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第8話 源三VS院長 奪い合うモノはいつの間にか変わる

前回のあらすじ


ついに源三は病院の院長を尾行して天才赤ちゃんの菜畑来季なばたけらいきを発見した。病院の院長は天才赤ちゃんの頭脳を利用して自らの名声を獲得することを目論んでいた!源三はそんな院長の野望を阻止すると言うよりは、源三は源三で天才的頭脳を利用するべく、院長の作戦を阻止するために奮闘するのだった!





源三「この赤ん坊はワシが貰う!貴様などには絶対に渡さんのじゃ―――――――!!」

院長「黙れクソ爺!私の病院で生まれた赤ん坊だぞ!その処遇をワシが決めるのは当然の権利だろうが!!」

二人の50代の男達が己の私利私欲のために赤ん坊を奪い合うのだった。

来季「あはは~、悪い大人たちがラッキーを悪用するために喧嘩してる~」

そんな自身を巻き込んだ争いを見世物であるかのように笑ってみている来季。

源三「って、ラッキーってなんじゃ?」

来季「ラッキーはラッキーだよ~、菜畑来季だからラッキーなの~、お爺さんもなるべくそう呼んでね~」

源三「何故だかわからんが、そう呼ぶのじゃ……」

と言うわけで、源三は再び院長との対決に臨む。

院長「私のメガネは貴様の戦闘力を的確に測定する、貴様の戦闘力は僅か5!雑魚同然!」

源三「はいどーん!」

院長「あ、痛っ!」

源三の戦闘力を測定していた院長だったがその隙に源三は尻を使ってタックルしていた。

院長「ええい!この院長である私に何たる冒涜!許さんぞぉ―――――――!!」

源三「バーカ!お前がのんびりしているからじゃろうが!」

院長「これでも食らえ――――――――!!」

院長は近くにあった棚を思いっきり源三に向かって倒していた。

源三「のぉ!」

が、リーチが足りずに源三には届かなかった。棚に入れてあった本が一斉に地面に散らかっていた。

院長「まだまだ!ビックシュートを食らえ――――――――!!」

が、院長は苦し紛れに床に落ちた本を投げまくっていた。

源三「コイツ……バカじゃぞ!!」

院長「誰がバカだ!!私は医者だぞ!院長だぞ―――――――!!」

源三はこの院長がバカであるとこれまでのやり取りで気が付いていた。

源三「なにがビックシュートじゃ!本はビックじゃなくてブックじゃろうが!」

院長「嘘をつくなぁー――――――!!」

源三「いや、本当じゃぞ!」

ラッキー「うん、本はビックじゃなくてブックだよ~、ビックは大きいって意味だからね~」

院長「……本当か?」

源三の言う事は全く信じなかった院長だったが天才ラッキーの言葉は素直に信じたのだった。

源三「だははははっ!!貴様バーカ!病院の院長なんてやめて小学校からやり直しやがれなのじゃ――――――!!」

院長「ええい!!許さん許さん許さん!この院長をバカにすると大変な事になるぞ!私の一声で簡単にクビだぞ!」

源三「残念でした―――――!!ワシは白衣を着ているけど医者ではないわ!」

院長「えぇ――――――――!!お前私の病院の医者じゃないんか―――――――!?」

源三「ぶははははっ!!やっぱりコイツバカじゃ!自分で雇っている医者の顔も全然把握しておらんではないか!」

度々源三にバカ呼ばわりされて院長は怒りがMaxになっていた。

院長「これならどうだぁー―――――!!」

院長はまたしても足元にあるアルバムを投げ飛ばしていた。

源三「ぬおっ!」

ようやくそれは源三に命中した。

源三「ん……ん?な、なんじゃこれは!?な、ナースたちの生着替え写真じゃと!?」

源三がアルバムからこぼれた写真はナースや女医たちが着替えている姿だった。

院長「しまったぁ――――!!それは私が密かに女子更衣室を盗撮して保管していた写真集コレクションじゃないか――――――!!」

源三「このセクハラドクターが!これはワシが貰ってやる!ワシが持っている分には問題ないじゃろう!」

院長「ふざけるな!誰がお前などにやるか!これは全部私の物だ!」

盗撮写真を巡って火花を散らし合う源三と院長、ラッキー奪い合って争っていたのも関わらず、あっさりと目的が変わっていた!

