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第18話 ついに見つけた宿敵!金返せ詐欺師サンタ!

前回のあらすじ


源三、鳥飼、薮井の三人で自分達をだましてツボを売りつけたサンタ詐欺師の女を捕まえる事を決心したのだが、この時期はサンタのコスプレをした女性があちこちにわんさかいるゆえに詐欺師を捕まえるのは困難を極めた!





源三達はコンビニにたむろする不良たちの様なポーズでコンビニの店内で作戦会議をしていた。言うまでも無く店員たちにとっては迷惑極まりなかった!

源三「どうすればいいんじゃ?サンタの格好をしているだけでは有力な情報になりそうにないのじゃ」

鳥飼「だな、ったくあの女詐欺師の野郎!上手くクリスマスシーズンである事を利用してやがったな!」

薮井「全く警察は何をしているのだ!あんな悪質な詐欺師をどうして野放しにしているのだ!」

半ばや探れた感じになりつつある源三達、コンビニで買った10円の美味い棒を店内でもぐもぐと貪りながら先行きの見えない作戦会議をだらだらと続ける。

鳥飼「あの女、壺を売りたがってるんだろ?だったら壺をもっと欲しいとか大声で言ってみるか?」

薮井「まさか、一度騙した相手を何度も騙すほど馬鹿ではあるまい!」

源三「せめてこの壺が本物の匠の作った壺だったのなら高く売りつけられるんじゃがな~」

が、そんなわけはない、その壺が超高価な骨董品の壺であればあの詐欺師の女が自分で売っているはずなのだから。

中年「あの……あの……あの……あの……」

そんな源三達に対して客と思わしき気弱そうなこけた頬の中年男性が声を掛けてくる。

源三「どうするかの~!警察に被害届を出したらどうにかならんかの~?」

鳥飼「余り期待できねぇな、俺らが壺をただ買っただけで済まされちまいかねねぇ!」

薮井「警察は信用できん!奴らは私の言葉など全く聞きはしない!おかげで私は失脚したのだからな!」

が、源三達は話に夢中なので全く気が付く様子が無かった。

中年「あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……」

中年男性はそれでもなお声を掛け続ける。

中年「あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……あの……」

源三「ってうるさいわぁー――――――――!!」

しつこく『あの……』を連呼し続ける中年男性に対して源三の堪忍袋の緒が切れて大声で怒鳴っていた。

中年「ああ、気が付いてくれましたか……」

鳥飼「否応でも気が付くんだよ!て言うか無視したくても出来ねぇだろうが!」

薮井「態と無視をしているのだと気が付かんか!私たちは暇人ではない!!」

源三だけでなく鳥飼と薮井も声を掛けてきた中年男性に対して怒りをぶちまけていた。

中年「あの……出来ればATMを使いたいので退いてもらえないでしょうか?」

そう、この中年男性はATMを使いたかった訳だが、源三達がたむろしていたのでATMに近づく事が出来なくなっていたのであった。

鳥飼「ったく!ATMだな、何に金使うんだっての!」

それは鳥飼にとって単なる独り言のつもりなのであったが、中年男性はそれに対して律儀に答えるのである。

中年「ちょっと、お金が必要になりましてね下すんですよ」

そう言いながら中年男性はATMにカードを差し込んでいた。

源三「どうせ娘とかのプレゼントじゃろうが!まったくワシの絵梨はもはやワシの事を親であるとすら思っておらんのか……」

源三が絵梨との関係に悩み悲しみながら涙を流す。

中年「ああ、そうじゃなくって、プレゼントの為に必要なお金なんですよね~」

薮井「相当高価なプレゼントを買うつもりか?」

源三達は少し勘違いしていた、これからこの男が買うプレゼントは子供などに渡す為の物であると。

中年「いえ、壺をぶれ全としてもらう為のお金なんですよ~」

それは源三達にとってとても他人事とは思えない話であった。

鳥飼「……壺をプレゼントしてもらう為の10万円だと……?」

中年「ええ~、妻も娘も息子も私に冷たくって、聖夜の朝を一人でフラフラとしていたらそれは見目麗しいサンタの娘さんが10万円で壺をプレゼントしてくれると言うので大急ぎでお金を引き落としに来たんですよね~」

