第74話 海江田さんです+源三の耳から耳沢!
※海江田さんですから!
海江田「う~ん、こっちの掃除機の方が指紋が少ない気がするんだよな~」
彼の名前は比べっこ海江田、一般人が普段ならまったく気にしないような些細な事でも彼は事細かに比べっこしてその違いを見つける男である。
店員「あ、あの、お客様。そちらの商品はどちらも同じなのですが~」
海江田「そうかな?君にはわからないかな?同じ種類とはいえ人が作った物には少なからず誤差が生じるはずさ、僕はそれを逃さない!」
比べっこ海江田は電化製品店にやってきており、掃除機を買うつもりだが。店で一番安い掃除機を長々と見比べている。
店員の言う通りどちらも全く同じ種類の掃除機なのだが、海江田は外見にわずかな違いなないかと先ほどからしつこく確認している。
海江田「合ったじゃないか!ここに二つの掃除機に確かな違いがあったじゃないか!」
店員「はぁ、どちらでしょうか?」
一応店員も少しは気にする素振りを見せて、海江田が見つけた違いを聞こうとする
海江田「ここだよここ!こっちの掃除機には掴むところに埃が微妙についてるけどこっちの方にはもっと少ない!僕だったら絶対に少ない方を買うよ!」
店員「……では、そちらの埃の少ない方で宜しいでしょうか……?」
それは本来なら人間の肉眼では決して分かりようのない違いだが、比べっこ海江田は顕微鏡を使ってその僅かな違いを発見していた。
海江田「やれやれ、ちゃんと調べて良かったよ危うく埃の多い掃除機を買ってしまうところだったよ」
店員「お買い上げありがとうございます」
こうして、海江田は2時間以上の審議の結果、一台の安物の掃除機を購入するのだった。
☆
海江田「さて、比べるものはまだまだ沢山あるからな~」
比べっこ海江田はこの日は特にやる事がなく暇を持て余して外をウロウロと歩いていた。
セレブA「ウチのわんちゃんは血統書付の高級犬なのですわよ~」
セレブB「あらまぁ、私のわんちゃんもサラブレッドで高かったんですわよ~」
海江田が見つけたのはいかにもセレブと言った感じの中年女性2人が、ペットである高級犬を自慢し合う姿だった。
海江田「う~ん、どっちが高いんでしょうね~?」
セレブB「な、何なんですの貴方は!?」
セレブA「汚い手でウチのわんちゃんに触らないでくださいます!」
そんな中にノウノウと入り込んで、二匹の犬に触り始めるくらべっこ海江田。当然ながら二人の買主から顰蹙を買うことになる。
海江田「どっちも言い餌食べてるみたいですね」
セレブA「当然ですわ、この子の食費は一日で3000円以上は掛かっていますわよ」
セレブB「ウチの子の食事はプロのペット専用のシェフに毎日作らせてございますわ」
二人のセレブは揃って飼い犬の餌の自慢をし始めていた、そんな話には全く興味のない海江田は思ったことを包み隠すことなく口に出す。
海江田「やっぱりそうでしたか、道理で二匹ともぶよぶよに太ってるわけですね、どっちも腹に溜め込んだ脂肪が目立ってますこと」
セレブ達「「なんですってぇ――――――――――――!!」」
自分達のペットをデブ呼ばわりされて二人のセレブは揃って怒りを露わにしていた。
しかし海江田の審査はまだ終わらない。
海江田「もともとの値段はこっちの方が少しばかり高かったかもしれないけど、いかんせんこれだけ太ってると犬としての商売価値も下がってるだろうからな~、だけそそれは両方とも同じか~」
言いたいことを全く遠慮することなく、海江田はズケズケと辛口評価を下し続ける。
海江田「この犬、この体たらくじゃ売りに出してもどっちも売れずに最終的にタダ同然で払い下げになる事になりそうですよ」
セレブA「バカを言わないでちょうだい!家の子は高級ペットショップで40万円も払って買ったんですわよ!それをただ同然で引き払うなんて冗談じゃないわ!」
セレブB「私の子なんて、私のもとでの生活で美しさに磨きがかかってますます価値のあるゴージャス犬になっているに決まっていますわよ!」
海江田「では、これにてさよなら~」
セレブ達「「お待ちなさい!」」
二匹の犬にどちらもただ同然と言う評価を下されてセレブ達の怒りは収まらないままに海江田は次のターゲットを探して勝手に出歩くのだった。
☆
少年「俺の方が高いよ~」
少年「僕の方が少し上だってば!」
