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第27話 ラッキーの画期的な発明品を狙う老人コンビ結成!

~前回のあらすじ~



ラッキーは来牙に画期的な新発明の格闘予測プログラムを披露するために、一旦地上に出て、適当な不良を挑発するのであった!



不良「オラガキィ!泣いて謝るんなら今の内だぞオラオラ!」

苛立った様子で周囲の人達をなりふり構わずに威嚇していた不良に対してラッキーは水玉をぶつけた結果、案の定不良青年は目の前のラッキーが幼女であるにもかかわらず本気でキレて恫喝し始めていた。

ラッキー「泣かないよ!ラッキーは泣かないの!だってラッキーは強い子なんだから!」

不良「ガキがぁ……!」

全く怯える様子すら見せないラッキーに対して不良青年は顔に青筋を浮かべて怒りを更に高めていた。

不良「おい、そこのオメェ!」

来牙「俺か?」

今度はいきなり来牙を見ながら怒鳴りつける不良青年。

不良「このガキ、テメェの妹か?」

来牙「妹って言うか――――(そうかそうか!オメェの大切な妹だったか――!)聞いてないっと……」

来牙が否定しようとしたが不良は一方的に来牙がラッキーの兄であると決めつけてくる。

不良「大切な妹が大変な目に遭うのを見たくねぇだろ?だろ?そうなるのが嫌なら責任とってテメェが土下座するんだな!ついでに慰謝料として10万円払え!」

ラッキー「お兄ちゃん!こんな人の言う事なんて聞かなくってもいいんだよ!取るに足らない存在なんだから!」

不良「うおわぁ――――――!!」

来牙に矛先を向けた不良青年だったが、ラッキーから取るに足らないと見下されて、怒りに完全に火が付いていた。

不良「ぶっ潰してやらぁガキィ――――!俺に二度と逆らえないようにボコってからおっかねぇオッサン達に売りつけてやるぅ――――――!!」

怒り心頭でラッキーに襲い掛かる不良青年。

ラッキー「お兄ちゃん、手出しは無用だよ!」

来牙がラッキーを助けようとしたのを見てラッキーは即座にそれを制止する。その間にも不良の拳はラッキーに迫っていた。

ラッキー「ラッキーの格闘予測プログラムは間違いなく確実だから」

不良「うらぁ――――――!!」

ラッキーは迫りくる不良青年の拳を来牙にVサインをしながら首を少し傾げて避けていた。

不良「おらおらおらおらおらぁ―――――!!」

ラッキー「この格闘予測プログラムはね、相手の攻撃パターンを事前に自動的に分析・予測してくれてね、脳内にその対策方法をイメージ映像として映し出してくれるんだよ~」

ラッキーは来牙に説明をしながら、淡々と格闘プログラムについての内容を説明しつつ、不良青年の攻撃を楽々と避けていた。

来牙「マジか……」

来牙は自分と同年代以上の年齢と思わしき青年の連続攻撃を10歳の幼女のラッキーが軽々と避けられている有様を見て本日最大の驚愕を隠せなかった。

不良「んなろぉ―――――――!!んなろぉ―――!なんなんだよぉ―――――!!」

ラッキー「対策方法はただ避けるだけじゃなくてね、反撃の方法も教えてくれるんだよ~」

そう言い終えるとラッキーは不良青年が前屈みになったまま拳を振り下ろしたのを避けつつ、不良青年の足元に忍び寄っていた。

ラッキー「えいっ!」


ぎゅうっ!


