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第33話 鬼嫁日記更新

~里村忠雄の鬼嫁〇記~




皆さん、私のブログ『鬼嫁〇記』にようこそ。ユーザーのただっちです。妻を持った男性の皆さん。鬼嫁がどんな存在化はご存知でしょうか?

鬼嫁とは旦那が気弱なのを良い事に妻が強権を存分に発揮して夫を甚振り精神を削りに削りまくって暴君のように振る舞うまさに鬼と言う例えが相応しい嫁の事です。そしてこの私、ただっちの妻がまさにその鬼嫁に該当します。

鬼嫁とは20年ほど寝食を共にしている私ですが結婚前に比べて私の身体は酷く痩せ細り、頬も随分とこけて白髪も年相応以上に目立ってきているような気がします。

さて、今回の私ただっちは四回目の更新をしたいと思います。


~鬼嫁の理不尽な怒り、夫の心を鬼嫁は察しない~


娘『アタシね、パパの事だ~いすき!大きくなったらパパのお嫁さんになるの~』

私『そうかそうか~、なら娘の旦那さんに慣れるようにパパもうんとカッコ良くならないとな~』

娘『うん!アタシも美人でナイスバディになってパパとお揃いで美男美女だね~』


私「はぁ……娘は何時になったら結婚してくれるんだろうか……」

私は毎日の日課である娘が幼い頃に撮影したホームビデオを見て、思わずそんな溜息を付いてしまった。

今カメラに写っている愛らしい娘は小学一年生の頃の私の娘です、当時の我が愛娘は口癖に用に私と結婚してくれると言ってくれて、私自身も年甲斐もなくいつかこの娘が私の愛妻となってくれる日を夢見て自分なりに男を磨いてきたつもりでした。

しかし現実とはとても残酷な物であり―――――

鬼嫁「アンタ、またこんな昔のホームビデオ見てたの?いつまでも思い出に浸ってないで今の現実考えてよね!娘ったら本当に勉強とか全然しないで遊んでばっかりであの子の進路とか本当にどうなっちゃうのよ!」

過去の幸せを見て心を癒している私にそんな心無い言葉を浴びせるのは、正真正銘の私の妻、すなわち鬼嫁です。

そう、これが私の現実です。いつか自分の愛娘が愛妻になってくれる日がくると信じつづけていても、私の妻は今も昔もこれからもこの鬼嫁なのです。

私「……いつになったら春は来るんだろうな……」

鬼嫁「春?今はもう6月何だよ!春はもう終わって今は夏だってのに何言ってんだいこの人は!?」

いや、むしろ私の心の中の季節は年中冷たい冬のまま止まっているような気がします。可愛い娘は昔の私との約束なんてすっかりと忘れてしまい、今やあの可愛い娘が私との約束を破って彼氏を作ってしまわないか不安で不安で仕方ない日々を送っています。

そしてそんな私は何を血迷ったのか鬼嫁にその事を口走ってしまったことがあります。鬼嫁は私の不安な心に配慮することなくあっさりとこう言ってのけたのです。


鬼嫁『別に良い事じゃないかい。あの遊んでばっかりの娘に彼氏でも出来たらあの子が少しは変わるきっかけになるかもしれないんだよ』


私「そうじゃないんだ!私は娘には昔のままでいてほしいのに!」

鬼嫁「独り言で何おかしなこと言ってんだいアンタは!娘はもう高校二年生なんだよ!いつまでもバカなことばかり言ってないで娘の進路を真剣に考えろって言ってんだろうがぁ――――――――――!!」

私「頭痛いっす!!」

傷心の私に妻の踵落としが私の頭上に突き落とされた瞬間でした。





私「む、娘に、わ、悪い虫がよ、寄りつかない様にみ、見張るだけだ……!そうだ!決して私は不審者じゃないぞ……!」

翌日、私は会社を休んで娘に彼氏が出来ていないことを確認するべく学校に忍び込んでいました。無論仕事を休むのは褒められたことではありません。

しかし今のままでは私はとても仕事に専念できるような状態ではなかったのです。

そう!私は普段の私を取り戻すためにちょっと学校にこっそりと入って娘の生活を見守っているだけなのです!