などと能天気に笑いながら自分の身に起きた出来事を話す中年男だった。その姿を見て源三達は自分達も少し前までこの男と同じような状態であったのだと思うと無性に気が滅入ってきていた。

源三「……そうか、ワシらもこの浮かれポンチ男と同じようになっておったんじゃな~」

鳥飼「俺としたことが、なんて様だ!」

薮井「天才である私がバカ丸出しになっていたとは……」

そう、源三達は第三者の目線になる事で自分たちがいかに愚かであったかを痛感させられたのである!

源三「お主、名前は何というのじゃ?」

忠雄「はい、私の名前は里村忠雄さとむらただおと言いますが」

鳥飼「しっかりとそのサンタ女に会って壺を受け取りやがれよ!」

薮井「我々は貴様がプレゼントを受け取る瞬間を遠くで見守っているのだ!」

忠雄「あ、ありがとうございます!」

何故だかわからないが里村忠雄と言う中年男性は自分が励まされているのだろうと考えるのだった。





忠雄「ど、ドキドキするなぁ~」

コンビニのATMで10万円を引き落とした忠雄は緊張した面持ちでサンタガールと待ち合わせている場所に戻っていた。彼はここで10万円を渡してプレゼントの壺を受け取るのである。

忠雄「それにしてもまさかこの年になってこんな素敵なクリスマスが来るなんて人生捨てたもんじゃないな~」

そして忠雄は浮かれまくっていた!自分がこれから壺を買わされるのだと言う自覚は全くない!ただ10万円を渡せば美人のサンタガールから素敵なプレゼントの壺を貰えると考えているのである。

忠雄「母さんも有紗もついでに有幸もあんまりだ、私を忘れてクリスマスを楽しんで……だけどもう泣く必要はない!私だって充実したクリスマスを過ごすんだから!」

そう、忠雄は今年のクリスマスに希望を見出していたのであった!

サンタGガール「忠雄さん、来てくださったんですね~」

忠雄「は、はいはい!待っていました!」

するとそんな忠雄に待ち合わせていたサンタガールが現れたのだった。忠雄にとって普段は全く縁のない若い美女に忠雄は興奮しまくって大きく膨らんだ胸元を思いっきりマジマジとみていた。

サンタG「忠雄さん、10万円は用意してくれましたか?」

忠雄「はい、ここにあります!」

忠雄は口座から降ろしてきたばかりの10万円をサンタガールに見せる。

サンタG「ふふ、たしかに確認しましたよ。メリークリスマス忠雄さん!」

忠雄「はい!め、め、メリクリ!」

緊張しまくっている忠雄は思わず略してしまっていた。

サンタG「この10万円を受け取って、改めて貴方にハッピーなプレゼントを……」

源三「見つけたのじゃコラァ――――――――!!」

が、そんな忠雄にとって一世一代の瞬間に源三達は乗り込むのであった!

忠雄「あ、貴方たちはさっきのお爺さん達!!」

源三「よくやったぞ!貴様のおかげでその女を見つける事が出来たのじゃ!」

忠雄「え?え?」

忠雄は全く状況がつかめていなかった。源三達はこれから自分達をだました犯人と同一人物であろうサンタガールが現れると考えて、忠雄をこっそりと影で見ていたのであった!

サンタG「貴方たち!まさか私を探していたのですか!?」

鳥飼「おうおうネェちゃん!俺達をはめた落とし前は軽くはねぇぞこら!」

薮井「時計を売った金だったんだぞ!返せチックショ―――――!!」

源三「追い詰めたのじゃ!ワシらの金を返してもらうのじゃ!」

決着はどうなる!?被害者の会VS詐欺師のサンタガール!

忠雄「え……あれ~?」

そして置いてけぼりの忠雄であった。

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