不良「うげぇ―――――――!!」

そして思いっきり不良青年の股間を鷲掴みにしていた。

来牙「適確に相手の弱点を責めてたな……」

不良青年は悶絶した直後に、その場で倒れてビクビクと痙攣し始めていた。

ラッキー「ね、凄いでしょ格闘予測プログラム~」

来牙「凄いのは良いが、男の股間をお前みたいな幼女がよく躊躇なく鷲掴みにできたな」

幾ら対策方法が脳内に伝わったとしても、それを本人が実行できるか否かは当人の生理的な嫌悪感や精神にも左右されるのだが、ラッキーはそれをものともせずに実行していた。

ラッキー「慣れてますから」

来牙「…………」

ラッキーは来牙の方を向きながらニッコリと笑顔を見せるが来牙は恍けるように目をそらしていた。

来牙「とにかく、本当に大の大人相手にお前みたいな幼女が勝てるくらいに高度なんだな、どうなってるんだ?」

ラッキー「格闘プログラムは今のところナノマシンタイプなんだよ。注射器を打ち込むとね、ナノマシンが体内に注入されてそれが脳内に格闘プログラムを自動で発動できるように活性化させる仕組みになってるの~、一度打ち込んだらだいたい4時間くらいは効果が持続するよ~」

来牙「それがあれば、猛特訓を積んだ歴戦の格闘家も形無しだな」

そんな来牙とラッキーの凄まじい科学技術に関する話を離れた所から盗み聞きしている、男がいるのであった。

籔井「あ、あんな小娘が若い男をあっさりと……あれもあの幼女の天才的な発明品に違いないと思ったらナノマシンを利用した格闘プログラムだと……!」

籔井であった、この男はどうしてもラッキーの天才的頭脳が生み出す発明品を盗作したいが為にまたしてもラッキーの家に向かおうとしていたのだが、その矢先にラッキーが来牙と一緒に外出しているのを目撃したため付いてきていたのであった。

籔井「あれをなんとしても手に入れなければならん!」

そして薮井はその発明品の効力を目の当たりにして、ゲスな欲望が沸き上がっていた。

籔井「くくく!あれを手に入れて売りさばけば私はかつてを遥かに上回る財力と地位を築き上げる事が出来る!」

だが、問題は多かった。ナノマシンを手に入れるにはラッキーの家に入る必要があるのだが、既に籔井はそれに失敗している。あっさりとドローンによって摘み出されたばかりである。

籔井「どうする?やはり単独では難しいのか……」

せめて協力者がいてくれればやり方はあるかもしれないと思っていた薮井に、偶然か必然か、それは訪れたのだった!





源三「あ、あれは是非ともワシが習得するべきじゃ!」

源三は来牙を暇潰しになんとなく闇討ちして、その姿を絵梨に知らせる事によって自分が強いと証明しようなどと子供じみた計画を立てていたのだったが、来牙を尾行していたら幼女のラッキーと2人でで得掛けているのを目撃してそれを更に付けてみたら、ラッキーが自分よりも遥かに大柄で力も強いはずの不良青年を叩きのめす場面を目の当たりにしたのであった。

源三「どういう事になっているのかは知らんがあの力をワシが手に入れればワシは無敵じゃ!来牙どころか世界一の格闘王としてモテモテの大金持ちじゃ!」

そんな風に、ラッキーの強さは天才的頭脳が絡んでいると考えた源三はそれを我が物にしようと悪巧みをしている矢先に、同じようにナノマシンを手似れようと企んでいた源三と出くわしたのだった!

源三「…………」

籔井「…………」

しばらく無言のままで互いに目を向け合う源三と薮井の二人、そして二人は互いに一歩を踏み出して接近すると、右手を伸ばして……


がしっ!←握手をする


なんと、協力関係を結ぶのであった!

源三「お主も、あの天才幼女のあの力の源を狙っておるんじゃろ?」

籔井「確認し合うまでも無い、私はどんな手を使ってでも手に入れるつもりだ」

源三と薮井、両者は互いに己の目的と欲望を叶えるために協力関係を結ぶ!

源三「心の友よ!これからはお主の事を藪ちゃんと呼ばせてくれ!」

籔井「遠慮はいらん!これからは私も其方を源ちゃんと呼ぶが異存はないな?」

源三「勿論じゃぞ藪ちゃん!」

籔井「源ちゃん!共に手を組もう!」

互いに手を握りしめ合って協力を誓い合う源三と薮井の老人コンビであった!

籔井「我らが明日の為に!」

源三「最強になる未来の為に!」

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