ブスな奴ほど理想は高い〜会話は思考を鈍らせる〜
前回の続きです。
ちょっと重めです。
できるだけ主人公を楽しませますので、拗らせ君にご期待です。
「人殺しって…萌やしさんそれってどういう。」
「そうですよ。しかも誰を殺したんです?」
「…」
「私の兄です」
「萌やしさんのお兄さん?」
「はい。私の兄はここの茶道部に通っていました。そして、死んだ場所はこの学校です。」
「急になんでそんなことを?」
「彼が私を3年間避け続けていたからです。」
「…」
「ちょっとどういうことよ?海野さん。」
「そうよ。何とかいいなよ。」
「僕は萌やしさんを中学校の頃から知っています。でも、思い出したのはつい最近です。」
「なるほど。でも3年間って言ってたね。」
「はい。僕は彼女に待てと言った場所を後にして、永遠に訪れませんでした。」
「…(殺意の目)」
「…」
皆の沈黙が流れていく。
あぁ分かってた。校門で聞く耳をたて、萌やしさんが「どんな手段を使っても」と言っていることに気づいて、裏があると分かってから、裏門から帰るようにしてた。
彼女は何か闇がある。それは深海より深い。アンコウのように照らしても広まることの無い暗闇。その闇に満ちた目が殺意として今、僕の目と合っている。
「…人手さん。何故来なかったのか。聞いても?」
「…。」
どう言ったものか。
「女性より怖い人種はいない。僕の持論です。」
「…上手く分かりません。」
「僕は生まれてから、母と妹とでしか関わっていません。そんな唯一の関わりでさへ。狂気と事件で溢れてる。女性というか、人は善意の裏に真意があると思ったので距離を置きました。」
「…」
気まづい話だ。ところで警察官って何であんなに失礼の塊なんだろうか。猜疑心を押し付けても謝罪の様子もない。つまりどういうことか?コレは社会が猜疑心は正義という認識だからである。疑いは自分を守る手段であり、もっとも嫌いで、僕がよくする最悪の行為だ。警察官が嫌いというか悪く言うつもりはない。ただ、疑ったり、罪を言い渡す職業というのは反感を買うものだなと…悲しい職業だと思うから。少し、気に掛かるのかもしれないな。
「そうなんですね…。失礼しました。」
「いや、萌やしさんが謝ることないよ!普通にこの海野さんが悪いよ!」
「あぁ…申し訳ありませんでした。」
「確かに、今ぶつかっても何もいい事ないよ!」
…
「…そうだね。海野くん言ってくれてありがとう。」
「こちらこそ。ありがとう。」
…(沈黙)
「なんだ!あのさ、皆で学校見て回らない?何か手がかりがあるかもだし。」
「…協力してくれるんですか?」
「当たり前じゃん!」
「ここまで聞いて引き下がれないしね」
「…」
僕はどうすればいいのだろうか。まともに人と話したことがない自分が果たして上手く事は進んでいくのだろうか…
「そうですね。」
「…海野くん。…ありがとう。」
初めて異性にありがとうと言われた気がした。親族でない「ありがとう」は、お茶と共に食べる和菓子より甘く。心地よいものだと噛み締めた。
落書き