海江田「背比べか、子供の頃は夢中になるんだよね~」
次に比べっこ海江田が見つけたのは背の高さを競い合う二人の子供たちだった。
海江田「やれやれ、今日は仕事の多い日だよ」
自分の出番だと勝手に名乗り出るかのように、海江田は言い争う子供たちの中に堂々と張り込む。
海江田「ほらほら、無駄な争いはやめなさい。この件に関しては私が厳正な診断しなくてはいかないな」
少年「俺の方が1㎝高い!」
少年「僕の方が高いにきまってるだろう!」
海江田「はいはい、おチビさんたち、小さい争いはここまでにしなさい」
少年「なにぃ!俺たちがおチビさんだと?」
ショウね「んだよおっさん!勝手に割り込むな!」
勝手に話に入り込むなりチビ呼ばわりする海江田に対して子供たちは食って掛かっていた。
海江田「え~と、何々?背の高さの違い?う~ん、君たちは体の大きさ以前に心の大きさをどうにかすべきだね」
少年達「「は?」」
海江田「そもそも背の高さなんかで争ってること自体がね、君たち揃って幼稚なんだよね」
少年達「「…………」」
得意げな表情で子供たちに説教を始める海江田、そんな子供たちの静かな怒りに気が付かないまま海江田の話は続く。
海江田「他に気にすることとかないの?成績の事とか、自分たちが大人になった時の事とか」
少年「……ボコるか?」
少年「顔は止めとけよ、後で面倒になるからな」
海江田「そんな色々とやるべきことがある君たちが、何を背の高さ云々で競い合って(ポコポコ)グヘ」
一人に一発ずつの腹パンチを決められて海江田はその場に倒れ込むのであった。
~耳から現れた謎の男!~
源三「うんばぼ!うんばぼうんばぼ!」
源三はうんばぼダンスを楽しんでいた。彼にとってのマイブームなのだった!
源三「ここで読者の諸君にも、うんばぼダンスをレクチャーしてやるのじゃ!」
※誰でも楽しく踊れるうんばぼダンス!
①踊りの基本は体力づくり、まずは体力を付けましょう。以下のトレーニングメニューを毎日こなしてください
ジョギング 10分
腕立て伏せ 50回
スカート捲り88回
目の瞬き 6億回
②疲れたら、とにかく食べまくりましょう。以下のメニューを欠かさず食べてください
かつ丼 1杯
牛丼 1杯
焼きそば5000円分
犬のフ○好きなだけ
③食べた後は必然的に眠くなってしまいます、遠慮しないでたっぷりと寝てください。いっその事、数百年ほどコールドスリープしてしまうのが良いかもしれません
④そして、目を覚ました時、貴方の知っている世界はもはや存在しません、新世界で未知の世界を謳歌しましょう
⑤そう言えば、知ってますか?民間のダンスには、宗教儀式や豊作を願う呪術的行為に起源を持つものが多いという事を
源三「さぁ、分かったかの!?これを理解したら貴様らもうんばぼダンスマスターなのじゃ!」
絵梨「お父さん、テレビ見えないから退いてよ~」
ちなみに、居間のテレビの前で踊っていたので絵梨から迷惑がられていたのだった。
源三「おお、すまんすまん!聞こえんかったわ~」
絵梨「変な踊りにも問題ありだけど、お父さん耳が遠くなったんじゃないの?それかもしくは耳掃除してなくて、耳の中が溜まって聞こえにくくなってるとか?」
源三「そうか、では頼むぞ」
絵梨「耳掃除はしないからね……」
絵梨に膝枕してもらいながら耳掃除を期待していた源三だったが、それを読んだ絵梨にあっさりと拒否されていたのだった。
☆
源三「う~む、それにしても確かに最近は耳掃除をしておらんから耳クソが溜まっておるのかもしれん。最後に耳掃除をしたのは2年くらい前じゃったかな~?」
実は5年以上前である。
源三「仕方あるまい、久々に耳掃除をしてみるとするか、もしかしたら耳がすっきりして聞こえが良くなるのかもしれん」
源三は早速、耳かきを持ってきて、それで耳掃除をするために耳の穴に突っ込んでいた。
???「痛い!痛い痛い痛いわ!」
源三「ん……?」
すると、聞き覚えの無い声が聞こえてきたんだった。しかも、その声は源三にハッキリと聞こえたのだった。まるで耳から聞こえてきたかのように。
源三「な、なんなんじゃ一体?痛いじゃと?訳が分からん」
源三は再び耳かきを耳の中に突っ込んでいた。
???「痛いわボケェ――――――!!」
そんな大声と同時にそれは、姿を見せたのだった……源三の左の耳の穴から!