ラッキー「よいしょ、今度はドイツ語のお勉強してみよっかな~」

そんな争いに一切興味無しのラッキーは英語を一日でマスターした調子で今度はドイツ語の本を手に取っていた。

院長「これでも食らえ―――――!」

院長は医療器具を運ぶための大きなカードを源三に向かって蹴り飛ばしていた。車輪の付いたカートが源三に向かって激突しようとする。

源三「そうはいかんぞ――――!」

が、源三はそれを足で止めると、今度は自分がカートを押したまま院長に突進する。

院長「のわぁ!」

激突された院長は写真集を手放して、その写真集はカートの上に乗っかっていた。

源三「ワシが貰ってやるわ、じっくりと眺めてやるわ」

にやにやと笑みを浮かべながら源三はカートに乗って写真集を手にする。

院長「それは私の物だと言っているだろぉ――――――――!!」

が、院長も取られまいとカートに乗っかって源三に掴みかかる。

源三「な、なにをすんじゃ!離さんかこのエロドクター!」

院長「これは私が一生懸命カメラの位置とかを計算して仕掛けて撮った努力の結晶だ!貴様に渡して溜まるか―――!!」

カートに乗ったまま写真集を奪い合う源三と院長、車輪の付いたカートの上で暴れまくった結果、カートはガタガタと動いてやがて勢いが付いて……

ラッキー「あ、動き出した~」

源三「げげっ!」

院長「なにぃ!」

よりにもよって出入り口に向かってカートが走り出してしまっていた。


ドガッシャン!


巨大なカートは扉を押し開けて、ラッキーを隔離していた部屋から出てしまう、壁に激突して位置を変えて更にカートは勢いに任せて走行し続けていた。

源三「ぎょええ――――――――!!と、止まらんのじゃ―――――――!!」

院長「だ、誰か私を助けんか――――――!!」

この状況下でも源三と院長はお互いに写真集を離さなかった。病院内の人々は暴走するカートに乗っているいい歳した二人の男達に呆気に取られていた。しかもその片方は病院の院長だった。

源三「ええい!さっさと写真集を離して貴様だけ降りるんじゃ――――!」

院長「このカートだって私の物だ!お前こそ降りろ――――!!」

ぼうそうするカートの上で未だに争い続二人、しかしここは地下であった、上に上がる階段に登れるはずなどないのだが、そこで有り得ないミラクルが起きるのだった!

看護師「あ~、やっぱりバナナの皮のポイ捨てはストレス発散になるわ~」

何故か地下でバナナの皮のポイ捨てをする看護師。

院長「貴様―――――!私の病院でポイ捨てするなぁー――――――!」

看護師「ぎゃ―――――!!」

そこに暴走するカートに乗ったまま怒鳴り散らす院長。


ツルン←車輪がバナナの皮で滑る


源三&院長「「のっぎゃ―――――――!!」」

バナナの皮で滑ったカートは階段の段差に激突した衝撃で二人を乗せたまま地上に飛びあがっていた。が、当然乗っていた二人は思いっきり床に放り落とされる。


どっかシャーン!


カートと源三と院長が思いっきり床に叩きつけられて慌ただしい物音が響き渡る。

院長「ああ、私の写真集が――――!!」

源三「あ……」

うっかり二人とも手を離してしまい写真集は中にしまってあった写真をばら撒きながら、床に転がりまわっていた。

女医「い、いやー―――――!盗撮写真だわ!」

看護師「何よこれ!?どういう事なんですか院長!?」

それを、見てしまった女医やナースたちは自分達が盗撮されている着替え写真を見て院長たちに迫っていた。

院長「違う誤解だ!こ、この写真はこの爺が持っていたんだ!」

源三「貴様―――――――!!さっきまでこれはワシには渡さんとか言ってたくせに何を今更勝手なこと抜かしてやがるんじゃ―――――!!」

院長「知らん知らん知らん!私は知らん!お前こそ大人しく罪を認めんか――――――!!」

女性たちに取り囲まれた二人の男は自分だけでも助かろうと互いに罪の擦り付け合いを始めていた。

女医「皆、やってしまうわよ」

ナース達「「はいっ!!」」

が、被害者の女性たちにとってはどちらも卑劣な盗撮魔にしか見えなかった、源三と院長は女性達に取り

囲まれたまま、壮絶なリンチの時間が始まるのだった。

院長「お、お前達!私を誰だと思っている私はこの病院の院長で最高権力者であって…あぎゃ――――――――――!!」

源三「ワシは本当に知らんのじゃ――――――!!盗撮も覗きもしていない…ぎょえ――――――――!!」

その後、院長は盗撮の一件が露見して失脚した事のみが知られているが、その後にどうなったかについては知られていない。源三は元々失う物は何もなかったのでその後何食わぬ顔で家に帰ったとか。




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