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第3話 源三のアルバイト!エロと青春を運びます

いつも通り暇な源三は悪友仲間と共にパチンコに行ったがロクな成果が出せないまま店を後にしていた。

鳥飼「クッソ――!ケチな店だぜ!こちとら来週までに駐車違反の罰金を払わねぇと不味いってのによ!」

源三の隣を歩くガタイの良い強面の初老男の名前は鳥飼太郎とりがいたろう。歩行者優先道路で自分の車を3時間以上違反駐車した結果、警察に罰金を要求されているのだった。

源三「頼みの綱であった3千円もこのパチンコで不意にしてしまうとは貴様はやっぱり愚かじゃの~、だははははっ!!」

そんな悪友の危機を源三はまさに他人事であるとして笑い飛ばしていた。

鳥飼「うっせーんだよ源三!テメェだってイスラム教徒の大学生に豚肉食わせて暴走させた結果、そいつがぶっ壊した大学の備品の弁償代を請求されてるらしいじゃねぇか!」

源三「あんなもんワシが払うわけないじゃろうが!奴が豚肉食ったぐらいで大袈裟に騒いで勝手に暴走しただけじゃ!」

源三も鳥飼も金に困って少ない所持金を増やすためにパチンコに入った身であったが、あっけなく惨敗して一文無しと化していたのだった。

鳥飼「とにかく俺もテメェも早く金を用意しねぇと警察につかまったり、裁判沙汰にされちまいかねねぇって状況なんだよ!」

源三「しかしの~、どんなギャンブルをするにしてもじゃ、元手となる金が無くては挑戦する事すら出来んぞ」

鳥飼「んな事は分かってんだよ!全く手詰まり状態だぜ!」

この二人にとっては金銭を稼ぐ手段で最も最初に思いつくのは労働ではなくギャンブルなのである。

鳥飼「俺らの年齢でも出来る、それもスグに金の払われるバイトがあればいいんだがな~」

源三「そんな都合のいい話があるわけないじゃろうが!やっぱり何かしらで一発当てない限りはワシらに望みはない……ほげ?」

鳥飼「どうした源三?」

源三「あれじゃ」

源三が見つけたのは高校生くらいと思わしき少年だった、その少年は源三たちを手招きしていた、そしてその片手には数枚の一万円札が握られていた。

源三「おおお―――――!!あ、あのガキはきっと危機的状況に陥っているワシらを憐れんで金を恵んでくれるんじゃ――――――!!」

鳥飼「そうか!世の中まだまだ捨てたもんじゃねぇな!ありがたく貰ってやるぜぇ!」

源三と鳥飼は金を手に入れようと少年に向かって猛突進する。

少年「お、気が付いたね爺さん達。実は金に困ってるアンタ達に取って置きの話が―――――」

源三「御託は良いから金をもらうのじゃ―――――!!」

鳥飼「おっしゃ!こんだけあれば罰金も弁償代もチャラにして軽く飲み食い出来るぞぉ―――――!!」

少年「アホカ―――――!!ただでくれてやるわけないだろー――――――!!」

少年の持っていた万札を取ろうとした二人に対して少年は大声で人生の大先輩二人に怒るのだった。

源三「なんじゃ紛らわしい!金をちらつかせて一円もやらんとはどういう事じゃ!」

少年「逆切れしてんじゃねぇよ!俺はアンタらに取って置きのバイトを紹介してやるっての!」

鳥飼「バイトだとぉ?」

少年「ああ、成功報酬は二人合わせて5万円だ、どうだい?」

源三&鳥飼「「乗ったぁ―――――!!」」

何故高校生くらいの少年がそんな大金を報酬として渡せるのかとか二人は特に気にすることなく応じるのだった。





少年「俺は金田かねだ。親が大企業に勤めてて金には余裕あるんだけどさ、その分何かと口うるさい親でね、思春期真っ只中だってのにエロいDVDのレンタルすらさせてもらえないわけよ~」

鳥飼「気持ちは分かるが、18歳未満は基本的に借りれねぇからな」

金田「最近は俺が返ってくるたびに何か変なのを持ってないか荷物検査までされる始末だ、そこでさ、アンタらには俺の代わりにこのリストに書かれてるタイトルのエロDVDをレンタルしてきてほしいんだ!」

源三「おお、エロエロDVDリストじゃな」

鳥飼「確かに、『女教師の乱れた学校性活』だとか『妹の生着替え覗いてそのまま禁断の扉に』だとか『女子高生食い放題バスツアー』って、見るからにエロいタイトル揃いだな」

金田「俺の代わりにそこに書かれてるエロDVDをどこでも良いからレンタルして来てほしいんだ、そしたら5万円を報酬として渡す。レンタル代はこっちの3千円で全部借りれるはずだ」

