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第13話 騒動の結末、スキー山何て大っ嫌いじゃ―――!!

前回のあらすじ


源三は白熊の着ぐるみをして鳥飼に対する報復をしていたのだったが、白熊の正体を怪しんだ鳥飼のトラップによって正体が露見してしまった!怒れる鳥飼は源三に対して反撃して二人は争い始めるが、源三が作った特大の雪玉によって源三、鳥飼、そして源三の協力者の白井は雪玉に巻き込まれる形で坂道を転がりまくるのだった。三人の運命はいかに?





三人「「「どわぁ―――――――――!!」」」

巨大雪玉は三人を巻き込んだまま下り坂をどんどんと転がり続けていた。転がるにつれて雪を吸収してさらに大きくなる。既にこの時点で携帯の電波が入るところまで下っていたのだが、三人にこの状況で携帯を使う余裕などない。

客「ん、なんか上から転がってくるぞ?」

客「あ、あれって……雪玉!?ていうかデカ!!」

ここまで来ると少し高いところから滑ろうとしている客達がちらほらと見えてきた、本来であれば源三と鳥飼にとって待ち望んでいた助けを呼ぶ相手だったがもはやこうなっては彼らを助ける手段などない。

客「なんかデカい雪玉が転がってくるぞ―――!!」

客「な、なんでこんなことに!?」

客達は巨大雪玉におどろき、唖然とする。源三達を巻き込んで転がっている雪玉はそんな客達のそばをあっと言う間に転がっていくのだった。

源三「か、身体が雪に埋まるのじゃ……」

巨大化した雪玉は源三達を頭まで完全に雪で覆い尽していた、源三達には見えていないが雪玉は既に客達が大勢いるところまで転がり落ちていた。

ナンパ男「ねぇねぇ~、俺と一緒に滑らな~い?スキー歴6か月の俺がレクチャーしてやんよ」

女性「ええ~、どうしよっかな~?」

そしてそこには絵梨をナンパした男が他の女性をナンパしていた。そのナンパ男は背後から迫るように転がってくる雪玉に気が付かない。

女性「きゃ―――――――!!」

が、女性の方は方角的に転がってくる雪玉が見えたので大慌てでその場から逃げ出していた。

ナンパ男「おいおい!どうしちゃったのさ~?さっきまで結構いい感じだったのにいきなりそんな叫びながら逃げなくたって―――ぎゃ――――――――――!!」

そして気が付かないまま巨大化した雪玉に潰されていた。

客「な、なんじゃこりゃー――――!!」

客「なんなのよこれ!?」

夜遅くまでスキーをしていた客達は突如として現れた巨大雪玉を目撃して大いにパニックを起こしていた。巨大雪玉はその場に置いてった職員のスノーボードに直撃する。

職員「ひえ――――――!!す、スノーボードがぁ―――――――!!」

雪玉が転がった後には何も残らなかった、スノーボードはあっけなく巨大雪玉によって押しつぶされて使い物にならなかったが、雪玉はそのまま更に地上に向かって転がり続けるのだった。

