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第25話 レジの効率のいい並び方+秘密の研究所に来牙をご案内

世の中にはいろいろな行列があるのである。例えば話題の新商品を買う為に出来た長蛇の行列。発売日前から待ち侘びた人々にとっては何時間並ぶ羽目になっても買いたい代物なのである。

他にも人気飲食店などではよくある事である、特に期間限定メニューやテレビなどで取り上げられると我先に食べたいと食いついた客達による長蛇の行列が出来ているという事はよくある事だ、他にもオープン記念などでは大胆な割引が為されてそれがまた客を引き寄せる事になる。

このように世の中には様々な種類の行列があるのだが、それもネット通販などの普及によりかつてよりは見られなくなったわけだが……世の中にはどうしても中々逃れられず、そしてなんの高騰感も味わえない行列がある、それは、レジの行列である!これはレジの行列に出くわした源三の高度な心理戦である!



※宮永源三の視点



素人参加型番組に出演できなかったワシはどういうわけか家に帰ったら婆さん達に締め出されてしまった。訳が分からぬままワシは取りあえずしばらく外で野宿する羽目になりそうじゃったから、取り敢えず寒さを紛らわすカイロと適当な酒を食い物を買いにショッピングセンターに来ておったのじゃが……

源三「う~む、どのレジも並んでやがるのじゃな~」

ワシが直面したのはこの店で5つあるレジがすべて人が並んでいるという厄介な光景じゃった。まだ正月休みの者も少なくないようじゃった、きっと正月休みと三連休の間に有給を取って大型連休にしておる連中がいるのじゃろうな。

源三「まったく暇人の多い世の中じゃな、ってワシもか!ふぉふぉふぉふぉ!」

さて、爆笑はここまでにしてどのレジに並ぶはそろそろ決めるべきじゃな。素人はここで短絡的に一番並んでいる人が少ない4番の列に安直に並ぼうとするじゃろうがワシはそんな単純ではない。

源三「4番は買い物客の商品が多過ぎじゃな」

そう、4番のレジの客達は全員がおそらく主婦と思わしき中年オバサンたちじゃった!奴らは総じて一度に大量の買い物をする傾向にある故に例え少人数であろうと買う数が多いせいでレジを処理するのに時間が掛かってしまうのじゃ。

源三「4番はダメじゃな、専業主婦はレジの混雑の要因になるのじゃ」

ワシは他の列に目を向けてみる事にしたのじゃ、1番は明らかに人が大勢並んでいるからダメじゃな、論外じゃ。2番は……

源三「おお、人が少ないのじゃ、それに買い物客達の買い物の数も多すぎるわけでもないの」

少なくとも4番や1番に並ぶよりも余程マシと見たと思いワシは2番のレジに並ぼうとした。

源三「い、いかん!」

ワシは2番のレジを見て思い止まった、2番のレジの店員の名札には『研修中』と書かれておったのじゃ!研修中であるという事はまだレジの仕事に慣れておらん店員故に少人数のレジを処理するのにも時間が掛かってしまう傾向にある。

源三「だから、皆この列に並ぼうとしたものが離れておるんじゃな……」

他に買い物客達も一見すると人が少なく、スグに自分の番が来そうな列に並ぼうとして店員の名札の研修中の文字を見て諦めているのじゃ。

源三「だとすると残りは3番か5番じゃな……」

人の数はどちらかと言うと5番の方が少ないようじゃが、どちらもどっこいどっこいで買い物客達の買い物の数も大差が無くどちらが早いか見極めにくいのじゃ。

源三「どっちじゃ……どっちにすればいいんじゃ……?」

これは究極の二択であった、一体ワシはどちらを選択すれば良いのじゃ?と、ワシが懸命に悩んで追ったときに、5番のレジの客達の何人かの話し声が聞こえてきたのじゃ。

客「あ、このレジって買い物する商品の数が10個以下の客限定のレジじゃないか!」

客「マジかよ~、見落としたわ~」

源三「おお!ワシならレジに入れるのじゃ!」

ワシが買った商品は10個以下じゃったからワシはこのレジに並ぶ事が出来る!そうなればこの5番のレジは買い物客も数も、一人当たりの買い物数も少なくてスムーズに進むレジと化したのじゃ!