源三「任せるが良い、お主の青春とエロはワシが届けてやるのじゃ」

鳥飼「オメェも約束の報酬の5万円、忘れるんじゃねぇぞ」

金田「おう、頼んだぜ爺さん達!俺の青春とエロを運んできてくれ!」

こうして、源三と鳥飼は少年の為にエロと青春を代理レンタルするバイトを請け負ったのだった。





源三「あったのじゃ鳥飼!『淫乱カフェで生ミルク注文』は間違いなくこれじゃ!」

鳥飼「こっちにもあるぜ、『女教師の乱れた学校性活』だ、ったくあの小僧は学校の若い女教師見てこんなシュチュエーションを想像してやがるんだな」

源三と鳥飼は順調に金田少年から渡されたリストの18禁DVDを入手していた。

源三「しかし、こうしていると懐かしいの~。ワシらも10代の頃はこうやってエロいVHSをどうやって手に入れるかと試行錯誤しておったの~」

鳥飼「ああ、青春の思い出と言ったら真っ先にエロいビデオや本をどうやって手に入れてたかで決まりだな」

このアルバイトで源三と鳥飼は報酬だけでなく青春の記憶も取り戻しているのだった。

源三「おっと、こんなところにリストに書いてあった『暴走列車!迫る危機の中で目覚める男の欲望!』じゃぞ、ここは本当に色んなエロDVDだらけじゃな~」

源三がそのDVDに手を伸ばしたときだった。

中年「ん?」

源三「ん?」

丁度、源三とほぼ同じタイミングで鼻の穴をデカくしている中年男が同じDVDに手を伸ばしていた。

源三「おっとすまんの、ワシが一足先にゲットしてしまって、お主は一週間後に返却されるのを待ってからまた借りに来るが良いわい」

中年「な、なに言ってんだよ爺さん!俺はこのDVDが借りれるようになるのをずっと待ってたんだぞ!それにアンタの方が先だなんて言ってるけど微妙に俺の方が早かったじゃないか!」

何とここにきて源三は見知らぬ中年男と一本のDVDを巡って対立していた。

源三「なにを言っとるんじゃ――――――!貴様の目は節穴じゃ!ワシは松坂の剛速球すら見抜けるこの動体視力でちゃんとワシが僅かに早かったことを正確に見ておったわ!」

中年「そんなのアンタの都合のいいように解釈しただけじゃないか!俺は……俺はずっとこのDVDを手にするのを待ち望んで毎日24時間脳内でイメージトレーニングしてたんだよ!」

源三「イメトレじゃと……?」

中年「そうだ!暴走する列車の中で自分たちの命が残り少ないと悟った時に男達はどうせ死ぬならと己の欲望をむき出しにして若い娘達に牙を向ける!そして俺自身がその場に居合わせたらどんな娘を狙うか!どんなプレイを強要するか!自分自身の体験であるかのように頭の中で想像し続けてたんだ!!」

