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青いハル
勢いよく水面に投げ出されそのままライフジャケットの浮力さえ無視して沈み込む。
水の中から見上げた陽光は水面で歪められキラキラと瞬いていた。暗い水中に注ぎ込む光を遮るように、数秒前まで自分の乗っていたヨットの船体が私の真上を横切ってゆく。
青いハル。
少なくなっていく肺の中の空気、私は泳げないという事実、船が真上にあるという危険、それらが冷静に頭に列挙されて本能は警鐘を鳴らすのに、本能的な危機感さえ遠くなるほどに静かに私は青いハルとそれに遮られた漏れ日を見上げ、綺麗だ、とただただ魅せられていた。
これは、しがらみで足掻くヨット乗りの話。
初投稿ですハラハラしてます。
ヨット自体あまり一般的な競技ではなく状況が想像しづらい思うのでなるべく伝わるように描写に挑戦していきます
更新のペースもものすごく遅くなると思われますがどうにか書き続けていくので少しでも目を通して頂けたらとてもとても嬉しいです