ゆずる4
あたしはおじさんから一部始終、ほたるが今の今までなにをしてきたかを聞いた。
「ほたる…………」
自分の存在さえも犠牲にしてまであたしを救おうとしてくれたほたる。
なんであたしなんかのために…
あたしの存在がほたるを追い詰めてる…?
「……嬢ちゃん…いきなりで戸惑ったりほたるに対して怒ったりいろいろ思うところはあると思うけど、ほたるを追いかけてはくれないかな?」
怒る?あたしが?
ああ、あたしのお母さんをほたるが殺したからか。
はっきり言って正直言ってあたしは毛の程も怒りなんてない。
「今」のあたしはお母さんの記憶なんてほとんどないから怒れと言われてもピンとこない。
むしろ罪悪感でいっぱいだった。
あたしなんかのためにほたるが苦しんでるんだ。
あたしなんかの幸せをほたるは考えてくれたのだ。
あたしはほたるに何もしてあげれないのに。
「あたしなんかほたるにあわせる顔がないよ…」
あたしがほたるに会いにいったところでほたるを余計に苦しめるだけなんだ。
ほたるだってそれがわかっててあたしから逃げた。
さっきまでほたるに会う気満々だったあたしは今にも涙が溢れてしまいそうだった。
「ほたる……ごめん…ごめんね……」
ぶつぶつ呟くあたしを見ておじさんは少しひきつった顔をしていた。
「嬢ちゃん……何言って……
「あーーーー!!!うっとおしい!!見てらんない!!」
聞き覚えのある声が、
聞き慣れない怒鳴り声がドアの外から聞こえてきた。
「…………もも……?」
霞んだ景色の中にももがいた。
「あー…いや、あんた誰だよ?!」
そう言うおじさんを睨みつけておかまいなしにももは家の中にずかずか入ってきてあたしの目の前に仁王立ちをした。
「ゆずる……」
「……もも……
なんでここにぶへぇっ!?」
んで思いっきりビンタされた。
「らしくないわよ、このバカ。」
「…………うん……」
「ももの知ってるゆずるは自分勝手に騒いで周りを巻き込んで何があっても全力で這いつくばって…
それで周りをバカみたいに笑わすのがあんたでしょ。
そうやって周りを照らすのがあんたのやり方でしょ。」
「…………うん………あぎゃっ!!」
今度はチョップされた。
「……ふん…!」
「……いたいよ、もも…」
「目さめたかしら?
それとも足りない?」
ももが素振りし始める。
こんな子だっけ?
「ううん…ありがと、もも。」
相変わらず状況がわからずオロオロしているおじさんにお辞儀をした。
「おじさん、あたしほたるのところ行ってくる。話してくれてありがと。」
そう言うと急に冷静になってこっちを見つめてくる。
「嬢ちゃん…ほたるを…頼むな。」
「にしし!!ゆずるちゃんにまかしときなさいな!!」
大丈夫だよ、おじさん。
あたしは駆け出して外に出た。
後ろからおじさんの声がする。
「ほたるは何かあるといつも秘密の場所に行ってくるって言ってた!!
場所まではわからん!すまん!」
そこまで聞けばわかる。
「大丈夫!!おじさん!もも!
ありがとう!!」
ももの言った通りあたしらしくなかった。
あたしはあたしのやり方でほたるを救いたい。
あたしの光でほたるを照らしてあげたい。
そう思いながらあたしたちの秘密の場所へ走り出す。




