潰しにあちこちに電話して聞き込みしてを繰り返して、ついに探していたAVを発見したのだった。

店主「これ」

そう言って店員が源三たちに見せたAVのパッケージはまさしく源三たちが捜していた『全婦警奴隷化計画』であった。

鳥飼「やったな源三!俺達はついに見つけたんだ!」

源三「ああ、思えばつらい戦いであったのじゃ……」

源三と鳥飼は振り返っていた、リストに書かれたすべてのAVを入手するために奔走したことを、変態の中年男と熱きバトルを繰り広げて戦いの果てに友情が芽生えたことも。この『全婦警奴隷化計画』の為に婦警と戦い、各地を奔走して精神的に疲弊していたことも。

鳥飼「店主、幾らでレンタルできるんだ?」

店主「あげるよ」

源三「く、くれるじゃと!?」

なんと店主は源三たちが探し求めていた『全婦警奴隷化計画』をくれると言ってきた。

店主「もう、店でレンタルしてる商品じゃないし売っても大した金にならないし、そこまで必死に欲しがってたアンタ達にあげるよ、どう使うかはアンタたち次第さ」

源三&鳥飼「「店主―――――――――!!」」

源三と鳥飼は店主の気遣いに歓喜の涙を流したのだった。

源三「おっしゃ!これでワシらのバイトは完了じゃ!」

鳥飼「これで金をもらえるって事だな、駐車違反の罰金も大学でモノをぶっ壊した弁償代もどうにかなりそうじゃねぇか」

最後に手に入れたAVを手に持って達成感を感じる源三と鳥飼。後はこのことを金田少年に報告してからこれを届けに行くだけであった。

鳥飼「んじゃ、さっそく金田に教えてやるか」

金田少年の携帯に報告を入れようとする鳥飼。

源三「いや~、なんか苦労して手に入れたAVって価値観を感じるのじゃ~」

源三は手に入れたAVのパッケージケースから中身のDVDディスクを取り出して指でくるくると回しながらご満悦だった。それゆえに二人とも気が付かなかったのだった、この二人に迫る新たなる敵の登場に!

源三「へ?」

鳥飼「ん?」

二人の目の前を自転車が横切った時だった、唐突に源三が持っていたAVが消えていた。

中年「ざまーみろぉ―――――!!コイツは慰謝料代わりに頂いたぞ――――――!!」

源三「き、貴様はあの時の!!」

それは源三と食い太郎が『暴走列車!迫る危機の中で目覚める男の欲望!』を巡って対立した中年男だった。

鳥飼「源三!テメェ何盗られてやがるんだ!」

源三「だって、アイツが報復に来るなんて思ってなかったんじゃ――――――――!!」

鳥飼「畜生が!こうなったら自力でアイツを追いかけて取り戻すぞ!」

源三「とっ捕まえて、カメハメ破で月に送ってやるわ!」

源三と鳥飼は自転車で逃走する中年を必死に追いかけるのだった。

中年「バーカ!自転車に走って追いつくわけないだろうが!一昨日来やがれ――――!!」

が、この中年男は理解していなかった、源三たちが目的を達成するためにはいかなる手段も辞さない事を。

源三「この自転車を借りるのじゃ!」

主婦「ちょっと何なんよお爺さん!」

鳥飼「中坊、自転車を貸せ!」

中学生「おっさん何すんだよ一体!?」

源三は主婦から、鳥飼は中学生からそれぞれ強引に自転車を借りるとそれで中年男を追跡し始めていた。

中年「な、なんてやつらだ!お前らさてはその自転車借りパクするつもりだろ!」

源三「DVD泥棒の貴様が言うなー――――!!」

中年「しつこい爺共が!言っておくが俺は既に失う物なんて何もないからな、この先の銭湯で俺は逃げ切る!」

自転車を漕ぐ中年は直進上にある銭湯に向かって突っ込んでいった。そしてその中年が窓を破壊して入り込んだ銭湯では……

女性「イヤ――――――!!変態覗き魔―――――――!!」

少女「さっさと出てけよエロ親父!」

女風呂であった。

中年「どーだどーだ!俺みたいに失う物がない限りはこんな事は出来まい!社会的な地位も何もかもを失うんだからな!」

中年男は源三と鳥飼はこれ以上追ってこれないだろうと思って高を括る。

源三「うひょひょ~!コイツは不幸中の幸いじゃ――――――!!」

鳥飼「AVを取り戻すために奴を追ってたら、マジでAVみてぇな光景に出くわしちまったぜ!」

が、源三と鳥飼は全く躊躇することなく女風呂まで追いかけてきたのだった。

女性「イヤ―――――――!!変態覗き魔―――――――――!!」

少女「さっさと出てけよエロ爺!」

中年「ちくしょ――――!あの爺共も失う物が無い連中だったか!」

男達はあっと言う間に女風呂を走り抜けるのだった。三人ともその表情は心なしか名残惜しそうにしながらであった。

中年「あの爺共!年寄りの癖にしぶとく追いかけやがって!だったらここからはこうだ!」


バッシャーン!←川に飛び込む


鳥飼「野郎!自転車を捨てて川に逃げ込みやがったぞ!」

源三「それがどうしたんじゃ!川だろうと海だろうと何処までも追いかけるんじゃ!」

川を泳いで逃げる中年男一人とそれを同じように泳いで追いかける老人二人。3人のいい歳した男達の追いかけっこは更に激しさを増す。

中年「つ、捕まってたまるか……げっ!」

が、中年は自分が進んだ先は行き止まりになっている事に気が付いていた、しかも近くには梯子が無いので上に上がる事が出来ない。

源三「観念するのじゃ、それを返して大人しく殴られる事じゃな」

鳥飼「ったく、いい加減にしやがれよテメェ……!」

中年「うが――――――――!!こんちくしょ―――――――!」

中年は苦し紛れで自棄になりなんと持っていたDVDを投げ飛ばしていた。

源三「ぎょえ――――――!貴様何をするんじゃ――――――――!?」

中年「ざま―――みろ!お前らが探し求めてたものは川に流されておじゃんだぜ!悔しかったらさっさと探しにぐぼぉ!!」

鳥飼「探す前にテメェをここでぶん殴る!」

既に鳥飼によって殴られた中年であった。





源三「だ、だめじゃ見つからんぞ……」

鳥飼「当然だろ、川に流されてどっか言っちまったんだよ。どっちにしろ水に長時間使ってる時点で使い物にならなくなっちまってる可能性が高いがな……」

折角手に入れた『全婦警奴隷化計画』のDVDを損失してしまった鳥飼と源三、いったい彼らはどうするのか!?


次回に続く!

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