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熱血サッカー少年宮永源三!

~熱血サッカー少年宮永源三!~



源三「おっしゃ―――!!目指すは全国制覇じゃ――――!!」

とある少年サッカーチームの『火の玉ブラスターズ』の新メンバー宮永源三はサッカーに燃える男だった!夢の全国制覇を目指して今日も練習に勤しんでいた!

メンバー「…………」

メンバー「…………」

メンバー「…………」

が、そんな源三の熱意を前にしてチームのメンバーたちは皆、静まり返っており、意気込みの欠片もない状態だった。

源三「お主ら何をしておるんじゃ!そんな覇気の無さで全国制覇など出来るか!そんなんでは夢のまた夢じゃぞ!」

メンバーたちに対して源三は覇気の無さを叱責する。

メンバー「夢も何も、やる気出したところで最初から夢のまた夢だよ……」

源三「なんじゃと!?」

メンバー「ウチのチームのこれまでの戦績を考えろよ、他チームとの試合は全敗、大会では毎回地区大会の初戦負けなんだぜ」

メンバー「そんな俺たちが全国制覇なんて宇宙人に遭遇する確率より低いぜきっと」

そう、この火の玉ブラスターズは弱小だった!試合には全く勝てておらず、連戦連敗を続けてメンバーは減る一方でもはやチームは解散の危機に瀕していたのだった!

源三「ええい!それがなんじゃ!今、弱小でも練習すれば強くなるかもしれんじゃぞ!」

メンバー「無理だっつーの、やっぱり才能ないんだよ俺ら」

メンバー「練習設備だって強豪チームは恵まれてるし、俺らとは大違いだもんな」

源三「才能だとか設備だとかそんな戯言は練習を始めてからの話じゃろうが!ワシはやるのじゃ!何が何でもワシは全国に行きたいんじゃ―――――!!」

そう叫びながら源三は一人で練習を始めるのだった。

メンバー「あいつ何なの?熱血スポーツ漫画の主人公みたいだな……」

メンバー「漫画みたいな事になるかよ、全国行きたいなら強いチームに入るのが一番だな」

源三に対してメンバーたちは冷めた視線で遠くから眺めていたのだった……しかし、源三はそれでも日々をひたむきに練習に打ち込み続けていた。

メンバー「源三の奴、今日も練習してやがるぞ」

メンバー「風邪ひいちまうぞアイツ」

雨の日も雨に打たれながら練習をし続ける源三。

メンバー「ええっ!こんな時間まで練習してるのかアイツ!?」

メンバー「今何時だと思ってんだよ……」

夜遅い時間帯でも練習を続ける源三。

メンバー「あんなにボロボロになってもまだやるってのかよ」

メンバー「アイツ、今までの奴らとは明らかに違うぜ」

ボロボロに汚れても源三は練習止めることはない。そして、そんな源三の姿はやる気を失っていたチームメイトたちを変えることとなる。

メンバー「源三、俺たちも付き合わせてくれないか?」

源三「き、貴様ら!?」

メンバー「やっぱりさ、弱小の俺たちだって夢みたいじゃんか」

メンバー「全国制覇、俺たちがそれやったらスゲェ面白そうだしな」

源三「お主らその意気じゃ!弱小チームが全国制覇で回りを驚かせてやろうではないか!」

メンバー「「「おお―――――――!!」」」

こうして心を一つにしたチームメイトたちは一致団結して練習に励むのだった!練習に練習を積み重ねた彼らは日々力を付けはじめ、やがて他チームとの試合でも勝ち星をあげるようになっていく!

審判「試合終了!3対0で火の玉ブラスターズの勝ち!」

メンバー「うおぉ――――!俺たちが3対0で勝っちまったぞぉ――――――!!」

メンバー「いける!俺たち強くなってる!」

そして、火の玉ブラスターズはついに大会の日を迎えるのであった!まずは地区大会、今まで毎回初戦負けをしていた彼らだったが今の彼らはかつての彼らとは違う!全員が闘志を漲らせて、それに見合った実力を身に着けていたのだった!

メンバー「源三、ありがとうな」

源三「なんじゃ、始まる前からいきなり?」

メンバー「お前が俺たちを引っ張ってくれたから俺たち強くなれたんだも、礼くらい言わせてくれよ」

源三「ふぉふぉふぉ!引っ張ったも何もお主らが勝手についてきただけじゃろうが!」

などと、源三はそんなことを言いつつも心底嬉しそうに笑っていた。そして源三たちは地区大会の参加メンバーの登録を始める。

受付「火の玉ブラスターズですが宮永源三さんは参加できませんね」

源三「な……な……!!」

メンバー「な、なんでだよ!?」

が、そこで驚愕の言葉を突き付けられてしまった!今までメンバーを引っ張ってきた源三がまさかの参加不可能!騒然とするチームに対して受付係は淡々とその理由を述べ始める。

受付「だって、宮永源三さんは68歳ですから。少年サッカーチームの大会に出られるわけありません」

源三「わ、ワシが……68歳?」

そう!源三自身も熱くなって忘れていたが源三は68歳!少年サッカーチームに入っていること自体がそもそもお間違いなのであった!



熱血サッカー少年宮永源三!改め熱血サッカー爺宮永源三!


            完!

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