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第10話 スキー山に家族旅行!しかし遭難にはご注意を

ここはスキー山であった。この時期はスキー目当ての観光客たちで賑わっており、宮永家の面々も一家揃って久々の旅行で一泊二日のスキー旅行として来ていたのだったが。

源三「鳥飼ぃ――――――――――!!なんで貴様がここにおるんじゃ!我が家の団欒の邪魔じゃコラ―――――!!」

鳥飼「うるせぇうるせぇ!俺は前々からここで颯爽と華麗に滑ってやるって決めてたんだよ!テメェこそ俺の舞台に入り込んでるんじゃねぇよ!」

偶然にも悪友の鳥飼も来ており、顔を合わせるなり二人は勝手に下らない言い争いを始めていた。

絵梨「来牙君スキー初めてだよね?」

来牙「お前だって初めてだろ、まぁ、初心者コースってのがあるからそこで練習してみるか?」

楓「私はあんまり滑る自信は無いから、ここで来牙と絵梨が滑るのを見守ってるね~」

源三と鳥飼には全く構う事なく来牙達はスキーを楽しもうとしていた。ちなみに、こういう場所にはちゃらつた若者が可愛い女の子目当てで訪れる事も多々あったりする。

チャラ男「君初心者なんだ~、俺達スキー慣れしてるから色々と教えてあげるぜ~」

絵梨「え……」

こんな感じで絵梨は馴れ馴れしい感じの男にナンパされていた。

絵梨「あの、アタシ達自分たちの力でここのスキーインストラクターの人に教わるから結構です!」

チャラ男「大丈夫大丈夫!面倒見るのは君だけだから俺で十分!」

チャラ男は来牙には当然用が無く、絵梨だけを連れて行こうと目論んでいるのである。

源三「貴様ぁ―――!ワシの可愛い孫娘に何の用じゃボケコラァ――――!!」

絵梨がナンパされている姿を見た源三が全速力で走って絵梨を助けようとする。

源三「ぎゃ――――!滑るのじゃ――――!」

が、雪道で源三はあっさりと滑って転倒してそのまま転がっていた。

チャラ男「だっせ―――!だはははは……ってこっちに来るんじゃねぇ――!!」

転がった源三はそのままナンパ男の方にごろごろと転がってナンパ男は絵梨から離れざるを得なかったのだった。





源三「か、身体が冷えるのじゃ……」

楓「おかみさん、態々すみませんね~」

来て早々に全身雪塗れになった源三を暖める為に結局スグに民宿で休ませることになったのだった。

おかみ「いえいえ、この人みたいなのってよくあるんですよね~、スープ飲んで温まってください」

鳥飼「全く、人騒がせな野郎だぜ!テメェ一人のおかげで一家団欒が台無しだな」

源三「黙らんか!貴様だけでもさっさと帰れ!」

鳥飼「付き合ってられねぇ、俺は颯爽とスキー山を滑って女共もついでで掻っ攫ってやるぜ」

源三「女共をじゃと!?」

鳥飼「当り前だろうが、スキー山ではスキーで華麗に滑る男がすべての頂点に立つに決まってる!女もスキーで手に入る世界だって事なんだよ!」

源三「なにー――――!!」

鳥飼の思い込みの話を真に受けてショックを受ける源三だった。

源三「ええい!貴様などに好き放題させてたまるか!スキー山で頂点を極めるのはワシじゃワシじゃワシじゃ!」

鳥飼「アホか!無様に転がってたやつがかっこつけてんじゃねぇ!」

源三は鳥飼と競うように民宿を飛び出して、なるべくスキー山のてっぺんの方から滑ろうとするのだった。

絵梨「お父さんったらさっきまで寒い寒いって震えてたのに……」

来牙「もうそんな寒さ忘れてるだろあの爺さんは」

絵梨「一番上の方から滑るって言ってたけどどれくらいのぼるのに時間かかるのかな?」

来牙「頂点の方はロープウェイでも行けないって聞いたからな、軽く1時間はかかるんじゃないか?」





源三「あ、あれ?スキー美女たちは何処じゃ?」

鳥飼「スキー美女どころか人っ子一人見当たらねぇな……」

こんな頂点付近までのぼる物好きなど基本的にはいない。源三達は女性たちにモテる為に高いところから華麗に滑るつもりだったが、もはやここでは誰も見てくれそうになかった。

