ショート劇場 運転講習に挑戦した絵梨
~ショート劇場。教習所で免許を取ろう!~
ここはとある自動車教習所、この教習所に一人の受講生が免許を取るために来ていた。
教官「では、これより自動車教習を始めます」
絵梨「はい!宮永絵梨です!一生懸命頑張ります!」
教官「それでは、早速車に乗ってください」
絵梨「はい!」
受講生の少女、宮永絵梨は教官の指示通り車に乗る。
教官「宮永さん」
絵梨「はい!」
教官「なんで後部席に座ってるんですか?」
絵梨「はい!」
が、運転席に座ると言う前提を理解できずに後ろの席に座る絵梨だった!
教官「ハイじゃなくて、運転席に座りなさい。あなたが実際に運転してみて技能をテストするんですから」
絵梨「はい!」
絵梨はようやく運転席に座る。それを見てから教官は隣に座る。
教官「では、エンジンをかけて下さい」
絵梨「はい!」
教官「さっきからはいとしか言いませんね……」
取り敢えず絵梨はエンジンをかける。そして順調に足ブレーキの解除もして、ニュートラルからドライブに変速機を変更していた。
教官「よろしいですね、それでは前に進んでください」
絵梨「はい!」
が、絵梨はシートベルトを外すと車から出ていた。
教官「あれ?宮永さん?」
絵梨「前に進みます!」
教官「ちょっと!前に進むって言うのは貴方じゃなくって車で前に進むって事ですよ!じゃなきゃ車の技能実習にならないでしょ!」
絵梨「ごめんなさい、理解できませんでした」
教官「理解できなかったにしろ凄まじい勘違いですね……」
厄介な受講生を担当してしまったと思いつつも教官は実習を続ける。
☆
教官「それでは、次はバックの練習です。」
絵梨「え?」
教官「バックですよバック、バックをやってください」
絵梨「イヤァ!」
教官「え、なんで!?」
いきなりバックを激しく拒否する絵梨に教官が戦いていた!
絵梨「イヤ!イヤイヤ!ただ車の技能実習担当になっただけのオジサン相手に絶対に嫌!セクハラで訴えますよ!」
教官「ちょっと!何勘違いしてるんですか!?そういう性的な意味でのバックじゃなくて車をバック駐車してくださいって言ってるんです!」
絵梨「あ、車を駐車するためって事ですか?」
教官「むしろ車の技能実習の最中なんだから他に有り得ないじゃないですか……私をセクハラ教官に仕立て上げないでください」
不安を抱えたままさらに実習は続く。
☆
教官「え~、それでは、今度は難しいですよ。S字カーブを曲がってもらいます」
絵梨「はい!」
そのS字カーブは初心者である実習生が運転する事を考慮して車が当たっても問題が無い床に置かれたロープで作った簡単なものだった。しかしタイヤで踏んだらすぐにわかる様に音が鳴る仕組みになっていた。多くの実習生はここで躓く事が多い、さっきから勘違いばかりの絵梨にこれは無理だろうと教官は考えていたのだが……
絵梨「出来ました!」
教官「ええ!さっきまでダメダメだったのに何でここだけあっさりと出来ちゃうんですか!?」
絵梨「ゲーセンのレーシングゲームでS字カーブのやたら多いコースがあったから」
教官「そ、それでは、最後に車を元の位置に駐車してください」
絵梨「注射ってこれですか?」
教官「それは医療器具の注射でしょ!て言うか何でそんなの持ってるの!?この子大丈夫なの!?合格させちゃって良いのか悪いのか判断に困るんだけどー―――――!!」
ちなみに、彼女は実はまだ16歳である事が判明して運転講習自体が無効になりました。
………
……
…
来牙「爺さんばっかり目立ってるからたまにはこんな番外編でも良いから出番が貰えてよかったな」
絵梨「アタシあんな馬鹿じゃないよ!番外編のショート劇場だからって酷くない!?」




