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第28話 大荒れ成人式に大先輩登場!+源三と薮井の作戦会議

~今年も大荒れ成人式?~



成人式とは日本の地方公共団体などが、成人式を行う年度内に成人に達する若者を招き、激励・祝福するイベントである。だが、何時からか、毎年のように一部の成人式会場で一部の新成人がその意味をはき違えて、暴れまわるなどして、何時の日か毎年成人式の日には大荒れ成人式としてニュースに取り上げられる事が恒例と化していた!そして今年の2017年もとある成人式会場で荒れる新成人に混ざる様にとうの昔に成人しているはずの老人が大荒れしたのであった!





2017年1月9日。とある町の成人式会場では一部の新成人たちが酒を飲んで酔っ払ったり会場内を車で走り回るなどの振る舞いが見られていた。

暴走成人「成人式さいこ――――!!」

暴走成人「やんのかコラァ――――!!」

このように暴れまわる新成人たちがいる。そして成人式の会場内でも……

司会者「はい!これから市長のお話がありますので、お静かに!携帯はマナーモードにして静かにしてください!」

このように、市長がすでに新成人たちへの言葉を贈ろうとしている最中であるにもかかわらず、新成人たちの多くが話を聞き流しながらスマホを触っているのである。

暴走成人「今から、二次会行くぞぉ――――――!!」

暴走成人「良いね良いね!もっと飲んじゃいますか!なんたって俺達もう20歳だもんね―――!!」

そんな、我が物顔で暴走する新成人たちの前にその人物は現れたのであった。

鳥飼「おうおう!面白そうな事してんじゃねぇか!俺も是非とも仲間に入れてもらいたいもんだな~」

暴走成人「良いノリしてる……」

その人物を見た暴走成人はあからさまに自分達とは年齢がかけ離れていることに酔っていながらも気が付いていた。何故なら目の前のその老人はどう見ても60歳を過ぎているようにしか見えないからであった。にも拘わらず年甲斐も無く、ヘヴィメタルを思わせるような厳ついコスプレをして暴走成人たち以上に目立とうとしている魂胆が見えていた。

源三「どわはははははっ!!市が開催するつまらん成人式は終わりじゃ!これからはワシらによるワシらの為のワシら流の成人式の始まりじゃ――――――――!!」

そしてもう片方の老人は何を思ったのか坂本龍馬風のコスプレをしているのであった。

暴走成人「…………」

暴走成人「…………」

その余りにも年甲斐も無くはしゃぎ、恥も外聞も無く調子に乗っている老人達を見て開いた口が塞がらない様子であった。

源三「さ~て、お主ら何処に行きたいんじゃ!?今日は新成人であるお主らの為の一日じゃ!何をしようが勝手じゃ!思いっきりはしゃぐがいい無礼講じゃ!!」

鳥飼「どうしたどうした!?テンション上げやがれ!テメェらまだまだ暴れたりねぇだろうが!今から盗んだバイクで走りだしてもいいんだぜ!」

が、そんな老人達の振る舞いもスグに終わる、成人たちの暴走の件で駆け付けた警官たちがひときわ目立っている源三と鳥飼に真っ先に目を付けたのであった!

婦警「そこの、若者に混ざって羽目を外している恥ずかしい老人達止まりなさい!」

婦警「あ、アンタ達この前のエロ爺共!」

それは、源三と鳥飼が以前にアダルトDVDを探すのを依頼した婦警達であった。

源三「げっ!あの時の婦警どもじゃ!」

鳥飼「今度は負けねぇぞ!こっちには大勢の若いバックがいるんだからな!」

と、鳥飼が背後を振り返った時だった。

源三&鳥飼「「誰もいねぇ―――――――――!!」」

先ほどまで騒いでいた暴走成人たちが誰一人として姿を消していたのであった!