源三「てか寒いわっ!ど、どうなっておるんじゃ!?」

鳥飼「くそ~、流石に高いだけあって下の方に比べて、冷えてやがる!」

源三「どうするんじゃ!こんなところで滑ったところで美女たちは誰も見ておらんぞ!」

鳥飼「と、とにかくもう一度降り直すしかねぇ、滑って降りるぞ!」

歩いて降りるのもバカらしいので、源三と鳥飼はスキー板を取り出して滑って降りる事にした。

源三「さてと、早速滑走してやるのじゃ」

鳥飼「ってそれはスキー板じゃなくって小さい平均台じゃねぇか!」

源三「な、なんじゃと!?」

源三は当たり前のように滑るのに使おうとしたのは完全なる平均台だった。

源三「おのれ――!騙されたのじゃ―――――――!!」

鳥飼「テメェが勝手に間違えただけじゃねぇか?てか、スキー板と平均台を間違える奴がいるか!!」

鳥飼は源三の大間違いに呆れながら自分のスキー板をはいて、それで滑って降りようとする。

源三「ま、待て待て!ワシはどうするんじゃ!?」

鳥飼「ビーチクバーチク騒ぐんじゃねぇ!お前に構ってられるか!俺が先に下に降りてオメェがスキー板と平均台を間違えて頂上から降りれなくなったって教えてやるよ!」

源三「とか言って、ワシを見捨てて自分一人だけ助かるつもりか!?そうわいかんぞ――――――――!!」

源三は鳥飼を一方的に疑って、一人で逃げるのを阻止しようと、鳥飼に掴みかかっていた。

鳥飼「ば、バカ!こんなところで騒ぐんじゃねぇ!まだスキー板をしっかりとはいてねぇ!どわぁ!」

源三が掴みかかってきたせいで鳥飼は源三に押し倒される形で転倒していた。そして鳥飼がはこうとして足を乗せていたスキー板は重みを失い、そのまま下り坂なので自然と勝手に滑っていく。

鳥飼「どわぁ―――――――!!俺のスキー板がぁ――――――――!!」

源三「馬鹿め!自分だけ勝手に逃げようとした報いじゃボケ!」

スキー板を失い慌てふためく鳥飼とそれを見てあざ笑う源三。

鳥飼「バカはテメェだろうが!」

そんな源三に対して怒りのストレートパンチを食らわせる鳥飼。

源三「ぎえー――!なにすんじゃ―――!?」

鳥飼「テメェのせいで俺まで降りれなくなったんだよ!俺が先に降りれば助けを呼びに行けたんだよ!」

源三「何を言っとるんじゃ?助け何て携帯で呼べばいいじゃろうが!文明の利器を使わんか!」

そう言いながら源三はスマホを取り出して電源を入れる。そして、早速絵梨に通話をしようとするが……

源三「え……け、圏外じゃって?」

鳥海「当たりめぇだ!ここは頂上付近なんだぞ!流石に電波の範囲外だって分かるだろうが!」

源三「ど、ど、ど、ど、どうするんじゃ―――――――!!わ、ワシら完全に助けを呼ぶ手段を失ったのじゃ―――――――――!!」

鳥飼「だから俺が先に降りて助けを呼びに行くって言ったんだよバカたれが!」

今更になって取り返しのつかない状況になってしまった事に気が付いて慌てふためく源三だった。源三の平均台など当然当てになるわけも無く、自力で滑る事は不可能となってしまった。