私「あ、娘が教室に入っていく……」

予め娘に付けておいた盗聴器の音声が私の持っている受信機に伝わってきます。そう言えば娘には男子の友達もいると聞きましたがまさか恋仲などに発展してないでしょうか?

私「そんなはずはない……!娘は私と結婚の約束をしてくれたんだ……!」

娘との約束を信じて私は受信機から聞こえる音声に耳を貸します。

娘『ライガ君、アタシ今日も案の定歴史のノート忘れちゃったからさ、ちゃっちゃと写させてくれないかな~?』

私「ら、ライガ!?お、男の名前!」

私の心臓が思わず高鳴って破裂しそうになってしまいます。ま、まだ諦めるのには気が早い!この程度の会話で恋仲と決まるとは言い切れないのです!

ライガ『お前はまたなのか?それでまた俺に頼むんだな』

娘『だってさ、ミサキちゃんは意地悪で全然見せてくれないし、カケル君は見せても良いけどその見返りでカツ丼の大盛りを要求してくるし、無償で見せてくれるのはライガ君だけなんだよね~』

どうやら、鬼嫁の言っていた通り、娘は本当に勉強をあまりやっていないようで友達にノートを写させてもらっているようなのです。

私「そ、それにしてもカケルとは一体……」

私が気になるのは娘の会話に更に他の男子の名前が一人入っていたことでした。娘にこれほど男子の友達がいたなんて……悪い芽はやはり今の内に抜き取っておいた方が良いのでしょうか?

ライガ『なら俺も、ノートを見せて欲しかったらお前に学校のプールにダイビングすることを要求する』

娘『何だよその罰ゲーム!アタシがプールにダイビングして誰が喜ぶってんだよ!?30文字以内に説明してみろやああん!』

む、娘がこんな汚い言葉遣いを……?いやいや、落ち着きなさい私、今はそういう事を言っている場合じゃなくて―――――

ライガ『何となく、お前に一方的に頼みごとされるのが癪になっただけだ』

娘『おんどりゃ!表に出てアタシに殴られるかああん!!』

ああ、娘。お願いだから昔の口調で喋って、そうしてくれないと私は自分の娘に対するイメージが変わりかねない。

娘『もう良いよ!マナちゃんに借りてくるから!』

私「よ、良かった……」

ちなみに、今の私の良かったはノートの一件で最終的に女子の友達を頼ってくれていたことでした。

私「……はぁ、我が娘よ。父との約束を何時になったら思い出してくれるやら……」

???「おっさん、こんなところでホームレスだがや?」

私「猿!?」

私は不意にサル顔の人物に声を掛けられたショックで思わずストレートに『猿』と疑問形で言ってしまいました!

猿「失礼なおっさんだがや!オラは猿じゃなくてハトリサルヒコと言う立派な名前が付いとるだがや!!」

私「あ、ああ……失礼しました」

その人物は猿のような顔をしていましたが正真正銘の私と同じ人間でした。

猿「んで、おっさんこないなところで何しとるんだがや~」

私「わ、私はその……不審者じゃありません!」

ああ、それは典型的な不審者の台詞でした、こんなことを口走ってこの猿顔の少年に教師を呼ばれでもしたら一体どうなってしまうのでしょう?

猿「そうだがや?おっさん不審者じゃないだがや?」

私「あ、そ、そうです」

良かった、猿の見た目通りの知能の少年だったようです。

猿「ま、おっさんが誰だったとしてもきにせんだがや、この学校は自由な校風だから誰が入ってきても基本的にはお咎めなしなんだがや~」

私「そ、そうだったんですか……」

どうやら、娘から聞いた通りとても緩やかな校風の学校だったようです。

猿「ウキ!?」

私「どうしました?」

いきなり猿みたいな声を挙げて周囲を見渡す猿少年、一体どうしたと言うのでしょうか?

猿「オラの野生の勘が警告してくるだがや、ここにいたらいかん、オラは早く逃げるだがや(ダッダッダッ)!」

私「は、はぁ……」

何を思ったのかいきなり慌てたかのように走り去ってしまった猿少年、本当に彼は何だったのでしょう?