婦警「何よ!成人式で騒ぎが起きてるって聞いて来てみたら、騒いでるのは若い子達じゃなくてアンタたち年寄りじゃない!」

婦警「いい歳してみっともないわね!連行するわよ!」

こうして、源三と鳥飼は婦警達によって成人式と言う新成人たちの晴れの場で暴れまくった暴走老人として連行されることになり、その様子を先ほどまで暴れていた新成人たちは遠い目で見てこう思った。

暴走成人「俺達も、そろそろ大人にならないとダメなんだな……」

暴走成人「ああ、50年後にあんな感じの爺さんになりたくねぇからな」

暴走成人「少しずつでも良いから変われる様にならなくちゃな」

こうして、源三と鳥飼を反面教師にした新成人たちは生まれ変わる事を決意したのであった!





前回のあらすじ


源三と薮井はラッキーが発明した画期的な格闘予測プログラムの猛威を見て、それを我が物にしようと企み徒党を組むのであった!そして源三と薮井は友好のあかしとして互いをちゃんづけで呼び合うようになったのだった!




源三「藪ちゃん、よろしくな!」

籔井「源ちゃん、これから頼んだぞ!」

源三と薮井、二人の68歳は互いの両手を取り合ってその場でぐるぐると回り始めていた。

源三「藪ちゃん」

籔井「源ちゃん」

幼女「あのお爺ちゃんたち仲良しなんだね~」

母親「見ちゃダメよ!あれは貴方が思ってるような仲良しじゃないの!」

興味を持った幼い幼女だったが母親の素早い機転でそれ以上そのやり取りを見る事は無かった。そして、そんな源三と薮井は互いに友好的に振舞う素振りを見せつつも内心ではこんな事を考えていたりする。

源三(な~にが藪ちゃんに源ちゃんじゃ気持ち悪い!貴様はワシが格闘予測プログラムをゲットするために働けばいいんじゃ!ワシが圧倒的な強さを手にすれば女も金も思うが儘じゃ!)

籔井(ククク!この天才と友人になったつもりでいるとは身の程知らずが!私はあの天才幼女の発明品を自分のものとして世に発表して栄光と名誉を取り戻すのだ!そうなれば、お前の様な低能な猿とは縁を切らせてもらうとしよう)

源三「藪ちゃん」

籔井「源ちゃん」

源三と薮井、互いに友好的な素振りを見せながらも、その実態は互いを如何に上手く利用し、そしていつどのタイミングで切り離すかを模索し合う関係なのであった!





源三「で、どうやってあの家に忍び込むかが問題なのじゃろ?」

籔井「そうだ、私は何度もあの天才少女の家に入り込もうとしたが、毎回毎回あのドローンによって摘み出されている……」

源三と薮井は宮永家で作戦会議を始めていた。ラッキーの住まいは元々低家賃の借家とだけあって見た目は地味な木造化屋であるのだが、その家の中には様々なオーバーテクノロジーの産物と言える発明品やメカがあるのだから、それらを突破して家に入って調べるのは容易ではなかった。

源三「そのドローンの隙を付けばよいのではないのか?」

籔井「どうやるのだ?あのドローンの視覚はほぼ360度全方位だ。おそらく高度なセンサーで僅かな動きにも反応して侵入者を捉えるのだろう……」

何度も捕まっている籔井はラッキーの家を守るドローンの手強さを体験しているだけに弱気だが、源三は籔井が考えてなかった方法を提案する。

源三「だからそれじゃ!誰か一人がドローンにつかまっている間が潜入のチャンスじゃ!囮作戦じゃ!」

籔井「そ、そうか!あのドローンのアームは精々人間一人を捉えるのが精々だ!」

今まで一人で侵入しようとしていた故にそんな作戦は出来なかったが、二人になった事により今までできなかった作戦が実行できるのである。そして、この作戦を実行するに当たって二人はこんな事を考え始める。

源三(籔井が間抜けにもドローンにつかまっておる間にワシが侵入してみせるのじゃ!)

籔井(源三が囮になっているすきに、例の発明品を手に入れてやる!そうすればコイツに用はない!)

そう、どちらが囮役になるかに関しては最初はなから二人とも互いを囮にすることしか考えていなかったのである!


続く!

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