鳥飼「ったく、こうなったらまた時間かけて自力で降りるしかねぇぞ。取りあえずロープウェイを見つければ良いんだ!」

源三「も~、ワシはここに登るので疲れ果てたのじゃ―――――!!暖かいおでんが食いたいのじゃ――――!!」

鳥飼「うるせぇんだよ!テメェのせいでこんな状況下になってんのに文句言ってんじゃねぇ―――――!!」

源三「ぎえー――!またやりおったな貴様!」

鳥飼「元はと言えば全部お前のせいなんだよ!!」

鳥飼は源三に対する苛立ちが止まらず蹴りを入れる。源三もそれに対して怒りに火が付いて鳥飼に尻アタックで仕返ししていた。

源三「死ね!死ね!10年前に死ね!」

鳥飼「4丁目の曲がり角でくたばりやがれ!」

源三と鳥飼は雪山の山頂付近でしばらくの間罵倒し合いながらの喧嘩を続けたのだった。





鳥飼「なぁ……止めにしねぇか?つうか寒くてもう動きたくねぇ……」

源三「ようやく貴様と意見が一致したな、ワシらの生命線を更に短くしてしまったわ……」

無駄で不毛な争いであったことに気が付いた源三と鳥飼は取り敢えず一旦大人しくすることにした。二人が無駄な争いをしている間に日は暮れて、更に気温は低くなってしまっていた。

鳥飼「とにかく、少し降りて携帯の電波が通じるところまで進むぞ」

源三「そうじゃな、助けを呼ぶのじゃ。戻ったら絵梨に膝枕をしてもらわなけらばならん……」

源三と鳥飼は下山すべく、リュックにあった懐中電灯を使って下り坂を照らした。

白熊「ぐるるるるるる……!!」

源三&鳥飼「「…………」」

ライトを照らした先にハッキリと見えたのは体長が2メートルくらいありそうな白熊であった。白熊はライトに照らされると源三たちの方を向いて、唸り声をあげていた。

源三「たたたたたたたたたた」

鳥飼「すすすすすすすすすす」

源三「けけけけけけけけけけ」

鳥飼「てててててててててて」

二人はその直後、登り坂を斜め上方向に向かって方向転換する。

源三&鳥飼「「助けてくれぇ――――――――――!!」」

そして白熊から逃れたい一心で必死に疾走していた。

白熊「グオォ――――――!!」

源三達の背後からは白熊の激しい唸り声が聞こえてきていた。

源三「なんでじゃ!?なんでスキー山で白熊なんじゃ!?そもそも日本白熊なんておらんはずじゃ――――!!」

鳥飼「雪で体毛が白くなってるだけかもしれねぇがとにかく問題なのは目の前にクマがいるって事なんだよ!」

源三「ど、どうすればいいんじゃ!奴の方が絶対に足が速いはずじゃ!」

鳥飼「仕方ねぇ……こうなったらあれをやるぜ!」

源三「あ、あれとはなんじゃ!?」

鳥飼は一旦立ち止まると足払いを仕掛けるのだった。

源三「あいた――――――――!!」

源三に対してだった。

鳥飼「あばよ源三!オメェが食われてる間に俺が逃げ切ってお前の分まで生きてやる!地獄でも達者で暮らせよ!」

源三「鳥飼ィ―――――――!!ワシが死んだら貴様も呪い殺して地獄の底に落としてくれるわぁー――――!!」

あっさりと源三を囮にして生き延びる方法を選らんだ鳥飼であった。先に逃げていく鳥飼に恨みの言葉を吐き続ける源三だが、それも長くは続かない。

白熊「ぐるるる!!」

源三「あ、あららららら、早かったんですねぇ~」

すぐ背後に白熊が迫ってきていた。源三は鳥飼によって倒されたまま足がすくんで立てなかった。

白熊「ぐおぉ―――――!!」

源三「ぎえー―――!鳥飼め必ず呪い殺してくれるわぁー―――!!」

断末魔の叫びと恨みの言葉を大声で発した源三は勢いで腹と尻にも力がこもった結果。


ぶっぶぶっぶぶぶぶっぶっぶっぶぶぶぶ―――――――――!!


人生でもトップクラスの長くて盛大なオナラをしたのだった。

白熊「ぐおえー――――!!臭い臭い臭い!臭い臭い臭い!クッサァ――――――――!!」

源三「は?」

すると、背後から迫っていた白熊が日本語で源三のオナラをハッキリと臭いと叫びながら悶絶していた。

白熊「おえぇ―――――!何食ったらこんな臭いおならするんだ!くっさ――――!」

源三「何者じゃ貴様コラァ―――――!!」

白熊「ひぇ――――――!す、すいませんでした――――!!」

源三に凄まれたその白熊はあっさりとリアルな着ぐるみに入った人間である事を認めたのだった。

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