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第13.5話 自殺志願者急増中!死にたがり婆さんにご注意

~気を付けろ!自殺したがる人にご用心~



世の中には常日頃から口癖に用に死にたいと言う人間は星の数ほどいる。

会社員「あ~あ、上司には叱られるし、給料は上がらねぇし、中々休みとれねぇし、かといって辞めたところで再就職できるか分からねぇし、もう死にてぇな~」

こんな感じに仕事で苦しみ、毎日のように死にたいと口にし続ける者。

子供「何で僕ばっかり虐められるの?もう死んじゃいたいよ……」

苛めを苦に死にたいと口にする者など、いろいろといるのである。





翔「でな、俺様は思ったわけよ、有紗が寝てる間に軽く仕込み入れてやればさ、アイツあっさりと落ちるんじゃねぇか?」

来牙「やってみたらいいんじゃないか?アイツどういうか知らないが」

宮永来牙はクラスメイトの遊佐翔と思春期の男子っぽい会話をしながら下校中だった。

翔「興味ねぇ振りしてんじゃねぇよ!オメェだってホントは隙あらば食うつもりだろ?」

二人は油断しているがここにも普段から死にたがっている者がいるのである。その人物は既に来牙と翔に狙いを定めていた。

老婆「死にたいんじゃ―――――――!ワシを殺しておくれ――――――――!!」

翔「って、しまったぁ―――――!!ここは死にたがり婆さんの縄張りだったか――――――!!」

来牙「なんだよそのめんどくさそうな婆さん!?」

死にたがり婆さんとは、御年88歳で旦那を亡くして独り身、それ以降気がおかしくなったかのように外に出ては誰かれ構わず人を見つけては『死にたいから殺してくれー―――――!!』等と言いながら絡みまくる、厄介極まりない老婆だった!

老婆「殺し方はなんでもいいんじゃ――――――!!このロープで首を絞めても良いし、いっそのこと海に沈めてくれても構わんから殺してくれー――――!!」

翔「くっそ――――!あの婆さんマジで88歳なのかよ!?あの年でなんつう健脚だ!」

来牙「ウチの爺さんもたいがいだが、あんなおかしな婆さんもいるんだな、これも少子高齢化で変な年寄りが増えたって事なのか……」

絡まれたらめんどくさ過ぎる老婆から来牙と翔は必死になって逃げ続けたのだった。

老婆「み、見失ってしまった!た、頼む!出てきてくれ!ワシを殺しておくれ―――――――!!」

来牙と翔はとっさに近くの中華料理屋に入って身を潜めていた。あの老婆がいなくなるまで何とかやり過ごそうとする。そこに、来牙と翔のクラスメイトの女子生徒の沢渡美咲さわたりみさきが通りかかっていた。

老婆「姉さんや、ワシを殺してくれぇ―――――――!!」

美咲「えぇ!?な、何なのよお婆さん!?」

いきなり見ず知らずの老婆に絡まれて殺せと迫られて困惑する美咲。普段はクールな性格の彼女っだがこの時ばかりは落ち着きを無くしつつあった。

老婆「丁度良い銃を持っておるではないか!これでワシを射殺してくれ!ワシを銃殺刑にしてくれじゃ――――!!」

美咲「こ、これは実銃じゃなくてエアーガンなのよ!て言うかこのお婆さんってもしかして噂の殺してくれ婆さん?」

老婆に絡まれた美咲を見ていた来牙と翔はこれがチャンスだと判断し、一気に逃げる決意をする。

翔「チャンスだ来牙!死ぬ気で走ってあの婆さんから離れるぞ!」

来牙「明日学校で美咲に色々と文句言われそうだな……」

店を素早く飛び出して逃走する来牙と翔。

美咲「あっ!君達待ちなさいよ!このお婆さんどうにかしてよ誰かぁ―――――!!」

老婆「ワシを殺してくれ!銃殺が嫌なら刺しても良い!車で轢いてくれても良い!お願いじゃからお主の手でワシを殺しておくれ―――――――!!」

貴方も死にたいと口にする人にはご用心ください。その人が本当に死んでしまう可能性もありますし、その人があなたに執拗に絡んでくる可能性もあるのでご用心を。

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