職員「た、大変だ!このまま転がり続けたら!!」



その頃、来牙達はスキー客用の宿泊施設で暖かいひと時を過ごしていた。

絵梨「来牙君、ココア買ってきたよ。暖かいから飲んじゃお」

来牙「お、態々悪いな、て言うか買ってもらってばかりだな俺……」

絵梨「良いの良いの、アルバイトでお小遣いあるから」

妹の絵梨にココアを奢ってもらう兄の来牙、この兄妹にとっては妹が兄に奢る事は割とよくある事である。

来牙「って、外が騒がしいな」

絵梨「何だろうね一体?」

外が妙に騒いでいる事に気が付いた来牙と絵梨は気になって部屋を出てみる。

楓「ああ、来牙に絵梨かい」

絵梨「お母さんどうかしたの?何の騒ぎなの?」

丁度楓がいたので絵梨が事情を聴く。

楓「さっきね、職員の人から連絡があってね、なんでも大きな雪玉が転がってきてて、このままだとこの宿泊施設にぶつかるかもしれないから気を付けてだってさ」

来牙「なんだよ、なんでデカい雪玉が転がってくるんだ……?」

楓が言った事に大して来牙はなぜそんな事になっているの理解できず、半信半疑だった。

客「おいおい!ひょっとしてあれじゃないのか!?」

客「マジであんなデカいのかよ!」

客の声を聞いた来牙達は小走りで様子を見に行ってみる、するとそこで来牙達が見たのは……

絵梨「あ、あれ本当にこっちに転がってくるよ!」

既に高さが2メートル以上の大きさにまで達しているであろう雪玉だった。源三達を巻き込んだまま巨大化していよいよ宿泊施設まで迫っていた。

来牙「って、このままだとここにぶつかるぞ、とにかく雪玉の進路からずれるんだ」

楓「な、なんであんなことに……」

絵梨「お母さん早く!」

他の客達と同様、来牙たちもほぼまっすぐに転がる雪玉の進路からずれて身の安全を図る。

客「も、もうすぐ来るぞぉ―――――――――!!」

そんな男性客の叫び声の直後、転がり続けてきた雪玉がついに宿泊施設の正面出入り口に激突したのだった。

オーナー「わ、私の店がぁ――――――!!」

其の凄まじい瞬間を目の当たりにし施設のオーナーは頭を抱えて悲鳴を上げるのだった。そして雪玉は直撃の影響で脆くなり、ぼろぼろと崩れるとその中から二人の老人と一人の苦学生が出てきた。

源三「ど、どうやら……と、止まったようじゃぞ……」

鳥飼「なにがどうなってんだ?ここはどこなんだ?」

白井「い、生きてる!僕たち生きてますよ!死んでない!生きてる!生きてるって素晴らしぃ――――――!!」

が、源三達は気が付いていなかった、自分達が仕出かしてしまった事態の重さに。



数時間後



キャスター「ご覧ください!北海道の人気スキー山で知られるこちらの宿泊施設ですが、巨大な雪玉が正面出入り口に直撃して扉が完全に破壊されてプロント一帯が雪塗れの状態と化しています!」

テレビ局は人気スキー山で起きたこの騒動を聞きつけて取材に来ていたのだった。

キャスター「そして、あちらが今回の事故を引き起こしたと思われる3人です!」

その3人は施設の関係者たちに囲まれて詰め寄られているのだった。

オーナー「ワシの店をどうしてくれるんだ!アンタ達責任を取ってもらうからなぁー―――――!!」

源三「待て待て待て!すべてはこの鳥飼と言うバカがワシを白熊から見捨てたことから始まったんじゃ!」

鳥飼「何言ってんだ源三テメェ――――――――!!あの雪玉作ったのテメェだろうが!」

責任を巡って源三と鳥飼は互いに擦り付け合いを始めていた。

オーナー「何が白熊だ!そんなのがこの雪山に出るわけないだろうが!」

白井「もう許してください!僕には奨学金で作った借金が1080万円になるんです!弁償何てとても無理ですよぉ――――――!!」

オーナー「喧しい泣くな!泣きたいのはこっちなんだ!」

泣き喚く白井だったが当然オーナーの怒りは全く収まらなかった。

源三「そもそも白井よ~、ワシを驚かした白熊の正体はお主じゃったよな~?」

鳥飼「そ、そうだ!そもそもの発端はそいつじゃねぇか!オメェどうする気だよ、ああん!?」

が、そこで争っていた源三と鳥飼は共に責任の矛先を白井に向ける。

白井「そんな二人とも酷いですよ――――!この鳥飼って人をもっと驚かそうとか言ったのは源三さんですし!その源三さんを見捨てたのは鳥飼さんじゃないですか――――――!!」

オーナー「黙れ黙れ黙れぇ―――――――――!!全員同罪だ!絶対に許さんぞぉ――――!!」

職員「ぶっ壊れたスノーモービルも忘れたとは言わせないぞ!」

源三「ま、待て待て!ぶっ壊れたスノーモービルって何のことじゃ!?」

それは雪玉に巻き込まれて破壊された雪玉であったが、その時すでに全身を雪に覆われていた源三達は知る由も無かった。

源三「なんでワシがこんな目に!スキー山何て大嫌いじゃ――――――――!!」

白井「あ、それってこ○亀でよくあった落ち?」

鳥飼「俺はテメェらが殺したいくらいに大嫌いだよ!!」

その頃、源三の家族である来牙達は関わり合うのを嫌がり既に帰宅していたのであった。


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