源三「貴様、働き盛りのその年齢で何を暇人やっておるんじゃ―――――――!!」

中年「問題ない!有給休暇を取っておいた!」

源三「社会人の宝物である有給休暇を何に使っとるんじゃ――――――――!!」

エロの為に貴重な有給休暇を消費した男に対して源三が珍しく突っ込みを入れる側になっていた。

中年「ここでこれを取り逃したら俺は何のために有休を取ったことになるんだ!!」

源三「自分の人生を見つめ直す時間じゃったんだわ!」

中年「うるさ――い!こいつは俺の物だ!俺は暴走する列車に乗って、残り少ない命を史上最高の快楽に費やすんだ――――!!」

源三「これはDVDじゃ!実際にそう言う世界に入り込むわけじゃないじゃろうが!」

中年「イメージで入り込むんだ!俺は、このDVDを見る事によって見ているDVDの世界に疑似的に入り込む術を学んだんだー――――!!」

鳥飼「バードエルボ―――――!!」

中年「うげぇ――――――!!」

鳥飼はエロに対して暑く語りまくる中年男に対して背後からエルボーを仕掛けていた。

源三「よく気が付いたな鳥飼」

鳥飼「気が付くに決まってるだろうが、オメェがこの変態野郎の気を引き付けているすきに俺がコイツを絞めるって策くらいな」

こうして源三と鳥飼は邪魔な変態中年男を始末してDVDを入手したのだった。それからも源三と鳥飼は徐々にリストに書いてあるDVDを集めていく。

源三「あと少しじゃな」

鳥飼「まだ手に入ってないのは『全婦警奴隷化計画』があるな、女刑事物のジャルンで探すか」

源三「ワシは主演女優のコーナーで探してみるのじゃ」

源三と鳥飼は手分けして目当てのDVDを探す。それらしいものがありそうなジャンルを隈なく探してみるのだったが、それは一向に見つからなかった。

鳥飼「ダメだな、ここには置かれてねぇみたいだぜ」

源三「面倒じゃが他を当たるしかないかの……ん?そうじゃ!女刑事というタイトルを見て良い事を思いついたのじゃ!」

鳥飼「どうしたんだ源三?」

いきなり何かを思いついた源三だった。





婦警A「あ~あ、今年のクリスマスも彼氏と過ごせそうにないな~」

婦警B「こういう仕事をやってる内は恋人との暖かいクリスマス何て有り得ないですよ、あるのは寒い仕事のクリスマスだけ」

とある交番では二人の婦警が仕事の事で愚痴り合っていた。

婦警A「サンタクロースは警察官に対しては何のプレゼントも無いわけ?婦警だって警官である前に女なんだから!」

婦警B「よく言いますよね~、先輩クリスマスのパーティーになると男食べる前に御馳走食べるのに夢中になる癖に」

婦警A「うっさいわね、あんたに言われたくないわよ!目の前に食える男が現れないから御馳走にありつくしかないんじゃない!」

源三「婦警さん方、良かったらワシらを食ってみてはいかがかの?」

鳥飼「バカ言ってんじゃねぇよ源三。男が女に食われて溜まるか!俺達がこの婦警どもを食っちまうんだよ!」

婦警達「「ぎゃ―――――――!!」」

女同士の荒んだ会話を唐突に二人の老人に聞かれたことに気が付いて婦警達は驚愕の絶叫をあげていた。

婦警A「お、お爺さん達!そ、そういう発言はセクハラになりますから止めて下さい!」

婦警B「と言うか、用があるなら黙ってないで早く聞いてください!」

源三「いや~、ワシらも用があって訪ねたんじゃが、珍しく交番に若い婦警が二人で何やら負け犬根性丸出しの会話をしておったからの~」

婦警A「こ、こんの爺……!」

ヘラヘラと笑いながら負け犬呼ばわりしてくる源三に対して片方の婦警は拳を握り締めて頭から煙を出していた。

婦警B「お、落ち着いて下さい!警察官が訪ねてきたお年寄りの暴力とかダメですよ!」

鳥飼「源三、あんまり気に障る事を言ってやるな、三十路近い女は焦りやすいんだってわかってんだろ?」

婦警A「私はまだ27歳です!焦って何でいませんから!!」

実は自分の年齢をそろそろ気にし始めていた婦警Aさんであった。

源三「こっちの婦警は本格的に婚活しなくてはいかんのではないか?(ヒソヒソ)」

婦警B「そうなんですよ~、私はまだ20代前半だから良いけど、彼女は三十路まであと2年そこそこだから先の事考えるのが億劫みたいで~」

婦警A「聞こえてるわよ!て言うかなんでアンタまで乗ってるのよ!」

婦警B「あ~、ついすいません~」

源三たちはまだ要件すら伝えていないのに婦警と老人だけの交番は賑やで騒がしかった。

婦警A「で、お爺さん達は一体何の用があってこちらに来たんですか?道案内でしたらこちらの地図を……」

源三「落とし物じゃ!」

正確には探し物であるが、落とし物の方が警察の協力を得やすいと考えた源三は敢えて落としたことにしておいたのだった。

婦警A「何を落としたんですか?」

鳥飼「ちっとな、DVDを落としちまったんだよ」

婦警B「落としたってDVDですか?いつごろか覚えていらっしゃいますか?」

源三「それがワシらも年じゃからな~、大切にしていたはずなのに何時なくしたのか覚えておらんのじゃ~」

こうやって年齢を理由に誤魔化す事でかなり長期間前から保存されていたとしても自分達の物だと後で言い張れるようにしたのだった。

婦警A「それじゃ、そのDVDのタイトルとかは覚えていませんか?」

源三「それなら覚えておるぞ『全婦警奴隷化計画』じゃ!」

婦警達「「………………」」

そのDVDのタイトルを聞いた婦警達はそれがアダルトDVDでしかも自分達婦警を制の対象として扱った作品であると悟って凍り付いていた。

鳥飼「ああ『全婦警奴隷家計画』だよ、そんなタイトルのDVDに心当たりがねぇかって聞いてんだよ!」

婦警A「知るかボケェ!ここはエロDVDショップじゃねぇんだ爺どもぉ――――――――!!」

婦警B「さっさと消えねぇ淫乱罪で捕まえるぞワレェ――――――――!!」

こうして、源三と鳥飼は交番から無理矢理締め出されたのだった。

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