3番店員「お待たせしました~、カードをお預かりしますね~」

源三「ほげ、この声はどこかで……?」

が、ワシは3番のレジの方の店員の声がどこかで聞き覚えがある事に気が付いたのじゃった。たしかあの声はインコの代わりを買いに行ったペットショップで聞いたような声じゃった。

有紗「合計で4088円になりま~す」

源三「おおー―――――!!」

顔を見てみるとやはりじゃ!ペットショップで思わず口説いてしまった小柄なロリ顔現役JKバイトの有紗ちゃんじゃ!ワシは近くの客達がワシの大声に驚いているのにもお構いなしに驚愕してしまった!

5番店員「それでは次のお客様、こちらに……」

源三「ワシの目指すべきレジはあそこじゃ――――――!!」

5番店員「お、お客様!?」

ワシは5番のレジを担当していたデブオバサンの声など無視してダッシュで3番レジに向かった!男にとってレジ選びで重要なのは早いとか遅いとかそんな事ではない!どんな店員さんと言葉を交わしたいかが重要なのではないか!

源三「ワシとしたことが、うっかり大切な事を忘れるところじゃったぜ」

3番のレジに並んだワシを前の客が気味悪そうな目で見ていたが今はそんな事で怒るワシではない、この前のペットショップの時は急いでおったからゆっくりと話す事は出来なかったが、今回は時間はたっぷりとあるからの。

源三「一体どんな言葉を贈ろうかの~」

気のせいか今のワシはさわやかなイケメン顔になっているような気がしないでもなかったのじゃ。

源三「一緒に橋の下で寝泊まりしないかい?これもありじゃな」

考えてみれば3番のレジに常に列が並んでおるのはきっとこの可愛らしいJK店員目当ての男客達がおるからじゃな。みてみれば3番に並んでいる客達は殆どが男ではないか。

有紗「はい450円のお返しになりま~す」

あの客!わざと右手だけをを広げて、おつりを受け取るために有紗ちゃんと手が当たるように仕向けやがったぞ!何という高等テク!ワシも少しだけ小銭でおつりがくるように払ってあれを狙わなければならん!女子は手と手が触れ合うと大抵は落ちるというからな。

有紗「は~い、お買い上げありがとうござま~す」

そろそろワシの番が近づいてきたのじゃ!口説き文句も定まって来たし手と手が触れ合うシュチュエーションも完璧じゃ!時間をかけてこのレジに並んで、それがいよいよ報われる時が来たようじゃな!

おっさん「有紗ちゃ~ん、そろそろ交代だよぉ~」

有紗「あ、山田さん、もうそんな時間なんだね」

源三「ほ、ほげ……?」

なんじゃ、このメタボ体形で如何にも空気が読め無さそうなオッサンは?誰も貴様など読んでおらんからあっちに行けしっしなのじゃ!

有紗「それじゃ、後よろしくね!アタシはこれで上がるからね~」

おっさん「任せてくれ、このレジは私がちゃんと処理するからさ~」

いやいやいや!なんで交代するんじゃ!ワシはおっさんのレジに並びたくて行列を我慢したわけじゃないのじゃ!

おっさん「お客様、会員カードはお持ちですかな~?」

源三「んなもんあるかボケェ!営業スマイルしている暇があったらさっさと会計済ませんかボケがぁ―――――――――!!」

おっさん「どっひぃ――――!も、もうしわけございませんでした!!」

レジを選ぶにはやはりいかに早く会計が済まされられるレジを選ぶかが重要じゃ、ハニートラップに引っかかると不要な事に時間を費やされるからの!