私「おっと、そんな事よりも娘はどうしているのかちゃんと調べないと」

目的を忘れかけてけていた私は再び盗聴器に耳を傾けようとします。自分で言うのもなんですが娘は可愛らしい容姿をしているので同年代の男子達に声を掛けられていても不思議ではありません。もしそうなったら私は――――――

???「そこの貴様!!そこで一体何をしている!?」

な、何なんです!?いきなり後ろから大きな怒声が響き渡ってきて思わず心臓が止まりそうになってしまいます。私は恐る恐る怒声の聞こえた背後に首を向けるとそこには――――――――

大男「そこで何をしているかと聞いている!返答次第では我が生活指導室に来てもらわねばならんな」

私「ひぃッ!ぷ、プロレスラー!?」

そこにいたのは、プロレスラーのような大男でした!もしかしたら学校に忍び込んだ暴力団員!?。

鬼教師「俺は教師だぞ!!!?」

私「へ?」

何という事でしょう、なんと彼は本当に教師だったようです。

鬼教師「いや、それ以上に貴様、一体その妙な機械で何をしているのだ!?」

私「な、な、何も!そ、それにこの学校は部外者の立ち入りを自由に許していると聞きましたし―――――」


娘『あ~あ、本当に何やってもアタシの胸大きくなんないよ、別に男の子にモテたいわけじゃないけど貧乳好きのマニア向けのキャラだって思われるのもなんだしね~』


私「…………」

鬼教師「…………」

そして最悪のタイミングで盗聴器からはこのタイミングで流れてほしくない娘の台詞。

鬼教師「その盗聴器から聞こえるのは確かサトムラの声……そうか、貴様はウチの生徒のストーカーだったと言うわけか……!」

私「ご、誤解です!私は決してストーカーなのではなくて―――――」

鬼教師「言い訳は生活指導室で聞いてやる!さっさと、付いて来い!」

私「は、放して下さ――――――――い!!」

こうして、私は鬼教師と言う教師に強制的に生活指導室に連行される羽目になってしまいました。





鬼教師「まさか本当に生徒の父親だったとはな……」

私「私はただ娘の事が心配だっただけなんです!日々成長していく娘に彼氏なんていう者が出来てしまったら私との約束はどうなってしまうのかと思うと……」

ようやく娘の父親であることを理解してくれた鬼教師先生ですが理解したら下で呆れるように溜息を付く先生、そんな彼に対して話は必死の泣きの懇願に訴えるしかありません。

鬼教師「しかしお父さん。娘さんも思春期だ、恋をするようになってもそれは仕方のない事だしいつまでも幼い頃に冗談で交わした約束に親が拘っていても仕方ないだろうに」

私「冗談じゃないんです!私は本気で娘が私のお嫁さんになってくれる日を夢見て……うぅ……」

中々私の気持ちを察してくれない先生で、私も心が折れて思わず涙を流さずにはいられません、一体どうしたら私の気持ちを理解してくれるのでしょうか?

鬼教師「もういい……さっき貴方の家の電話番号を調べて奥さんに迎えに来てもらうことにした、奥さんが来たらもう帰ると良い

私「はい?」

今、私はとても恐ろしい言葉を聞いた気がします、この先生は私の家の電話番号を調べて私の嫁に連絡した?私の嫁と言うのは私の無脛の方ではなくてあの鬼嫁?

鬼嫁がこの事を知ったら私はどうなるんでしょうか?そんなのは決まっています、正解は登場と同時に私の顔面を――――――

鬼嫁「アンタぁ―――――――――――ッ!!会社休んで何してるんだと思ってみたら娘の学校に忍び込んで娘を盗聴ダンテアンタは家庭内ストーカーかい!!」

鬼教師「何と!?いきなり気配もなく現れると同時に夫の顔面にアイアンクローだと!?」

今鬼教師先生がおっしゃったとおり正解は私の顔面にアイアンクローでした。

私「お、お願いですから娘には言わないで下さい……」

鬼嫁「そんな話は後回しだよ!今日はちょっとやそっとで許されると思ってるんじゃないだろうねぇ―――――――!!」

結局、私は娘にこの事を黙っててもらう代わりに家に帰った後も鬼嫁から地獄のお仕置きフルセットを受けることになりました。おかげで夕方になる事には私の意識は既に途絶えていたと思います。

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