源三「誰じゃ貴様ぁ――――――――――!!」
耳沢「誰ってワシは耳沢じゃ!耳住まいの耳沢じゃボケェ―――――――!!」
そのスーツ姿で額縁眼鏡を掛けた中年男風の小人は耳沢と名乗ったのだた!
源三「み、耳沢じゃと……?」
唐突に、自分の耳から現れた謎の小人に源三は全身から冷や汗が止まらなくなっていた。
源三「ど、どうなっておるんじゃ?な、なぜワシの耳に分けのわからん小人が住み込んでおるんじゃ!?」
そう、それが最大の謎であった。
耳沢「なんでって、そりゃオメェ~、家賃が安いからじゃボケ!」
源三「家賃!?というか誰がボケじゃボケ!!」
耳沢「おう、己の耳の穴は家賃が安いからのう。ワシみたいな貧乏人にでも何とか家賃を払って住めるってわけじゃ」
源三「貴様、ワシの耳の穴を賃貸住宅のようにして住み込むなぁ―――――――!!ていうかワシは家賃何てもらっとらんぞぉ――――!!」
自分の耳の穴を勝手に賃貸住宅として扱われていることに激怒する源三であったが、さり気なく金銭の要求も忘れない源三であった!
耳沢「アホか!己はあくまで建物にすぎんわ!オーナーは別におるわ!そもそもワシやって金があったら己の汚らしい耳の穴で住んどらんわボケ!」
源三「汚らしい耳穴じゃと……」
耳沢「おうそうじゃ!爺の上にアホで下品でクズなんて悪条件揃いの耳穴なんてそうそうあらへんわな!どうせなら己の孫娘の耳の穴に住みたかったわ!」
源三「絵梨じゃと!?」
耳沢「ホンマやっとれんわ~。現役JKで美少女の耳穴の家賃は高すぎて貧乏人のワシどころか一般庶民にはまず住めへんわ!10代の美少女娘の耳の穴に住めるのは金持ちだけじゃわい!」
耳沢は自分が絵梨の耳の穴に住めなかったことが相当悔しいのか源三の耳の穴に入った状態のまま愚痴りまくっていた。
源三「とにかくワシは認めん!ワシの耳の穴は賃貸住宅じゃないのじゃ―――!!」
耳沢「己が知らんくとも、己の耳の穴は格安賃貸住宅として張り出されとったんじゃ!正直ワシも己の耳穴に住むかどうかは悩みに悩みまくたわ!いくら金があらへんとは言え、クソ爺の耳の穴何ざやっとれへんからな!」
源三「耳沢よ……貴様はワシを完全に怒らせてしまったようじゃな」
耳沢「ほぉ~、ならどないすんじゃ?」
源三「貴様を倒す!食らえ、源三パーンチ!」
源三は拳に力を込めて、左の耳の穴から顔を出している耳沢に鉄拳をお見舞いしようとした。
耳沢「ほな、さいなら~」
源三「逃げるなぎゃ――――――――!!」
耳沢はさっさと耳の穴に隠れてしまい、源三は自分の耳を殴ってしまったのだった……