宮永来牙は天才幼女として一時期話題になった少女の菜畑来季ことラッキーに呼ばれて訪ねてきていた。

ラッキー「お兄ちゃんいらっしゃ~い」

来牙「俺に見せたいものって何だよ?」

ぶかぶかの白衣を身に纏ったラッキーは研究所とは思えない木造住宅に来牙を招いたのである。

ラッキー「えっとね、お兄ちゃんにね」

籔井「頼む!この家の中にある発明品の特許をどれか一つで良いから私に譲ってくれぇ――――――!!」

ラッキーの話は突然の乱入者によって中断された。

来牙「あ、元病院の院長だな……」

それはつい最近、来牙もテレビで鼻をほじる姿を見たラッキーが生まれた病院の元院長の薮井だった。薮井は小汚い身なりで縋る様にラッキーの家に入り込んで特許をくれなどと懇願していた

ラッキー「ありゃりゃ~、元院長さんったらまた来ちゃったの~?」

籔井「何でも言うこと聞くからこの家の中にある発明品の特許が欲しいんだ!一つだけで良い!私を助けると思って頼む!」

来牙「随分と堕ちたもんだな……」

かつては赤ん坊時代のラッキーを利用して自分の為にその頭脳を使わせようとしていた薮井であったが、それに失敗し、今となっては10歳になったに過ぎないラッキーに縋る有様と化した姿に来牙は僅かながら憐れみを感じていた。

ラッキー「そう言われても特許の譲渡は手続きが色々と面倒だからね、残念だけど諦めてね~」

籔井「そんな事言わないで助けてくれ―――――!!」

ラッキー「はい、ぽちっとね」

半泣き状態でラッキーに詰め寄ろうとする薮井だったが、彼がラッキーに触れる事は出来ないのである。ラッキーが何かのスイッチを押すと、薮井の頭上に大きなアームを備えたドローンらしき飛行機が現れてアームで薮井の首を掴んでいた。

籔井「あだだ!あだだだだ!」

そして首を掴んだまま薮井を引きずって家の敷地から遠ざけていた。

来牙「あれは本気で痛いんだろうな……」

ラッキー「バイバイバタフ……じゃなくってバイバイ元院長さ~ん」

来牙「何と間違えかけたんだ?」

ラッキー「もっともっとすごい発明をしてみてね~!」

籔井「私を救ってくれぇ――――!!」

ラッキー「さてと……」

籔井が見えなくなるのを待ってラッキーは来牙の手を握る。

ラッキー「お兄ちゃんに見せたいのがあるから付き合ってね~」

来牙「その俺に見せたいのをアイツにも見せてやったらさぞ喜んだろうな」

ラッキーは人に対する好き嫌いが意外とはっきりしている少女であった!特に籔井を嫌っているというわけではないのだが、来牙個人に対しては誰よりも慕って特別に思っているラッキーであった!

ラッキー「こっちこっちこのクローゼットの中に入って」

来牙「この中にあるのか?」

ラッキー「ううん、ここから研究室に移動するの~」

来牙「どういうことだよ?」

クローゼットの中に入った来牙だったがラッキーが言う事が全く見えなかったと思っていたのだが……


ガタン!ブゥイ―――――!


来牙「って、何の音だ?」

何かが揺れる音が聞こえると同時に機械音が聞こえてきたのであった。

来牙「なんか、動いてないか?」

ラッキー「動いてるよ~、だって今移動中だからね~」

来牙「移動中?このクローゼットが?何処に移動してるっていうんだ?」


ピンポーン


ラッキー「ハイ到着~、これからハッキリとするよ~」

そう言いながらラッキーはクローゼットの扉を開けて外に出る。

来牙「……なんだここ?」

クローゼットの中を開けると、先ほどまでは木造住宅の8畳程度の部屋であったのが、出てみるとどういうわけか広大な広さの建物の中であった。

ラッキー「ようこそお兄ちゃん、ラッキーの地下研究所に!ここを他の人を招き入れるのはお兄ちゃんが初めてだよ~」


続く!

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