ブスな奴ほど理想は高い〜思いは濁って消えていく〜
3話目です。
主人公の価値観をどうかお楽しみ下さい。
「お兄様おはようございます。もっと早く起きないといけませんよ?早起きは三文の徳です!」
「そうなんだけどさぁ…昨日ちょっと色々あって疲れてたんだよ」
「ちょっと待って下さいお兄様。詳しく聞かせて下さい」
こいつは妹のりん。昼の弁当を作ったり帰ってくるや否や僕の部屋にノックもなしに入ってくる存在だ。
「詳しくかぁ…なんかウチの高校強制的な入部が約束されているらしくてな。そこで担任の目にとまったというか、つけられたというか…」
「なるほど…(メモ帳に何かしるしている。)お兄様。私は年の差があっても構いませんが、1度面接をしに我が家に来るよう伝えて下さい。これは大事な事ですお兄様!今夜は赤飯です!」
「…ちょっと待ってりん。一旦落ち着こう。先生に入部するよう目をつけられたのは確かだが何でそこまで大袈裟なんだ?」
「だってお兄様の初めてお知り合いになる方ですもの。これは我が家の一大事です!」
僕ってそんなに人望ないのかよ。ないか。妹にここまで言わせる事にどことなく情けさが僕を襲った。
(玄関)
「ではお兄様行ってらっしゃい(カチッカチッ)」
「なんで火打石?」
「厄除けです!」
お兄ちゃんどんだけ厄介者扱いされてんだよ。
(「ふふ。遂にお兄様に恋仲が…コレは例のものを仕入れなければいけませんね。」)
キンコンカーンコーン
今日も平和な学校生活の幕開けだ。こうやってのんびり授業聞いてるだけでいい人生なんて素晴らしくてこの上ないな。この同じ場所に居座っている感じ。…悪くない。ヒトデの疑似体験素晴らしきかな。
キンコンカーンコーン
もう昼休みか。早くて助かるな。今日からいつもの日常がスタートって感じが何かいいな。
ん?ちょっと待て。この後あのぎこちない仲の人達と部活すんのかよ…あぁ急に時間が苦しくなったきた。今日は弁当食ったらどっか散歩だな。
パカ
「…」
あいつも見てたのか。そこには無惨なうんこと、少女のキャラ弁が上手く作られた残念な食事があった。いや、人にさえ見られなければちょっと嬉しいのは否めんな。
「ご馳走様でした。さてと…」
今日はどこを見て回ろうか…やはり、図書室だな。1番遠いし、何より静かなのがいい。海と同じ静かさがある場所は人手ポイントかなり高めだ。
ガラガラ
うん。悪くない。この静かさ、深海のようだ。素晴らしい。
「…」
「…」
なんでいるんだよ。萌やしさんが一人で本を読みそうなのは分かるけど、昼休み終わって爆速で飯食った僕より先にいるなんて…
「…海野さん。なんですか?用でもあるんですか?」
「あぁ…いや。大丈夫だよ。」
くそ。必然的に負けを認めてしまった自分の心を殴りたい。
「…そういえば海野さん。今日部活行くんですよね?」
「んぅん?あぁ〜多分。」
「海野さんお茶好きなんですか?」
「あ。いや。お茶より珈琲が好きかな。」
「…そうなんですね。」
…なんだこいつ。黙ってるから可愛いとか色々思いがちかもしんないが、僕は騙されないぞ。運命も宿命も神様も…僕は信じない。
あれ?…こいつが読んでる本。
キンコンカーンコーン
「よぉし皆。これで放課後ミーティングは終了だ。それでは皆部活を育んでいきたまえ。」
ザワザワ…
くそ。クラスの担任が部活動の担任のせいで抜け出せん…
「おい。海野人手。」
「あ…はい」
「お前。今から部室に行く前にお前に鍵をやる。」
「分かりました」
何でこの先生僕に渡したんだろう。
ちょっと待て…
謎は全て解けた。
ガチャン…ガラガラ。ガラガラ。
やっぱりそうか。
ガラガラ
「おい。来てやったぞ。」
「なぁ。お茶が好きな女子高校生って結構いるか?」
「何よ。急に。でも、まぁそうね。いないんじゃない?」
「…うん。」
「何よ。何か言いなさいよ。」
「もし、好きなものを馬鹿にされたなら最近の女子って…やっぱり傷つくよな?」
「何言ってんのよ。当たり前じゃない。」
「そうだよな…」
「あなた、目だけじゃなくても口も悪いのね。」
「ハハ…」
こいつ…後に絶対へそで茶沸かしたる…。
ガラガラ
「…」
「あら萌やしさんじゃない遅かったわね」
「道に迷っちゃって…」
「そうだよね。まだ来て間もないし、しょうがないわよ!」
…
「萌やしさん。ちょっといいかな?」
「…」
「あなたね。立場を弁えるということをもっと考えるべきだよ。」
「…そんなんじゃないよ!」
「大丈夫?萌やしさん。あんなやつ無視していいからね?」
「…ありがとう。ちょっと話してくる。」
「ねぇ。萌やしさんって兄弟いるかな?」
「…はい。」
「萌やしさんもしかして…お茶好き?」
「…」
「嫌ならいいや。ありがとうそれだけだよ。じゃもど…」
「好きです。…」
…やっぱりか。
「萌やしさん中学校の時何かあった?」
「…すみません。」
「そっか。ありがとう。戻ろっか。」
この時は気づいていない。いや、分かってた気になってただけだった。いっつも考えて、自己満足して1人で解決した気になってるだけ…
この時話終わった後の萌やしさんは、なんだかお茶のように濁っていた。
落書き




